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次代を、創る。バックオフィス革命、今ここに始まる!

2024/12/17に公開

この記事は「レバテック開発部 Advent Calendar 2024」の 10 日目の記事です!
昨日は higaki さんが担当していました!

記事で紹介すること

  • 弊社バックオフィスの問題
  • 開発側の問題へのアプローチ
  • これまでの実績
  • 今後の構想

この記事で書かないこと

今回は、技術的な内容についてはほとんど記載しません。
ただ、直近で携わっている新規プロジェクトの技術選定フェーズでは面白いネタが結構あるので、またどこかの機会でご紹介します!

自己紹介

はじめまして、今年の4月に中途入社しました、レバテック開発部のつげです!
入社後は、企画・要件定義・設計の上流工程から、実装・テスト・運用保守の下流工程までを担当してきました。
直近では新規プロジェクトのプロジェクトマネージャー(PM)的な役割でプロジェクトを推進・管理しております。また、プロジェクトで使用する技術選定の決定など幅広く業務を担当させていただいております。

余談:タイトルの「次代を、創る。」は弊社のスローガン的なもので、規模は違えど私たちのチームがこれからやろうとしていることの内容に近しかったので引用しました。笑

そもそもバックオフィスってどんな業務をやっているの?

バックオフィスとは

社内用AIチャットツールに聞いてみました。
企業活動を支えるために、主に間接的に業績や利益に貢献する部門や業務のことを指します。バックオフィスは顧客や取引先と直接関わることが少なく、会社の「裏方」として重要な役割を果たします。とのことです。

一般的な部門

経理、財務、総務、営業事務、人事、労務、法務、情報システムなど。

業務内容

弊社バックオフィスも上記部門に当てはまる部分は多いですね。その中でも弊開発チームは業務領域的に「法務」「経理」との関わりがメインで、具体的には契約管理、請求書処理、経費精算などに関する業務効率化の支援をおこなっております。

バックオフィスの問題

バックオフィスは企業運営の要として重要な役割を担っていますが、弊社においては以下のような課題が顕在化しており、現場の作業効率性や安定性に影響を与えています。これらの問題を正確に把握し、改善に向けた取り組みを進めることが喫緊の課題です。(既に進めている部分もあります。)

1. アナログ業務

現場の業務はまだまだアナログな業務が多く改善の余地があります。
例えば月初の請求業務においては、スプレッドシートと印刷物を組み合わせて遂行していることで、事業成長に対しての運用拡張性の限界が近いこともあり、潜在的な業務破綻リスクがあります。
このような手作業ベースの運用は、業務の効率性を著しく低下させるだけでなく、業務フローの透明性が損なわれるため、人的ミスやデータの齟齬が発生するリスクが高まり続けているのが実態です。

2. リソース不足

多くの企業が抱える共通の課題ですが、弊社のバックオフィスも例外ではありません。
現状は専門性が求められる業務領域に対して限られた人数で処理する中に加えて、突発性や偶然性の事象にも対応しなければいけなく(事業成長への適用、法改正、リスク管理)、一部の定常業務を上位レイヤーが実行するケースも発生しています。

3. 開発優先度が低くなりがち

弊社では、事業成長に直結する開発要望が優先される傾向にあり、結果としてバックオフィスの改善要望が後回しにされる状況が続いていました。これは会社の収益構造や事業運営の優先順位を考えれば合理的な部分もありますが、次のような悪循環を生んでしまったのは事実です。

  • 要望の積み上がり
    バックオフィスが抱える課題が継続的に放置されることで、改善ニーズが蓄積し、問題が複雑化。この結果、簡単に解決できたはずの課題も手がつけられない状態になってしまったものもある。

  • 業務負荷の増大
    システムの改善やプロセスの効率化が遅れることで、現場の負担が増加し、さらなる問題を招いています。

事業成長を支えるためには、バックオフィスの基盤強化が不可欠であり、これを無視し続けると、結果的に会社全体の運営に悪影響を及ぼす可能性があると思っております。

4. ツールやシステムの未整備

現場では、スプレッドシート、外部ツール、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、社内システムなど、多様なツールが混在しています。この状況により、以下の問題が生じています。

  • 管理コストの増加
    ツールが乱立していることで、それぞれの運用にかかるコストやメンテナンス負荷が増大しています。

  • 認知負荷の増加
    多数のツールを扱うことで、従業員がツールの操作方法や運用ルールを把握する負担が増えています。この認知負荷の増加により、業務の効率が低下しています。

  • 全社的な問題
    この問題はバックオフィスに限ったものではなく、全社的な課題であるとも考えています。

問題へのアプローチ

1.体制変更

まずは今年、開発側とバックオフィス側それぞれに組織変更が入りました。
開発側では、バックオフィス領域に特化するためのユニットを新たに結成し、バックオフィス側には「業務企画室」を新設しました。これにより、開発とバックオフィスの連携強化を図り、効率的かつ効果的に課題へ対応できる体制を構築しています。

業務企画室とは

業務は多岐に渡ります。ここでは開発側との関わり方にフォーカスしてお伝えすると、開発とバックオフィスそれぞれのコミュニケーション窓口となり、現場の問題を吸い上げ、それをどの優先順位で、どのようにアプローチしていくかを決定していく組織です。
(ちなみに、私の直近の役割が企画や要件定義ということもあり、業務企画室の方には大変お世話になっており頭が上がりません。)

なぜ体制変更なのか

◾️開発側
バックオフィス領域に特化したユニットを独立させることで、これまで後回しになりがちだったバックオフィスからの開発要望に確実に対応できるようにするためです。また、専門性を持つメンバーが課題に深く関与することで、迅速かつ的確な開発対応を実現します。

◾️バックオフィス
バックオフィスの本質的な問題として、定常業務の遂行能力は高い一方で、改善企画・検討をする思考力・実行力を持ち合わせている人材が少ないというのが世の中的にも、弊社的にも大きな課題であり、そのための手段として業務企画室を新設する運びとなりました。それにより、現状は課題を計画的に実行できる基盤が構築され、実際に多くの施策が実行されています。

2.アナログ業務のデジタル化

今後の候補はたくさんあります。(契約管理、請求業務のアナログ運用)
一旦本記事では後述する「これまでの実績」をもとに実際のデジタル化(効率化)の例を一部紹介したいと思います。

3.拡張性・保守性・安全性のあるシステム基盤構築

バックオフィスが日常的に使用する社内システムの拡張性や保守性が高いかと言われると、自信を持ってYESとは答えられないのが実態です。

新規プロジェクトの開始

そこで現在進めている施策が、現行の社内システムからバックオフィスの業務領域を切り出し、領域に特化した新システムを構築するプロジェクトです。このプロジェクトの目的は、保守性・拡張性・安全性を兼ね備えたシステム基盤を実現し、将来的な事業展開や組織の成長に安全で柔軟に対応できることにあります。新規プロジェクトの過程や結果については、シリーズ化してチームメンバーでガンガン投稿していきたいですね。

ATLIKE株式会社を子会社に

くわえて、弊社は今年4月にATLIKE株式会社を子会社として迎え入れました。
それにより弊社に事業部が新設され、その概念を現行のシステムに取り入れ、業務を遂行する必要があります。このような事業拡大にシステムで追従するためにも、基盤の構築が急務となっています。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000651.000010591.html

4.バックオフィス組織文化の変革

目指す方向性としては業務のデジタル化を推進することにあります。そのためには、まずバックオフィス人材がデジタル化の意義を理解し、業務効率化や改善の可能性を実感してもらう必要があると考えています。

障壁

バックオフィスは、企業の基盤を支える重要な役割を担っており、「最後の砦」として正確性や堅実性を最優先に業務を遂行することが求められます。このような性質から、既存の業務フローや慣れ親しんだ方法を変更することに対して慎重になる傾向があります。

どうするか

まずはデジタル化の意義とメリットを伝えること。その上で小さな成功体験を継続的に積んでもらうことが重要だと感じます。
いきなり大規模な変革を求めるのではなく、現場で負担の少ない領域や効果が分かりやすい業務からデジタル化を始め、たとえば、経費精算や契約管理の一部を自動化することで、短期間で成果を出し、現場に「デジタル化で業務が楽になる」という成功体験を提供できれば良いなと感じます。
小さな成功が積み重なることで、デジタル化に対する抵抗感が薄れ、自然と取り組みへの前向きな姿勢が全体で醸成されていくと思います。

これまでの実績

細かい施策を全て挙げると記事の目的から逸脱するので、ここでは一番大きなインパクトを与えた施策のみをご紹介します。

クラウドサイン送信自動化

要望(背景)

業務委託契約を結ぶ際、契約書類を人材側に送付する必要があり、この業務をクラウドサイン上で手作業で行っていました。具体的には、クラウドサイン上で以下の作業を実施していました。

  • 契約書類の作成
  • 契約書類の内容確認
  • 契約書類の送信

これら一連の作業には、1件あたり約5分の工数がかかっており、業務の効率化が求められていました。

業務フロー図

AsIs

まずは作業担当者が社内システムを用いて送信に必要な情報を確認・ダウンロードします。その後、クラウドサイン上で、社内システムからダウンロードしたデータの内容を確認しながら、契約書類を作成して、人材に送信までを全て手動でおこなっていました

ToBe

AsIsの契約書情報確認以外の業務を全て自動化しました。具体要件で言うと社内システムにクラウドサイン一括送信機能を新設しました。画面で一括送信ボタン押下後は、データの妥当性チェック、契約書類の作成をクラウドサインのWebAPIを使って自動化を実現しました。

クラウドサインのWebAPIはオープンソースでSwaggerHubで公開されており、以下リンクから確認できます。
引用:クラウドサインWebAPI

インパクト

◾️工数
300時間/月 ⇨ 50時間/月 = 83%削減

◾️コスト
情報公開レベルの都合上、具体の数字には触れられませんが、年間で数百万円規模の削減でした。

感謝

機能リリースに向けて関わってくださった関係者の皆様、本当にありがとうございました。
私一人では成し遂げられなかったことだと心の底から思っており、この場でも感謝をお伝えさせていただきます。

終わりに

今回は、組織的な視点からバックオフィスにおける課題と、それに対するアプローチを中心にお話ししました。これらの内容は、今後我々のユニットがどのような取り組みを進めるにしても、その根幹となる重要な背景として機能していきます。

一方で、私は開発者としての立場を持ち、技術的な探求心を常に抱えています。現在進行中の新規プロジェクトでは、多くの技術的な挑戦が待ち受けており、学びや発見の機会が非常に多いと確信しています。

これらについては、改めて記事として共有し、知見を分かち合いたいと考えています。(ただし、直近の半年間は納期に追われるスケジュールが続く予定のため、まずは目の前のプロジェクトを全力で乗り越えることに集中したいと思っています...)

この記事がどなたかの役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

明日は ryusukeeee さんが投稿します~
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