よい組織づくりは組織内の多様性を引き出して知恵を生む
ここで伝えたいこと
- すごいプロダクトやサービスをつくっても売れなければ事業にならない
- すごいプロダクトをつくれる、たくさん売ることができる、顧客も社会もハッピーにできる、どうせ仕事するならそんな環境で働きたい
- そういう組織は組織内の多様性が尊重されていて、その多様性が大きな知恵を生み出す
Leanerでは組織づくりを何のためにやるか(Leanerが考える多様性とは何か)
Leanerは「調達のスタンダードを刷新し続ける」ことをミッションにしてます。ただ単に事業として成功するだけでなく、調達という業界のスタンダードを刷新することを意識してます。
ExcelやiPhoneのように世の中に当たり前に使われるプロダクトをつくりたいと思ってます。(Excelが良いプロダクトなのかどうかは別として)
世の中のスタンダードとなるようなプロダクトを生み出すためには、今までにない価値観、顧客や業界への理解、そしてデザインやエンジニアリングの才能が必要です。
よくある会社だと、だいたいセールス文化が強かったり、エンジニア文化が色濃かったりして同質性が高いメンバーで構成されています。
- とにかくセールスが売りやすくする(ユーザーの価値につながる保証はない)ための機能追加が優先されてエンジニアが疲弊する
- エンジニアが内部品質を気にしすぎてユーザーの欲しいものをつくれない(時間をかけてリファクタリングしても内部品質が上がる保証もない)
同質性の高い組織でも、その性質が時代に合えば、事業を伸ばすことはできます。
ただし、それは表面的な成功なので、時代の流れが変わったときにうまく対応できずに終わります。うまく対応するためには時代の流れに合わせた変化が必要です。その必要性に気づくことが大事です。その気づきを組織にインプットするために多様性が必要です。
組織に多様性を持たせて、世の中のスタンダードを刷新して、さらに時代の変化に対応する。
Leanerではそういう組織づくりを目指してます。
組織に多様性を持たせて、活かすとは
以下の二点だと考えてます。
- 異なる視点を持つメンバーをゆるくつなげる
- 異なる視点を持つメンバーでオープンに議論して意思決定する場をつくる
ゆるくコミュニケーションを取って関係を構築する場と、緊張感を持って議論して意思決定する場の両輪があることでうまいこと多様性を活かせるのではないかと思ってます。
言い換えると
- 発散と収束
- 緊張と緩和
- 公式な硬さと非公式なゆるさ
といったことをうまく使い分けることを意識してます。
これらの一方しかできてないと、片手落ちになってします。(関係性がよくなっただけでそれが意思決定に活かされなかったり、重要な議論をしようとも関係性ができてないので発言する心理的ハードルが高い、など)
Leanerでの取り組み例
個人的には組織に多様性を持ち込むだけでは駄目だと考えてます。普通の人は周りの空気を読みながら自分の振る舞いを考えるので、その空気を組織づくりを担う人間がデザインするべきです。
多様性を活かすために、積極的に社内のコミュニケーションを促す仕組みを意図的につくることが必要です。特に異なる職務やスキルを持つ者同士だとお互いの普段の仕事内容がわからないので遠慮しがちです。
Leanerではコミュニケーションを促す場、議論を促す場として、次のことに取り組んでます。
エンジニアとセールス、CSが組をつくってゆるく相談しあう「相棒制度」
(Leanerではフィールドセールスをアカウントエグゼクティブと呼称してます)
異なる職務のメンバー同士でランダムに組をつくって、ゆるく相談できる制度です。話す頻度は各組にお任せしてますが、だいたい毎週30分程度で行われます。
話す内容も特に決められてませんが、
- セールスやカスタマーサクセスで顧客が抱える課題
- その課題をどう解決するか
- プロダクトで解決するならどんな新機能が必要か
- あるいは運用でカバーするべきか
といった普段の仕事の困りごとなどをゆるーく話してもらうことが期待されてます。
※ あくまでもゆるい場であって、公式に意思決定する場ではないことが大事
医療でおこなれているオープンダイアログに近い仕組みかもしれません。すぐに結論を求めずにただ話す、ただ聴く、そういう時間を大切にする制度です。
全社でオープンに議論する「イシュー会」
月イチで全社にとって重要な議論をする場として「イシューからはじめる会(イシュー会)」というミーティングをつくってます。書籍「イシューからはじめよ」に影響を受けてこの名前になってます。
会社として掲げてるミッションに到達するために、今やらなければいけないこと、会社として解くべき課題は何か、を全員で考えます。
このミーティングを通して、普段の仕事で関わらないメンバーの意見に耳を傾けて、その人の人となりを知ることができて、なおかつ会社として今解くべき重要な課題について話すことができます。
こういう議論がオープンに行われることがとても大事で、日々モチベーションをもって働くうえでの安心感につながると考えてます。
多様性を活かした組織づくりのために必要な要素
こういう組織づくりはやろうと思ってすぐにできるものではありません。
組織の文化・価値観
そもそも組織の文化・価値観として多様性を必要としていないとできません。組織としてのミッションのあり方が求められます。一度できあがった文化・価値観を変えることは不可能なので今できてなければ今後もできることはないでしょう。
経営者のやる気と理解
組織のトップが必要性をわかってないとできません。これも文化・価値観と同じで、そもそも肌感覚としてわかってないと周りがどれだけ必要性を説得しても徒労に終わります。
まとめ
(少なくとも今のところは)Leanerでは全員が高い目標に向かって協力する文化と仕組みがつくれています。今後の組織拡大に合わせてより多様性を拡大して、それを活かす仕組みをデザインし続けていきたいです。
(おまけ)Leanerでこれから取り組んでいきたいこと
チーム間を定期的にメンバーが移動して流動性を高める
Leanerでは基本的にプロダクト単位で事業とチームが構成されています。現状2つのプロダクトがあるのでざっくり2チームです。それぞれに個別のロードマップ、チーム体制、プロセス、技術スタックがあります。
一つの事業・プロダクトでずっと仕事をしているとプロセスや人間関係が最適化されていきます。最適化それ自体は悪いことではないですが、行き過ぎるとマインドが固定化されてコンフォートゾーンから抜け出すことが難しくなります。それは多様性を活かすうえでも支障をきたします。
そのため、敢えてチームに人を固定化せず、定期的にチームを移動する仕組みをつくりたいと考えてます。これをやろうと思うと、チームメンバーにある程度の余裕が必要になるので採用を頑張っていかないとなあ、という感じです。
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