スタートアップのエンジニアにとって、丁寧に会話ができるBizがいることが福利厚生
こんにちは、Leaner Technologies の小久保 @yusuke_kokubo です。
最初に諸注意です。これは会社のテックブログですがテックな話ではありません。
Leaner で言うエンジニアは「Web 系のソフトウェアエンジニア」をさします。(ですが、Web もソフトウェアにも特化した話ではありません)
スタートアップで働くエンジニアにとっては自分の技術力で事業をつくりだしてグロースさせることが本望
と私は思ってますがどうでしょう?
そう思わなくてもとりあえずそういうものだと思って続きを読んでください。
スタートアップが事業をつくりだすためには、まだ世の中にない価値を爆速で生み出す必要があります。世の中にない新しい価値を爆速で生み出すためには、組織の問題でつまづくわけにはいきません。
スタートアップがスタートアップするために
会社で組織が大きくなってくると、職種で壁をつくりがちです。
部門や部署間のインタフェースはマネージャーなど、特定の代表者が調整しています。
しかし、普通の会社ではそれで問題ないでしょうが、社会を変えるイノベーションは多様な価値観の重なりから産まれることが圧倒的に多いです。それを踏まえると、普通の会社でつくられがちな職種の壁はスタートアップにはない方が好ましいです。
といってもスタートアップでも職種の壁は厚い
そもそもセールスとエンジニアでは生きてきた環境が違います。
培ってきたスキルやメンタリティも大きく異なります。
それぞれに数値目標を設定すればそれぞれの論理で動くのは当たり前
自然のなりゆきに任せていると、現場は職種で分割されます。職種間の調整は「相手の言ってることはよくわからんけどマネージャーがいい感じにやってくれるだろう」となります。
すべての部門の KPI が正しく連動して売り上げにつながる仕組みができていれば、お互いに干渉せず任せることもできるかもしれません。
しかし、各部門の KPI をきれいに組み合わせてツリーをつくるだけで社会にインパクトを生み出す事業をつくりあげることができるのでしょうか。
数値として目標を持つのはとても大事だけど、そこにイノベーションが生まれる土壌となれるのでしょうか。
リーナーではどうか
リーナーの Biz は顧客にプロダクトのスペックではなく、プロダクトの価値を売ります。
リーナーのエンジニアはプロダクト機能のフルスペックではなく、ユーザーが使う分だけをつくります。
リーナーの Biz はプロダクトの開発の進捗を積極的にキャッチアップしています。
リーナーのエンジニアは新機能をつくるときは Biz からの顧客のフィードバックを取り入れるスピードを大事にしています。
先日も Product Backlog 上位に並んでた PBI についてセールスから「この機能を本当に顧客が求めているのか不安なので聞いてきますね」と言って顧客ヒアリングした結果、実は顧客が求めているものとは違っていました。
プロダクトの価値を顧客に提供しようと思っていないとこういう行動にはなりません。
(その後のヒアリングと検討によって無事に Product Backlog として洗練されて戻ってきました)
よくありがちな技術的に可能かどうかで不毛なやりとりで消耗することはリーナーではありません。
人が会社を辞めたくなるのは、周りのメンバーと問題認識を共感できなくなったとき
(ここから話が変わります)
同じエンジニアどうしでも、何を問題として認識して、何が今チームとして解くべき課題なのかズレてしまうと会話が成立しません。この認識のすれ違いはチームにとって致命的です。
そのすれ違いをマネージャーが頑張って調整できるかもしれませんが、事業を PMF させてグロースさせることを最優先として考えるスタートアップにそれは必要なコストなのか、それはプロダクトの成長に貢献するのか、と言われるとどうでしょう。
真に社内にとって価値あるプロダクトと事業をつくれるチームはセールスやエンジニアをはじめとして、カスタマーサクセス・カスタマーサポート・デザイナー・ HR ・バックオフィスなどなどすべての職種のメンバーを含めて、同じ問題について話し合い、チームとして解くべき課題に向き合い、お互いのプロフェッショナリズムを尊重することで生まれるのではないか、というのが自分の意見です。
そういうチームにとっては、誰がエンジニアで、誰がセールスだとか、マネージャーが誰で、という職種やロールで会話する必要はないでしょう。
これは個人的な意見ですが、誰もが「職業: 自分」という存在であるべきです。
自分がどういう人間なのか、どういうスキルを使ってプロダクトやチームに貢献するのか、他人に決められてはいけない
(さらに話が変わります)
自分が何者であるのか、他人に決めさせてはいけない。
自分の存在価値を、他人の物差しで決めさせてはいけない。
大人なら自分の価値は自分で決めよう。
そのために自分の仕事は自分で決めよう。
リーナーではそういうことをできる人が集まっているし、それを踏まえて組織をスケールさせていきたいと考えています。
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Discussion
内容はともかく、企業文化を形成する要因を福利厚生として捉えるのは面白いと思いました。
契約書に明記された正式な福利厚生になるところまで期待したいところです。(ただし、法的文書とするにはより簡潔に抽象化され、形式的な文章で表現する必要がありそうですね)
それこそ人事とエンジニアという職種(というより職掌?)の垣根を超え、エンジニアだからこそ提案できる福利厚生を、人事が正式に契約書に組み込むところまでサポートしてくれるような協力体制を持った組織が求められますね。