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読書感想文:カイゼンジャーニー
概要
この本は、ソフトウェア開発現場をモデルにした各種有用なプラクティスを小説的な側面で脚色した本であり、影響を受けた本を一冊勧めて欲しいと言われればこの本を挙げるかもしれません。内容が濃いのと、なかなか腹落ちしなかった点や個別のプラクティスの読み返し等をしているうちに、感想を文書化するのが遅くなりました。:)
よかった点
- 紹介されているプラクティスは有意義で、正直プラクティスの紹介コラム部分だけでも価値があるのですが、小説的な記述がプラクティスが使える場面への理解を助けています。
- 苦しい現場や継続的に発生する困難な問題を越境して(周囲を巻き込んで)解決していく主人公の姿勢は、特に転職を考えたことがあるエンジニアなら一読する価値があると思います。
- 読了時間は1週間程度要しました。紹介されているプラクティスすべてについて腹落ちしたわけではないので、折に触れて読み返したいと思います。
- Value Stream Mappingは目からうろこでした。例になってる病院と薬局の例もわかりやすかったです。いい感じに作図できる手頃なツール(Microsoft Visioとか名前は知っていても経済的な理由であまり使わないです)がまだ見つけられていないのですが、届ける価値から考えるというスキームを意識しつつ身につけたいと思ったスキルの一つです。
悪かった点
両面評価しているのであえて挙げると以下です。但し、私はこの本を高く評価しているので、この本の評価を下げるものではありません。
- おそらくこの本を高く評価するのは、ある程度危機感や問題意識か経験ないし想像力を持っている読者層だと思いますが、広く広まっているプラクティスの紹介も多いので、「え?そんなのもう当たり前にやってるよ!」みたいな事もあります。主人公が環境をカイゼンしていく過程のストーリーで構成されているので、そこは仕方ないのかなと思います。
- 索引的な使い方がもう少しし易いとよいかなと思いました。アジャイルサムライ等でも「やり方だけを真似するな」とはよく言われていますので、あえてしていない気もします。巻末の別表3は索引的な役割を果たしているので、参考にさせていただいています。
- 頁の関係上、名前だけ紹介されているモデルがあったりしていて、そのすべてを語られているわけではないので、参考文献等も参考にさせていただきます。
- 1か所誤字を見つけたのでモバイルKndleからご報告させていただきました。
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