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【LabCode】2024年の振り返り

2024/12/30に公開
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はじめに

こんにちは、LabCode(ラボコード)代表のNyoshです。
みなさまは2024年、いかがお過ごしでしたでしょうか?
LabCodeは2023年に続き、この1年もそれなりに成長できたと感じています。
本記事では、今年の活動を振り返るとともに、来年に向けた展望をまとめました。

  • LabCodeで取り組んだこと
  • 技術書の売れ行きやブログのPV数
  • 新サービスのリリース状況

これらを公開することで、私たちの成功や失敗から何かしら学びを得ていただき、みなさまの中から新たなサービス(特にアカデミックな領域を対象としたもの)が生まれるきっかけになることを願っています。
そうした流れが生まれ、アカデミック領域全体がますます盛り上がっていけば嬉しいです。

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LabCodeでは、研究に役立つプログラミング情報をまとめた技術書を販売しています。
バイオインフォマティクス、In Silico創薬、数値計算、周波数解析、量子化学計算、衛星データ解析、気象データ解析など、多岐にわたるジャンルの書籍が揃っています。

https://zenn.dev/labcode?tab=books

そもそもLabCode(ラボコード)とは何?

LabCodeは、「研究するすべての人にプログラミングをできるようになってもらいたい」という思いから誕生した団体です。
技術ブログの運営や、研究に役立つ技術書の販売、イベント開催などを行い、プログラミングを活用して研究の生産性や可能性を広げることを目指しています。

プログラミングスキルが熟達していくと、研究者からソフトウェアエンジニアへのキャリアチェンジなど、さまざまな可能性が生まれます。そうした道を切り拓いてもらいたいという願いから、私を含む6名のスタッフで運営しています。(全員、本業とは別に副業として活動中です。)

LabCodeの立ち上げ経緯や過去の活動についてはこちらにも詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
https://labo-code.com/note/labcode-review-2022/

2024年の目標

2023年の振り返り記事で「2024年は収益をさらに伸ばしつつ、新サービスをリリースしたい」といった大まかな目標を立てていました。

【LabCode】2023年の振り返り

  • 収益の拡大
    • 技術書を充実させる
      • 新規タイトルを出す
      • 既存の技術書をブラッシュアップする
    • 海外へリーチを広げる
  • 新サービスのリリース

2023年末にようやく黒字化に成功したこともあり、2024年にはさらに売上を伸ばし、新しいサービスにもチャレンジしたい。そんな思いでスタートした1年でした。

2024年の振り返り

収益の拡大はできたか?

まず、結論としては売上は約2倍になり、利益は微増となりました。

売上の大部分は技術書の販売によるもので、以下の取り組みによって多少は売上アップに貢献できたと考えています。

技術書の新タイトルを6本リリース

LabCodeのスタッフの頑張りにより、今年は6本の新タイトルをリリースしました。
これにより2024年の売り上げは2023年と比較して伸ばすことができました。

2024年はタイトル数を増やすことに成功しましたが、それと同時に課題も見つかりました。
LabCodeの出す技術書の内容はどのジャンルもかなり専門性の高い内容で、書籍の執筆には多くの時間と労力が必要です。現在の体制では1人が書ける書籍数に限界があり、今後は2025年に向けて人員を増強し、さらに執筆ペースを上げていきたいと考えています。

技術書典へのオフライン参加

技術書オンリーイベントである「技術書典」に初めてオフライン参加しました(5月と11月に東京・東池袋で開催)。
普段はZennやBoothといったオンラインプラットフォームで販売していますが、リアルイベントに出店することで、これまで接点のなかった層にもリーチできたのは大きな収穫でした。

https://techbookfest.org/

以下のグラフは月ごとの技術書の販売数の推移です。オフラインイベントのあった月は明らかに伸びています。

ただし、交通費や出店費用などコストもかかり、新刊がないと売上アップが見込みづらいという課題も。2025年は技術書典へのオフライン参加回数を再考しながら、より効率的な出店戦略を探りたいと思います。

海外へのリーチ

英語圏のユーザー向けに技術書を販売しようという計画を立て、以下の2つに取り組みました。

  1. ブログで英語記事を公開し()、英語版技術書()へ誘導する
  2. SEO対策による海外ユーザーの検索流入を図る

結果としては、2024年の海外向け施策は失敗に終わりました。主な原因は、英語圏では日本語以上に記事の競合が多く、検索エンジンで上位に表示されにくいことです。

検索順位を上げるためには相当な労力と費用が必要ですが、現状、そこにリソースを集中するフェーズではないと判断し、ひとまずストップしました。

ただし、SEOは時間をかけてドメインパワーが蓄積されることもあるので、一旦はこのまま「寝かせる」方針です。余力ができたら改めて挑戦してみたいと考えています。

ブログのPV数アップ

LabCodeが運営するブログは2024年に月間3万PVを超すことができるようになりました。
技術書を出すとともに記事もブログにアップすることで少しずつ流入が増えた結果となります。
ブログへの検索流入からのブログ内の技術書リンクを踏んでもらうことで、技術書販売サイトへの安定的な流入と安定的な売り上げに貢献しています。

ただ2024年は、AI(特にChatGPTなど)の普及によって、「検索エンジンで調べる回数自体が減ったのでは」と感じています。実際にブログPVは横ばいまたは減少傾向にありました。

とはいえ、LabCodeは「研究+プログラミング」といったニッチな分野を扱っており、AIに質問しても答えることができない内容を取り扱っているので、思っていたほどPV数は落ちずに済んだと思います。(2024年1月あたりは結構減ったのでドキドキしてましたが)

マーケティング施策

以下のような様々な施策を行い、他のコミュニティ様と協力する形で試行錯誤しています。

  • grubio様コミュニティにてワークショップ開催

https://x.com/ryuhi_sato/status/1818942183178993952

  • 猫壱様とのコラボ

https://x.com/nekoace55/status/1831251444546392557

  • iGEM Waseda様とのコラボ記事の公開

https://x.com/Wasedaigem/status/1861018423935041905

新サービスのリリースはできたか?

新サービスについては、部分的に進展があったものの、まだ完全に「リリース」と呼べる段階には達していません。以下のような活動を進めました。

新サービスの基盤づくり

LabCodeのノウハウを詰め込んだ、研究者向けのプラットフォームを開発中です。2024年は企画段階からβ版の開発へ進み、基礎的なフレームワークはほぼ開発できました。
ただ、コンテンツがまだ十分に拡充できていないために皆様にお披露目することができていません。

インタビューの実施

様々なバックグラウンドを持つ研究者へのヒアリングを重ね、どのようなサービスが求められているかをリサーチしました。実際に課題やニーズを知ることで、新サービスの方向性がより明確になりました。

https://x.com/LabCodeBlog/status/1827508356577423482

サポートサービスの開始

新サービスのリリースと言ってもいいかもしれませんが、サポートサービスを一部開始しました。
技術書を読んだだけでは理解しきれない部分をZoomやMeetなどのオンラインミーティングツールを用いてフォローするサービスです。
環境構築などテキストだけではどうしてもフォローしきれない部分を解決できると考えています。

【Python】データ解析入門のサポート

2025年はこの土台をもとに、本格的なローンチを目指したいところです。

2025年をどんな年にしたいか

最後に、2025年の目標と展望をまとめます。

  1. 技術書のタイトルを増やす
    • コンテンツ数を増やすことで、より多くの研究者に役立つ情報を届けたい
    • 執筆リソース確保のためスタッフを増やす予定
  2. 販売先の拡大
    • 既存の技術書をKindleでも販売していく
    • Kindle化のタイミングで内容を見直し、質のブラッシュアップも実施
    • Amazon内検索に引っかかる恩恵や、既存Amazonアカウントによるスムーズな購入を期待
  3. 新サービスをちゃんとローンチする
    • 2024年に作った基盤を活かし、研究者向けプラットフォームを本格始動させる
    • 将来的にはVertical SaaS(特定業界・領域に特化したSaaS)を目指す

私たちLabCodeは、研究とプログラミングの境界をどんどん薄くし、研究者自身が開発やデータ解析をスムーズに行える世界を目指しています。そのためのリソースやサービスをさらに拡充し、2025年は飛躍していきたいと思います。

ここまでご覧いただきありがとうございました。来年もぜひLabCodeをよろしくお願いいたします!

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