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2段階認証サーバーを自作してWebアプリケーションの認証に使う

2023/10/14に公開

概要

signalというオレオレ2段階認証サーバーを自作した。

https://github.com/kyoheiu/signal

文脈

VPS内でホストするWebアプリケーションを作るとき、ひとつひとつに認証機能をつけるのは非効率なので、一括で認証をするためのサーバーを作りたい。

前提として、nginxを使っている。
nginxにはauth_requestというモジュールがあり、これによってレスポンスがOKの場合はそのままアクセスさせ、それ以外は特定のURLにリダイレクトさせる、というシンプルなトラフィックコントロールが可能になる。(上記swimlaneを参照)
このauth_requestを使って、一度認証サーバーのAPIを叩き、Ok/Errで行き先を変える、ということをする。

認証の中身

所詮個人用途なのでユーザーネームとパスワードだけでもよかったのだが、それだとbasic authとほぼ変わらないセキュリティレベルになり、一括認証が可能なこと以外はあえて作るメリットが薄かったので、勉強も兼ねて2段階認証を実装した。

1st step: LDAP auth

LDAPサーバーを自分で立てていることが前提になるが、dnとパスワードで認証をする。ライブラリはshaozi/ldap-authenticationを使用。単なるユーザ名・パスワード認証なので、LDAPを使わなくても別にいい。(もともと使っていたので、流れで使っているだけ)

2nd step: TOTP auth

こちらも手持ちのスマートフォンでAuthenticator appを使うことが前提になるが、TOTPを使った認証をさらに挟む。ライブラリはhectorm/otpauthを使用。ここで無事認証されると、CookieにJWTがセットされ、元のURLへリダイレクトされる。また、一定期間はログインなしでリダイレクトされる。

rate limiting

TOTPを実装していく中で、TOTP自体の仕組みがbrute force attackに非常に弱いということを感じたので、TOTP authの部分にのみrate limitingを導入している。
あくまでも個人〜せいぜい2,3人の小さなコミュニティでの使用を想定しているので、サーバーサイドのデータはファイルシステムI/Oのオーバーヘッドを許容してjsonファイルで永続化しているが、rate limitingでもやはりjsonでログインエラー情報を保存する。

interface FailedAttempt {
  dn: string;
  time: number;
}

export const rateLimited = async (dn: string) => {
  const failedAttempts = await readFailedAttempt();
  if (!failedAttempts) {
    return false;
  }
  const now = Date.now();
  const filtered = failedAttempts.filter(
    (attempt) => attempt.dn === dn && attempt.time > now - LIMIT_TIME,
  );
  if (filtered.length < MAX_ATTEMPT) {
    console.log(`${filtered.length} failed attempts within a minute so far.`);
    return false;
  } else {
    console.log(`Err: ${filtered.length} failed attempts within a minute.`);
    return true;
  }
};

export const writeFailedAttempt = async (dn: string) => {
  let failedAttempts = await readFailedAttempt();
  const now = Date.now();
  const attempt = { dn: dn, time: now };
  if (!failedAttempts) {
    await fs.writeFile(RATE_LIMIT_PATH, JSON.stringify([attempt]));
  } else {
    failedAttempts.push(attempt);
    await fs.writeFile(RATE_LIMIT_PATH, JSON.stringify(failedAttempts));
  }
  console.log(`Failed attempt saved: ${dn} in ${now}`);
};

const readFailedAttempt = async (): Promise<FailedAttempt[] | null> => {
  try {
    const str = await fs.readFile(RATE_LIMIT_PATH, {
      encoding: "utf8",
    });
    return JSON.parse(str);
  } catch (e) {
    console.log("No failed attempts.");
    return null;
  }
};

感想

自分で生成したQRコードを読ませて出てきたコードを打ち込んだら認証されるの楽しいです。

パスキーも検討してみたが、Linuxだとまだうまくいかない?ようなので、もう少し様子見。

Discussion