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リスク管理のはじめの一歩
はじめに
この記事はプロジェクトマネジメントをすでにしているけど、リスクマネジメントをどうやったら良いか分からない、
うまくいかない方向けに要点をまとめた記事となります、
リスクマネジメントとは?
リスクマネジメントとは、プロジェクト目標に影響を与える不確実な事象(リスク)を計画、特定、分析し、その対応策を立案・実行し、監視する一連のプロセスです。
- ポジティブリスク: プラスの影響を与える可能性(例: 転職で年収がアップする)
- ネガティブリスク: マイナスの影響を与える可能性(例: 病気で収入が途絶える)
リスクマネジメントのプロセス
リスクマネジメントは次のような流れで実施されます。
- 計画
- 特定
- 定性分析
- 定量分析
- 対応策の計画
- 対応策の実行
- 監視
リスクマネジメントの計画
プロジェクト全体を通じたリスク管理方法を決めます。
- リスク戦略
- 方法と頻度の決定
- 報告書のフォーマットやタイミングの定義
- リスク区分の作成(RBS:リスクブレークダウンストラクチャー)
計画書はプロジェクト中に随時更新します。
リスクの特定
プロジェクトの目標を阻害または促進する可能性をすべて洗い出します。
- MECE(漏れなくダブりなく)の視点で広範囲に洗い出す
- 有識者や関係者を巻き込んで行う
- RBSやチェックリストを活用
- プロジェクトの進行中にも随時リスクの洗い出しを行う
リスクの定性分析
リスクの「発生確率」と「影響度」を評価し、優先順位を付けます。
- 発生確率(大・中・小)
- 影響度(スコープ、スケジュール、コストなどへの影響)
- リスクレベルにより対応の優先度を設定
リスクの定量分析
各リスクが発生した際の具体的な影響を数値で評価します。予算やスケジュールの詳細な分析に役立ちます。
リスク対応策の計画
リスクへの具体的な対応策を立てます。
- 事前対策(リスク発生前に対応)
- コンティンジェンシープラン(発生後に実施する策)
リスク種別 | 対応策の例 |
---|---|
ネガティブリスク | 軽減、転嫁、回避、受容 |
ポジティブリスク | 強化、共有、受容 |
策定した対応策は関係者と共有・合意します。
リスク対応策の実行
策定した対応策を実際に実施します。
- リスク対応は課題対応に後回しになりがちなので、積極的に管理を行うことが重要
リスクの監視
リスクの状況変化を監視し、新たなリスクの発生や既存リスクの変化をモニタリングします。
- 定期的なリスク棚卸し会
- 発生確率や影響度の変化を捉え、対応策を更新
PMBOK7版におけるリスクマネジメント
第7版では原理・原則ベースのリスクマネジメントが強調されています。
- 価値に焦点を当てること
- 状況に基づいてテーラリング(最適化)する
- リスク対応の最適化(プラスの影響を最大化、マイナスを最小化)
- 組織のリスク選好や態度を考慮
お悩みあるある
プロジェクト管理の現場でよくある問題と対策を紹介します。
-
ありきたりなリスクしか出てこない
- 利益相反や関係性の不足が原因
- 事例、有識者の活用
-
リスクの優先順位が決まらない
- QCDS(品質、コスト、納期、スコープ)の優先順位を明確化
-
リスクマネジメントが現場を阻害する
- マネジメントの適正化、過剰にならないよう注意
-
未知のリスクが発生
- 日常的なコミュニケーションから兆候をキャッチ
Discussion