【ビルドガイド】Runner3680【遊舎工房ギルド】
今回は遊舎工房ギルドの活動で提供いただいたRunner3680のビルドログ,レビューをしていきます.
遊舎工房ギルド
本ギルドでは,下記のような活動を行っており,メンバーを募集しています.
- SNSでの広報サポート
- 遊舎工房が提供するサービス,商品のレビュー
- 商品の使用の写真や動画の投稿,提供
- βサービスの利用,レビュー
ギルドメンバーは簡単に応募できます.興味のある方は以下を参照して,参加してください.
Runner3680とは
今回,制作するキーボードは左右分離型の格子配列のキーボードです.
特徴
- ortholinear(格子)配列
- 左右分離型TRRS接続
- 1uのキーのみ
- 縦4~5行,横6~8行で組立時にレイアウト選択可能
- 左右異なるレイアウトが可能
- アクリルプレート
- (Option) RGB LED
- (Option) 3Dケースによる側面のカラー変更
必要なもの
組み立てるためにはRunner3680,Runner3680アクリルプレートの購入が必要です.
Runner3680のキットだけを購入するとアクリルプレートが付属しませんのでご注意ください.
また,Runner3680 3Dプリントミドルプレートを購入することで,キーボード側面をカスタマイズ可能です.
購入をする前にどんなレイアウトにするか縦4~5行,横6~8行の範囲で決めてから,それに対応するパーツを買います.
Runner3680の内容物はこちら
- PCB(左右セット)1枚
- DIPダイオード 80個
- Pro Micro 2個
- コンスルーピン 4個
- TRRSジャック 2個
- タクトスイッチ 2個
- 短いM2ネジ 20本
- 長いM2ネジ 4本
- M2スペーサー 12本
- ゴム足 8個
Runner3680アクリルプレートの内容物はこちら
- スイッチプレート 2枚
- ボトムプレート 2枚
- ProMicro保護兼ボトムプレート 2枚
キーボードパーツ
上記のものに加えて自作キーボードを行うためには次に示すものが必要になります.
- キースイッチ
Chocoスイッチには対応していません.
Cherry MX互換であれば問題ないです.自分のレイアウトにあった個数+5個くらい購入することをおすすめします
- キーキャップ
少なくともレイアウトの個数以上の1uキーがあるセットを買いましょう.
- TRRSケーブル
四極のものであれば問題ありません.遊舎工房さんでも取り扱っています.
少しこだわりたい方は,自作する必要がありますが,こちらもおすすめです.
よりこだわりたい方は,カスタムケーブルを作っていただけるEXME CABLESさんなどで注文できます.
- USBケーブル
PCと接続するためにmicroUSBケーブルが1本必要ですが,手元にあれば購入する必要はないです.
- RGB LED(Option)
キーボードを光らせたい場合には,別途LEDが必要になります.
はんだづけが難しいため,初心者の方にはあまりおすすめしません.
おそらくLEDのサイズはこちらで問題ないと思いますが,今回,私は未実装で作者様のビルドガイドにも記載がないため保証はできません.
遊舎工房DiscordのQuickSupportで一度聞くと良いと思います.
工具
また,組み立てにははんだ付けが必要とされるので,持っていなければ別途購入が必要になります.
-
はんだごて
どうせ買うなら良いものを.
HAKKO製かGoots製の温度調節が可能なはんだごてをおすすめします. -
はんだ
初心者の方は鉛入りハンダをおすすめします.
ただ鉛入りは健康に悪いので,気になる方には鉛フリーのはんだをおすすめします.
私は,千住金属工業様のスパークルハンダを使うことが多いです. -
ニッパー
ダイオードの足を切るのに必須です.
あると便利なもの
-
工作マット
はんだをするときにフラックスなどが飛ぶので,購入をおすすめします. -
マスキングテープ
はんだづけを行うときにあると便利です.
初心者の方は購入をおすすめします.
組み立て
Runner3680の作者omkbd様のビルドガイドを見て組み立てていきます.
準備
まずは左右に基板を分割します.
手で割るにも力がいるので,本などで挟んで折ると良いです.
PCB本体
次に,自身が決めたレイアウトに合わせて不要な行と列を折ります.
このときも,本などに挟んで折ると良いです.
基板を固定して折る
基板を折った箇所はバリが残るので,ニッパで整えてヤスリで仕上げます.
ヤスリでバリ取り
RGB LEDの取り付け
今回,取り付けていませんので,省略します.
このLEDはシリアル通信で光るので,つけるなら全て付ける必要があります.この基板は,裏表どちらでも使えるようになっているので,裏表を間違えないようにします.ビルドガイドの写真は,左手側のはんだをしています.
LEDがWS2812Bで,はんだづけは難しいため,初心者の方は覚悟してやりましょう
コツとしては,LED側からマスキングテープをして,GNDのピンを最初にはんだづけすると比較的にうまくいきます.ちなみにGNDはビルドガイドでいうと,右下の長方形のものです.
ダイオードの取り付け
キースイッチの同じ数のダイオードを取り付けます.キットには,DIPダイオードが付属しています.ダイオードは基板裏側に取りつけます.この基板は,裏表どちらでも使えるようになっているので,裏表を間違えないようにします.また,ダイオード自体にも向きがあるので間違えないようにはんだします.
ビルドガイドに非常にわかりやすい絵があるので,そちらを参考にしました.
ビルドガイドの写真および下の写真は,左手側のはんだをしています.
ダイオードの取り付け
TRRSジャック,リセットスイッチの取り付け
TRRSジャックとリセットスイッチをダイオードと同じ側にはんだ付けしていきます.
一つのピンをはんだ付けしたら傾いていないか確認するといいです.
傾いていたら,はんだを当てながら調整します.
ProMicroのはんだづけ
ProMicroをはんだ付けします.
今回はコンスルーピンを使うので,はんだをするのはコンスルーピンとProMicroだけです.
コンスルーピンと基板のはんだづけは不要です.
コンスルーをダイオードやスイッチを実装した側に挿し,Promicroを部品が実装されている側を下側にして,コンスルーに挿します.画像のような向きであれば問題ありません.
コンスルーとProMicroのはんだづけをします.
ProMicroのはんだづけ
動作確認,Firmware書き込み
この流れでキースイッチを取り付けたいですが,その前に動作確認を行います.
TRRSケーブルで左右の基板を接続し,PriMicroを基板に挿します.
USBをPCと左手PCBのProMicroに接続します.
次に以下を参考にFirmwareの書き込みを行います.英語が苦手,これを見てもわからないという方はSMKiJ(Self-Made Keyboards in Japan)などでルールを守って質問をすれば優しい人が教えてくれます.
Runner3680のファームウェアはこちらにあります.ビルドガイドのリンクは古いため注意が必要です.
書き込みが完了したら,以下のようなサイトで,全てのキーが正常に反応するか確認します.
導電性のピンセットなどを使ってスイッチの穴を接触させることで確認します.
反応しない場合やおかしい場合は,ProMicroやダイオードのはんだができていない,ダイオードの向きが間違っていることがよくあるので,確認します.
LEDを実装している方は,全てのLEDが赤く光れば問題ないです.一部,色が違う場合や途中までしか光っていない場合は,はんだが少ない,LEDが熱で壊れたなどが原因として考えられます.
キースイッチの取り付け
動作確認ができたらキースイッチをはんだ付けします.
ここで,アクリルプレートの穴がが空いているスイッチプレートを使います.
プレートには向きがあり,若干太い枠が上側になります.
また左右もあります.上側の太い枠にネジ穴が2つか一つあると思います.プレートと基板をあわせたときに,このネジ穴が基板で隠れなければ正しい向きになります.ビルドガイドには詳しく書かれていないので注意です.
スイッチをはめる前にアクリルについている保護シールは全て剥がします.スイッチプレートの4隅にスイッチをはめてPCBにつけます.
また,つけるときに力を加えすぎるとアクリルが割れます….指紋が気になる方はゴム手袋などをするといいです.
4隅につけたら,しっかり刺さっているか確認して,はんだづけします.あとはスイッチプレートにスイッチをはめてはんだづけの繰り返しです.
スイッチのはんだ付け
ケースの組み立て
ケースを組み立てていきます.
ネジ止めする前にアクリルの保護シールを剥がします.
スイッチプレートにスイッチをはめるときに,スイッチプレートの上側太枠のネジ穴に注目しました.
このネジ穴とボトムプレートのネジ穴の位置が合うようにすれば,正しく組み立てることができます.
また,基板に大きめの穴が空いていると思います.この穴とボトムプレートの穴の位置が合えば正しい向きになります.
作者様のビルドガイドにも向きが乗っているので参考にしました.
ちなみに,ミドルプレートを付ける場合は,ボトムプレートとスイッチプレートの間に挟んでネジ止めします.
干渉箇所
婉曲するアクリルプレート
ネジ穴を合わせて止めようとすると赤枠で囲った部分が干渉してアクリルが浮きます.
これではとめられないので,アクリルプレートとProMicroの下側を配線が傷まないようにヤスリで削りました.
ProMicroを削る
キーキャップの取り付け
最後にキーキャップを付けます.
自分の好きな配列,配置でキーキャップをはめます.
Runner3680 (5x7,5x8)
今回はこちらのキーキャップを使っています.
NPプロファイル(列によって高さが同じ)なので,Dvorak配列などを試すのにも適しています.
Firmware書き込み
動作確認の際に,簡単にファームウェアを書き込んだので,あとは自分の好きな配列にカスタマイズするだけです.
自作キーボードの良い点の一つとして,自分の好きな配列にできます.
Dvorak配列やColeman配列もキーマップを編集すれば使えるようになります.
終わりに
普段,HHKBやAlice配列のキーボードを愛用しているため,Ortholinear配列には慣れていませんが,1uだけでサイズも変更可能なので,様々なキー配列を試して自分だけのキーマップを見つけるのに良いキーボードだと思います.
このキーボード以外にも様々な配列,配置のキーボードがありますので,この記事以外にも色々目を通して,自分に合ったキーボードを見つけてください.
この記事は,Aliceball Prototype rev0.2で書きました.
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