ミニPCがボリュームライセンスだったので新たにWindowsを導入した時のメモ
概要
- Win11のミニPCを買ったらボリュームライセンスなので使うのに不安があった
- 再インストールしてもダメだった
- 手元にWin10のディスクがあったのでそれをインストールしてWin11にアップグレードしようとした
- ProとHomeの違いがあったので導入に苦労したがなんとかできた
こんな内容です。
背景
私が結婚してからPCを使う機会が激減しまして、会社で使う資料をExcelでちょこちょこ編集するのがメインの使い方になっちゃったんです。独身のころはマイクラで遊んだりyoutube見てたりしてたんですが。
Excelいじるだけなのにタワー型のデスクトップPCがあっても邪魔だよなぁと悩んでいたところでN100を積んだミニPCが安価で話題になってました。今の自分にはちょうどいい選択肢だなと思って、サクッと購入。安さ重視だったのでN9095でしたが、スペック的には特に問題ありませんでした。
しかし、ミニPCの問題点としてライセンスが怪しいものが多いというのがあります。詳しくは各自でググっていただきたいですが、本来は企業でPCを一括購入する際に使用するボリュームライセンスがミニPCにインストールされていることが多い、という問題です。
コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドで問題ないかを確認できます。
slmgr -dli
VOLUME_MAKと書かれているので、ボリュームライセンスですね。残念。OSを再インストールすれば直るという言い伝えもありますが、再インストールしても改善せず。
幸いなことに、Windows10のディスク版を持っていました。ディスク版なのでプロダクトキーもついています。ディスクについているプロダクトキーを使用してWindows10をインストールしてからWindows11にアップグレードすることで、正常なライセンスでWindows11を使うことを試みました。
Windows10をインストールしたけどライセンス認証できない
ディスクを使ってインストール後、プロダクトキーを入力しようとしましたが、認証されませんでした。
確認したところ、インストールディスクはWindows10 Homeなのに、Windows10 Proがインストールされていました。つまり、Pro版が入っているのでHome版のライセンスでは認証が通らない、ということなんです。
インストール時にHomeを選べば解決なんですが、選択画面は出てこず強制的にProが設定されてしまいます。近年はマザーボードにプロダクトキーが書き込まれている場合があり、インストールディスクがそれを参照してしまうのが原因でした。
最初から入ってたWindowsと新たにインストールするWindowsがどちらもPro版なら問題ないのですが、そこに差がある場合はユーザーが指定する必要があります。ディスクを使った場合は指定できないため、USBメモリにインストールメディアを作成しなければなりません。
USBメモリ内でプロダクトキーを指定しておけば、勝手にそのプロダクトキーに応じたWindowsをインストールしてくれる、というわけです。
USBメモリからWindows10をインストール
手順としては以下のようになります。
- Windows10インストール用メディアを作成する
- プロダクトキーをツール内に追加する
- インストール
Windows10インストール用メディアを作成する
『別のPCのインストールメディアを作成する』を選択し、USBメモリを選択します。通常ならばDVDやISOファイルでもよいですが、この後の工程でファイルを追加するのでUSBメモリを使用したほうが楽です。
プロダクトキーをツール内に追加する
PID.txtというテキストファイルを作成します。中身は以下の通り。
[PID]
Value=XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX
XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX はプロダクトキーです。これをsourcesフォルダに格納します。これで、インストール時にPC内のプロダクトキーではなく、PID.txtファイル内のプロダクトキーを参照するようになります。
なお、このファイルについての詳細は以下のURLを参照してください。
※当初はインストール時にProかHomeかをユーザーに選ばせる方法を検討していましたが、うまくいかなかった(強制的にProを選ばれてしまう)のでPID.txtでプロダクトキーを指定する方法にしました。
インストール
Setup.exeを実行してインストールするだけです。
インストール時に重要な更新プログラムをインストールするかを聞かれますが、『今は実行しない』を選択してください。後々に更新プログラムをインストールする必要はありますが、まずはインストールすることを優先したいので。
※私は最初に重要な更新プログラムをインストールしようとしましたが、途中でインストールに失敗したので諦めました。時間に余裕があれば重要な更新プログラムと合わせてインストールしてもいいかもしれません。
Windows10からWindows11にアップグレード
Windows10をインストールしたら、Windows11にアップグレードします。手順は以下の通りです。
- Windows updateを終わらせる
- Windows11インストールアシスタントを使ってインストールする
Windows updateを終わらせる
「スタート」→「設定」→「更新とセキュリティ」と進んで、Windows update最新の状態にアップデートしておきます。インストールアシスタントを使う場合は必須ではないかもしれません。
なお、Windows updateを終わらせて最新の状態にしておくとWindows updateの画面から直接Windows11にアップグレードできるようになるらしいです。が、Windows updateが終わってもすぐにアップグレードできるわけではなく、場合によっては翌日にアップグレードできるようになるそうです。
Windows updateが終わってもWindows11にアップグレードできないときはこういう表示になります。
Windows11インストールアシスタントを使ってインストールする
特別急いでいない場合はWindows update画面からアップグレードできるようになるまで待てばいいですが、早めにアップグレードしたい場合はインストールアシスタントを使います。
上記URLからWindows11インストールアシスタントの『今すぐダウンロード』をクリックしてツールをダウンロードし、実行します。ここでインストール可能かを判定しておかないと、Windows11インストーラーを使っても「インストールアシスタントで判定してください」と言われてしまいます。
インストールアシスタントを使うと判定だけでなくインストールまでできます。『同意してインストール』をクリックするとインストール作業が始まります。
インストール作業が終わると再起動を促されるので、『今すぐ再起動』をクリックすると再起動し、Windows11にアップグレードされます。
Windows11のライセンス確認
無事にWindows11 Homeをインストールできました。
ライセンスもボリュームライセンスから変わってしますね。
※NSLPはNon System Locked Pre-installation、ブランド制限のないOEMの略です。
まとめ
Windowsのライセンスを変える場合はプロダクトキーを入力すれば解決です。しかし、同じWindows10またはWindows11だとしても、ProからHomeに変える場合は新たにインストールしなおす必要があります。
再インストールするときにインストーラーがPC内のライセンスを勝手に読み取ってHome/Proを判定してしまう場合は、インストールツール内にプロダクトキー設定ファイルを入れておけばそちらを判定してくれます。
私はWindows10のライセンスを持っていたのでWindows10をインストールしてからWindows11にアップグレードしましたが、Windows11のライセンスを持っている場合はそこまで困らないかもしれません。
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