エフェクトの良いところ・大変なところ
ゲーム業界志望の学生さんは沢山いると思いますが、エフェクトアーティストに興味がある人にエフェクトアーティストのお仕事のおすすめな点・大変な点を書いておこうと思います。
👼おすすめな点
🧩圧倒的にクリエイティブ
ファンタジーな表現がたくさんある作品なら、まずは圧倒的にクリエイティブな点があります。
例えば❄️氷の範囲魔法を作る場合、10人いれば10種類の多様なエフェクトが生まれます。
範囲に氷柱が突き出るものであったり‥ 氷柱を十字に突き出るようにしてみたり‥ 周囲を壁で囲むように突き出るようにしてみたり‥ 時間差で突き出るようにしてみたり‥ 植物のつたが生えるような表現を地面に入れたり、氷の先端を暗くしてみたり‥ 地面に氷の結晶の模様が出て冷気が旋回するようにしたり‥
🧩あらゆるパートに関わる
エフェクトは、キャラクターにも表示するし、背景にも表示するし、カットシーンでも表示するし、UI にも表示するしとありとあらゆる場所で表示します。
ゲーム開発で関わるパートが幅広いので関わる人も多いし、色んなアイデアを色んな場所で試せるし、得意分野を見つけて活かせる土壌があります。
😈大変な点
🧩使うツールが多い
Maya を覚えるだけで OK とはいきません。
オーラテクスチャを作るために Substance Designer を使ったり炎や煙のテクスチャを作るために EmberGen を使ったり、特殊な形状のモデルを作るために Houdini を使ったり、加工のためには Photoshop だけでなく After Effects を使ったりと多様な DCC ツールを使うことになりますが、それ以上に Unity や UE5 などのゲームエンジンごとにエフェクトを組むためのツールが変わってきます。標準搭載のエフェクトツールを使うこともあれば、SPARK GEAR のような市販のツールを使うこともあります。
🧩用意された機能で表現する
エフェクトツールによって標準で用意されている機能が限られているため、それによってできる表現が左右されてしまう面があります。プログラマさんにお願いして機能を追加してもらえる場合もあるので、プログラマさん次第なところもあります。
ただ、昨今のエフェクトでやりたいことの多くがマテリアルを活かすことで実現できたり、あとは UE5 の Niagara ではノードを組んで機能を拡充するようなこともできるので、テクニカルな知識があればそれをカバーしていくことができるようになってきました。
🧩テクニカルな知識が必要なことも
これはエフェクトに限ったことではないですが、でもエフェクトは特にノードベースのツールを使ってプロシージャルにテクスチャ・モデル・エフェクトを作ることが増えたので、昔よりもプログラマ的な思考が必要だったり、より特殊な表現をするためにはマテリアルの知識やゲームエンジンの知識が必要です。
エフェクトは半透明の場合も多いので、うまく表示されなかったり、うまくライティングされなかったりなど色んなことに悩まされますが、それらの解決のためには基本的なレンダリング周りの理解が必要になってきます。
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