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CSM トレーニングで教わった価値の見積もり(バリュー見積もり)を知ってもらいたい

2022/06/15に公開約2,300字

どうも皆さんこんにちは。
鞍馬ぽめると申します、よろしくお願いいたします。

はじめに

2年ほど前に Joe Justice 先生をトレーナーにスクラムマスタートレーニングを受けました
その際に 相対的価値の見積もり という手法を教わったのですが、あまり浸透していない印象を受けているので紹介したいと思います

価値の見積もりの目的

アジャイルで見積もりというと ストーリーポイント による規模の見積もりが一般的ですね
価値の見積もりはこれに併用することで、以下のようなメリットを得ることができます

  • 開発者が納得感を持って PBI に取り組むことができるようになる
  • PO が PBI の価値を開発者に伝えることができているかを検査できるようになる
  • PBI の優先度付けを客観的指標をもとに行うことができる

チームを見ているとしばしば PO から 開発者にもう少しビジネス的視点を持ってほしい という声が聞こえてきたり、逆に開発者から どうしてこの PBI が重要なのかいまいちよくわからない という声が聞こえてきたりすることがあります
そういったチーム内の摩擦を解消できるひとつの手段として価値の見積もりは活用できます

価値の見積もりの進め方

価値の見積もりはざっくりと以下のようなプロセスで進めます

  1. PO から開発者に向けて、各ユーザストーリーの内容と価値について説明する
  2. 5段階評価(5が最高値)で4と2になるユーザストーリーをピックアップし基準とする
  3. それ以外のユーザストーリーについて開発者内でプランニングポーカーを用いて価値の相対見積もりを行う
  4. 価値のポイント(バリューポイント)をストーリーポイントで割る
  5. 値が大きいものから順に PBL に積む

まず、重要なポイントとして抑えておきたいのが、価値の見積もりもストーリーポイントの見積もり同様 開発者が実施する という点です
開発者が実施することで上で記述したようなメリットを得ることができます

価値の見積もりもストーリーポイントの見積もりでよく使われるプランニングポーカーを用いて行います[1]
基準となるふたつのユーザストーリーは、トレーニングのときは開発者がピックアップしていました

開発者による見積もりの結果が PO の想定していた結果とずれている場合は、 PO によるそのユーザストーリーの価値の説明が意図したとおりに伝わっていない可能性 があります
もしくは PO の想定よりも価値のある(もしくは価値のない)ユーザストーリーの可能性 もあります

この認識のズレが気づかせてくれることは大きいので注目ポイントですね

そして、この手法の最も合理的なポイントが4つ目のプロセス 価値のポイントをストーリーポイントで割る です
この値が大きいほど高いコストパフォーマンスを期待できる と言えるため PBI の優先度付けに活かすことができます

サンプル

以下のような3つのストーリーがあったとする

  1. ストーリーポイント 5, 価値のポイント 2
  2. ストーリーポイント 3, 価値のポイント 3
  3. ストーリーポイント 1, 価値のポイント 2

それぞれ価値のポイントをストーリーポイントで割った結果は以下のようになります

  1. 0.4
  2. 1
  3. 2

3のストーリーが最もコスパが良いので、3から進めるのが良いと判断できる

もちろんクリティカルパス的にそのまま PBL に積めばいいとは言えない場面もあるとは思いますが、参考として強い効力を発揮してくれるでしょう

価値の見積もりを実施するタイミング

主に下記のタイミングでの実施がイメージできますが、すでに PBL に積まれている PBI であっても常に価値が変わる可能性はあるため、リファインメントの際などに行っても良いでしょう

  • ユーザストーリーマッピングが終わり、 PBL にユーザストーリーを積むタイミング
  • 新しい PBI が順位付けされるタイミング

また、リリース後にプロダクトレトロスペクティブなどを行っているのであれば、そのタイミングで実際どれだけ価値が出たのかをふりかえるために使ってみるのもいいかもしれないです
価値の見積もりの精度が上がれば、開発者からもプロダクトの価値を高めるための提案がきっと増えてくるはずです

さいごに

めちゃくちゃ簡単ではございますが、この記事が価値の見積もりを知っていただくきっかけになりましたら幸いです
日本語記事があまり見つからなかったので、 value points estimating とかでググってみるとより詳しい情報が出てくるかもしれません

もしくは Joe 先生のトレーニングを受けてみてください
すごく楽しく学べるのでおすすめです

最後まで読んでいただきありがとうございました

脚注
  1. ぼくが教わったときはTシャツサイズ( XS, S, M, L, XL )の5段階でしたが、フィボナッチ数を使うなどチームにアジャストしていいと思います ↩︎

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