USBの外付けDVD-RWドライブが遅いんだけど、と言われたので調べた
TL;DR
- 粗悪品。買い替えろ。
何が起こったのか
ノートパソコンにUSB接続タイプの外付けDVD-RWドライブを接続し、データの書き込みを行っていたところ
ディスクを入れてからの認識、書き込み終了後のファイナライズ時に異様に時間がかかる、という申し出があった。
なお、該当外付けDVD-RWドライブは新品であり、ノートパソコンについても新しめの2021年モデルであった。
調査結果
外観調査
外付けDVD-RWドライブについては、全く聞いたことのないメーカーのロゴが印刷されていた。
型番やスペックの表記もなく、まったくの謎のドライブであった。
聞くと、ECサイトで激安だったから買った、とのことだった。
接続調査
検証用の端末に該当の外付けDVD-RWドライブを接続してみたところ、「TS-L633L」という型番で認識された。
ウェブ検索した結果、TSST(東芝サムスン ストレージテクノロジー)の製品だろうとアタリをつけた。
しかし、スペックを探ろうにも公式サイトが存在せず、ECサイトの商品写真から判断するしかなかったが
電源として「5V 1.3A」を要求するデバイスだと判明した。
推定される原因
電源容量不足 ではないかと推測できる。
USBの仕様として、バスへの電源供給は USB2.0では最大500mA、USB3.0では最大900mAと決められている。
今回の事例では、デバイス側が1.3A(1,300mA)を要求しているため、USB3.0ポートに接続しても電源容量が不足する結果となり
とりあえず認識して動作はするものの、動作が不安定となってしまっていたものと考えられる。
(むしろその状態で書き込みができていたのが不思議である)
となると一番電力を使うであろうスピンアップ時、およびレーザーを連続して発射するであろうファイナライズ時に時間がかかるのも説明がつく。
また、電源周りが貧弱な場合に備え、回転速度を落とすなどして省電力化を図る、いわゆるデチューンを行う必要があるが
謎メーカーの激安品ということで、単純にSATA→USB変換を行っているだけだと推測された。
だが原因がそうだとすると、ユーザーサイドではどうしようもないため買い直しが必要となる。
ふつうに売っている外付けDVD-RWドライブはどうなっているのか?
たとえば、バッファローの「DVSMPTV83Bシリーズ」を例にとると
スペック上では「消費電力: 最大 5W」ととなっている。
計算すると、 5W ÷ 5V = 1A (1,000mA) なので、USB3.0の仕様から外れてしまう。
しかしこの製品の場合、電源供給専用の「Boostケーブル」が付いており、USB 2ポート分の電力供給ができるようになっている。
それを用いることにより、1ポートあたり最大500mAしか供給できないUSB2.0ポートであっても、2ポート合計1,000mAでの供給が可能となっている。
うまいことできてるな。
おわりに
安物に飛びつかず、ちゃんとしたものを買ってくれ! たのむ!
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