WSL2でCursorを使う際の起動速度改善テクニック
はじめに
WSL2でCursorを使用していると、起動が遅いと感じることはありませんか?
本記事では、WSL2環境でCursorの起動速度を改善するためのいくつかのテクニックを紹介します。
僕の場合は、7. VS Code Serverを手動でインストールするの方法で改善を確認できました。
しかし環境によっては、その他の方法で改善するかもしれませんので是非試してみてください。
改善テクニック
1. WSL2のメモリ制限を調整する
WSL2のデフォルトのメモリ制限は、Windowsのメモリの50%または8GBのいずれか小さい方に設定されています。
これを調整することで、パフォーマンスが改善される可能性があります。
notepad %USERPROFILE%\.wslconfig
以下のような設定を追加します
[wsl2]
memory=12GB
processors=4
localhostForwarding=true
2. WSL2の仮想スワップを調整する
スワップの設定も、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
以下のように設定を追加できます
[wsl2]
swap=4GB
3. WSL2のディレクトリを最適化する
WSL2のファイルシステムは、Windowsのファイルシステムと比べて遅い場合があります。
以下の対策を試してみてください
-
プロジェクトをWSL2のファイルシステム内に配置する
- Windowsのファイルシステム(
/mnt/c/
)ではなく、WSL2のファイルシステム(/home/
)にプロジェクトを配置 - 例:
/home/username/projects/
にプロジェクトを配置
- Windowsのファイルシステム(
-
.gitignore
の最適化- 不要なファイルの監視を減らすことで、パフォーマンスが向上する可能性があります
4. WSL2のバックグラウンドプロセスを整理する
不要なバックグラウンドプロセスが実行されていないか確認し、必要に応じて停止します
ps aux
# 不要なプロセスを停止
sudo service <service-name> stop
5. Windows側の設定を最適化する
-
Windows Defenderの除外設定
- WSL2のディレクトリをWindows Defenderの除外リストに追加
- パフォーマンスとセキュリティのバランスを考慮して設定
-
アンチウイルスソフトの設定
- WSL2のディレクトリをスキャン対象から除外
- 必要に応じて、WSL2使用時は一時的に無効化
6. WSL2のカーネルを更新する
最新のWSL2カーネルを使用することで、パフォーマンスが改善される可能性があります
wsl --update
7. VS Code Serverを手動でインストールする
VS Code Serverの自動インストールが失敗する場合や、起動が遅い場合は、手動でインストールすることで改善される可能性があります。
方法1: 公式リポジトリからのインストール
- まず、WSL2内で以下のコマンドを実行して、必要なパッケージをインストールします
sudo apt update
sudo apt install -y wget gpg
- MicrosoftのGPGキーを追加します
wget -qO- https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > packages.microsoft.gpg
sudo install -D -o root -g root -m 644 packages.microsoft.gpg /etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg
- VS Codeのリポジトリを追加します
echo "deb [arch=amd64,arm64,armhf signed-by=/etc/apt/keyrings/packages.microsoft.gpg] https://packages.microsoft.com/repos/code stable main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
- VS Code Serverを手動でインストールします
sudo apt update
sudo apt install -y code
- インストール後、以下のコマンドでVS Code Serverを起動します
code --install-extension ms-vscode-remote.remote-wsl
方法2: 直接ダウンロードによるインストール(推奨)
より確実な方法として、VS Code Serverを直接ダウンロードしてインストールする方法があります。
この方法で僕はは実際に改善を確認できました
wget https://update.code.visualstudio.com/latest/server-linux-x64/stable -O vscode-server.tar.gz
この方法は、パッケージマネージャーを使用せずに直接VS Code Serverをインストールするため、依存関係の問題を回避できる可能性があります。
mkdir -p ~/.vscode-server/bin
tar -xzf vscode-server.tar.gz -C ~/.vscode-server/bin/
この方法は、パッケージマネージャーを使用せずに直接VS Code Serverをインストールするため、依存関係の問題を回避できる可能性があります。
まとめ
上記のテクニックを試してみても、まだパフォーマンスに問題がある場合は、以下の追加対策を検討してください
- WSL2の再インストール
- Windowsの再起動
- Cursorの再インストール
- より強力なハードウェアへのアップグレード
これらの対策を組み合わせることで、WSL2環境でのCursorの起動速度が改善されるはずです。
ただし、環境によって効果は異なる場合がありますので、自分の環境に合わせて最適な設定を見つけてください。
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