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DAMA-DMBOKガイド[データマネジメント編]

くぶたくくぶたく

データマネジメント

イントロダクション

「データは企業にとっての大事な資産」である。

データマネジメントとは

データとインフォメーションという資産の価値を提供し、管理し、守り、高めるために、それらのライフサイクルを通して計画、方針、スケジュール、手順などを開発、実施、監督すること

データマネジメント・プロフェッショナルとは

戦略的な組織目標を達成するため、データマネジメントのあらゆる局面で働く人たちを指す。
ライフサイクル全体を通じたデータの技術管理から、データの適切な活用を保証することまで含む。
彼らは、高度な情報技術(データベース管理者、ネットワーク管理者、プログラマなど)から、ビジネスにおける戦略的事業(データスチュワード、データストラテジスト、チーフ・データオフィサー)まで様々な役割に携わる。

データスチュワードについて
https://blog.trocco.io/glossary/data-steward

データとインフォメーションの重要性

価値を得るために投資すべき資産であるだけではなく、大部分の組織にとって日常業務を遂行する上でも不可欠なもの。情報経済にとって「通貨」であり、「企業の生命線」であり、さらに「新しい原油」とさえ呼ばれるようになった。組織がデータ分析に価値を置くかどうかにかかわらず、データなしではビジネスの遂行すらできない。

ビジネス上の意義

インフォメーションとナレッジは競争力を優位に保つために不可欠である。顧客、製品、サービス、運営に関して、不完全なデータや信頼性の低いデータしか持っていない場合と比べると、信頼性の高い高品質のデータを持っていた方が優れた意思決定を下せる。データマネジメントの失敗は企業資本の管理に失敗することと同じであり、好機を見逃すことにもなる。組織は財務的、物理的資産から価値を得るために効果的な管理を必要とする。同様に、データマネジメントの意義は組織がデータ資産から価値を得られるようにすることにある。

ゴール

組織におけるデータマネジメントが目指すゴールは以下のとおり。

  • 自社や顧客・従業員・ビジネスパートナーを含むステークホルダーの情報ニーズを理解しサポートする
  • データ資産を取得し、保管し、保護し、健全性を担保する
  • データとインフォメーションの品質を担保する
  • ステークホルダーが保有するデータのプライバシーと機密性を確保する
  • 不正または不適切なデータとインフォメーションへのアクセス、操作・使用を防止する
  • 企業が付加価値を創造するためにデータを効果的に利用できるようにする

本質的な概念

データ

「データ」 = 「データは万物に関する事実を表現する役割を持つ」
名前、住所、生年月日、先週土曜日の夕食で食べたもの、最近買った本 1 冊なども全てデータである。
これら個人に関するこのような事実を集計・分析することによって利益を生み出し、健康を増進させ、公共政策に影響を与えることができる。

データとはなんだろう

データは事実そのもので、万物に関する真実の姿であり、事実は当然一貫していると思い込んでいる人が多い。しかし「事実」は必ずしも単純明快なものではない。またデータは「何か」を表現する手段である。しかしデータはそのデータ自体が何であるかを表現しているわけではない。データとは「何か」が表現されたものであると同時にデータによって解釈されるべき「何か」でもある。
言い換えると...
データが置かれた状況が説明されて初めてデータが意味を成すということである。

データとインフォメーション

データとインフォメーションの関係については多くが語られてきた。データは「インフォメーションの原材料」とよばれ、インフォメーションは「コンテキストを持ったデータ」と呼ばれている。データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムの関係を記述するために階層状のピラミッドが使用されることが多い。このピラミッドは、なぜデータをうまく管理する必要があるかを説明するのに役立つが、逆にデータマネジメントでは次の問題が提起される。

  • データは存在するのが当たり前という仮定に基づいているが、データは存在しないこともあり、データを生成する必要がある。
  • データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィルダムという順を追って記述した場合、最初にデータを生成するナレッジが必要であることに気づかない。
  • データとインフォメーションが違うものという意味が含まれているが、実際には 2 つの概念は絡み合っており、互いに依存している。データがインフォメーションの形を取ったり、インフォメーションがデータの形を取ったりする。

依存関係 -例-
『ここに前四半期の売上レポート[インフォメーション]があります。これはデータウェアハウス[データ]のデータに基づいています。次の四半期の実績[データ]は、四半期ごとの業務指標[インフォメーション]を生成するために使用されています。』

組織の資産としてのデータ

資産とは経済的資源であり、所有可能、管理可能で、それ自体に価値があるか、価値を生み出すことができるものである。資産はお金に換算できる。データを資産として管理することがどういう意味を持つかについての考えはまだ発展途上にあるが、データが企業の資産であることは広く理解されている。
1990年代初頭、一部の組織は「のれん」に金銭的価値を与えるべきかどうか疑問に思っていた。現在「のれんの価値」は通常、賃借対照表上の項目として表示される。データを金銭的な資産とみなすことは普遍的に認められたわけはないので、「のれん」と同様に一般的になりつつある。

データマネジメントの原則

データは価値を持つ

  • データは特有の性質を持つ資産
  • データの価値は経済的観点で評価可能であり評価されるべき

* データマネジメント要件はビジネス要件そのものである*

  • データの管理はデータ品質の管理
  • データ管理にはメタデータが必要
  • データマネジメントにはあらかじめ計画が必要
  • データマネジメント上の要件がIT上の決定を左右する

データマネジメントには多様なスキルが求められる

  • データマネジメントは機能横断的な活動
  • データマネジメントには全社的な視点が必要
  • データマネジメントは幅広い視点を考慮することが必要

データマネジメントはライフサイクル管理である

  • データは種類によってライフサイクルの性格が異なる
  • データに伴うリスクを管理することもデータマネジメントに含まれる

概要

感想と「活かす」ために

このスクラップは2024/08/13にクローズされました