[Rails]Active Recordのアソシエーションについて

アソシエーションとは

アソシエーションは日本語で関連付けとも言い、Railsにおいてモデル同士の関係性を表現する仕組みです。

例えばSNSのようなアプリの場合、あるユーザーが複数の投稿を持つような場面では、UserモデルとPostモデルの間に「1対多」の関係を定義する必要があります。こうした関係をコード上で表すのがアソシエーションです。

Railsではhas_manyやbelongs_toなど、複数の関連付け方法が用意されておりデータの構造に合わせて適切なアソシエーションを選ぶ必要があります。この記事ではそれぞれの種類と使い方を順番にまとめていこうと思います。

アソシエーションの種類

Railsで使えるアソシエーションには主に以下のようなものがあります。

アソシエーション	意味	外部キーの位置
belongs_to	自分が「属している」	自分
has_one	自分が「1つだけ持っている」	相手
has_many	自分が「複数持っている」	相手
has_many :through	中間モデルを通じた多対多	中間モデル
has_one :through	中間モデルを通じた1対1	中間モデル
has_and_belongs_to_many	中間テーブルによる多対多	中間テーブル

belongs_to(属している)

belongs_to はあるモデルが別のモデルに属していることを表します。

例：投稿(Post)はユーザー(User)に属する

class Post < ApplicationRecord
  belongs_to :user
end

class User < ApplicationRecord
  has_many :posts
end

できること:

• post.userのように、親オブジェクトを取得できる

has_one(一つだけ持っている)

has_one は、1対1の関係を表現します。あるモデルがひとつだけの別モデルを所有する場合に使います。

例: ユーザーはプロフィールを1つだけもつ

class User < ApplicationRecord
  has_one :profile
end

class Profile < ApplicationRecord
  belongs_to :user
end

できること:

• user.profile のように、1つだけの関連データを呼び出せる

has_many(複数持っている)

has_manyは1つのモデルが複数の別モデルと関係を持つ場合に使います
通常はbelongs_toの反対側に書きます。

例: ユーザーは複数の投稿を持つ

class User < ApplicationRecord
  has_many :posts, dependent: :destroy
end

できること:

• user.posts でそのユーザーが書いたすべての投稿を一覧で取得できる
• user.posts.build で関連付けたまま新規作成できる

has_many :through(中間モデルを通じた多対多)

ここらへんからちょっとややこしくなってきました...

has_many :throughは中間モデル（例：Participation）を介して、多対多の関係を作ります。
中間モデルとは2つのモデルの間に立ってその関係性を表す専用のモデルのことです。単なる中間テーブルとは異なりRailsのActive Recordモデルとして定義されるため、関係そのものに名前を付けられたり、追加情報（例：参加日時、ステータスなど）を持たせることができます。

例: ユーザーとイベントが多対多の関係にある

class User < ApplicationRecord
  has_many :participations
  has_many :events, through: :participations
end

class Event < ApplicationRecord
  has_many :participations
  has_many :users, through: :participations
end

class Participation < ApplicationRecord
  belongs_to :user
  belongs_to :event
end

できること：

• user.events のように間接的な関係を呼び出せる
• 中間モデルにバリデーションやカラムを追加できる

has_one :through（中間モデルを通じた1対1）

has_one :through は、中間モデルを経由して1対1の関係を参照する場合に使います。
直接結びつかない2つのモデルを橋渡しするような構造になります。

例：医者（Doctor）は病院（Hospital）を通じてアカウント（Account）を持つ

class Doctor < ApplicationRecord
  has_one :hospital
  has_one :account, through: :hospital
end

class Hospital < ApplicationRecord
  belongs_to :doctor
  has_one :account
end

class Account < ApplicationRecord
  belongs_to :hospital
end

できること：

• doctor.account のように、間接的に1つだけの情報を取得できる

has_and_belongs_to_many（中間テーブルによる多対多）

has_and_belongs_to_many は、中間モデルなしで多対多の関係を構築したい場合に使います。
中間テーブルに情報を持たせることはできませんが、構造がシンプルで済む場合に適しています。

例: 記事(Article)とタグ(Tag)が多対多の関係にある

class Article < ApplicationRecord
  has_and_belongs_to_many :tags
end

class Tag < ApplicationRecord
  has_and_belongs_to_many :articles
end

できること：

• article.tagsで記事に関連するタグを取得できる

この場合、中間テーブル articles_tags は Rails によって自動的に扱われます。
ただし、マイグレーションで明示的に作成する必要があります。

create_join_table :articles, :tags

まとめ

• アソシエーションはモデル同士の関係を定義する仕組み
• belongs_toは「属する」関係で、自分が外部キーを持つ
• has_one/has_manyは「所有する」関係で、相手が外部キーを持つ
• 多対多を扱う場合はhas_many :throughかhas_and_belongs_to_manyを使う
• 中間モデルが必要な場面では:throughを選ぶ