Power Apps Studio 数式バーで使用できる便利なキーボードショートカット10選
はじめに
Power Apps Studio 数式バーはコントロールのプロパティを記述できる場所です。
図1: Power Apps Studio 数式バー
数式バーに入力を始めると、入力に一致する関数や変数等の候補が表示されたり(コード補完と言います)、入力中の関数の構文が表示されたりします。(パラメーターヒントと言います)
図2: コード補完
図3: パラメーターヒント
さらに数式バーの「∨」ボタンをクリックすると数式バーを展開することができ、入力スペースが広がり、「テキストの書式設定」、「書式設定の解除」、「検索して置換」を使用することができるようになります。
図4: 数式バーを展開
図5: テキストの書式設定、書式設定の解除、検索して置換
<参考文献>
これだけでも便利な機能がそろっていますが、数式バーをさらに便利に使用するためのショートカットキーがありますので、本記事ではその中から 10 個を厳選してご紹介します。
No. | 機能 | ショートカットキー |
---|---|---|
1 | 1 行まるごとコピーする | Ctrl + C |
2 | 1 行まるごと切り取る | Ctrl + X |
3 | 1 行まるごと削除する | Ctrl + Shift + K |
4 | 単語を選択する | Ctrl + D |
5 | 選択範囲と同じテキストを一気に選択する | Ctrl + Shift + L |
6 | カーソルを追加する | Alt + Click |
7 | カーソルを上下に追加する | Ctrl + Alt + ↑/↓ |
8 | カーソルがある行を上下にコピーする | Shift + Alt + ↑/↓ |
9 | カーソルがある行を上下に移動する | Alt + ↑/↓ |
10 | 行を上下に挿入する | Ctrl + Shift + Enter / Ctrl + Enter |
コンテキスト
- Power Apps キャンバスアプリ (Windows OS)
対象読者(前提知識)
- Power Apps キャンバスアプリを作成できる方
凡例
それぞれのショートカットキーの説明は独立して読めるようになっています。お好きな箇所からお読みください。
1. 1 行まるごとコピーする (Ctrl + C)
数式バーでは、 1 行まるごとコピー することができます。コピーする行のどこかにカーソルがある状態で「Ctrl + C」をクリックすると 1 行まるごとコピーすることができます。
例えば、数式バーの「4行目の」と「テキスト」の間にカーソルがある状態で「Ctrl + C」をクリックすると「4行目のテキスト」がクリップボードにコピーされます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
4行目の|テキスト
5行目のテキスト"
2. 1 行まるごと切り取る (Ctrl + X)
数式バーでは、 1 行まるごと切り取る ことができます。切り取る行のどこかにカーソルがある状態で「Ctrl + X」をクリックすると 1 行まるごと切り取ることができます。
例えば、数式バーの「3行目の」と「テキスト」の間にカーソルがある状態で「Ctrl + X」をクリックすると「3行目のテキスト」が切り取られます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目の|テキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Ctrl + X」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
3. 1 行まるごと削除する (Ctrl + Shift + K)
数式バーでは、 1 行まるごと削除 することができます。削除する行のどこかにカーソルがある状態で「Ctrl + Shift + K」をクリックすると 1 行まるごと削除することができます。
例えば、数式バーの「4行目の」と「テキスト」の間にカーソルがある状態で「Ctrl + Shift + K」をクリックすると「4行目のテキスト」が削除されます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
4行目の|テキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Ctrl + Shift + K」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
5行目のテキスト"
4. 単語を選択する (Ctrl + D)
数式バーでは、カーソルがある位置の 単語を選択 することができます。任意の位置で「Ctrl + D」をクリックするとカーソルがある位置の単語を選択することができます。
例えば、数式バーで始めの「Apple」の「Ap」と「ple」の間にカーソルがある状態で、「Ctrl + D」をクリックすると、「Apple」という単語を選択することができます。
<数式バー(元の状態)>
"Ap|ple, Banana Grapes
Cherry, Mandarin Orange Apple
Grapes, Banana
Mandarin Orange, Cherry
Apple, Grapes Banana"
<数式バー(「Ctrl + D」 をクリックした後の状態)>
"[Apple], Banana Grapes
Cherry, Mandarin Orange Apple
Grapes, Banana
Mandarin Orange, Cherry
Apple, Grapes Banana"
さらに「Ctrl + D」をクリックしていくと、他の位置にある「Apple」も順番に選択していくことができます。
<数式バー(「Ctrl + D」 を 2 回クリックした後の状態)>
"[Apple], Banana Grapes
Cherry, Mandarin Orange [Apple]
Grapes, Banana
Mandarin Orange, Cherry
Apple, Grapes Banana"
<数式バー(「Ctrl + D」 を 3 回クリックした後の状態)>
"[Apple], Banana Grapes
Cherry, Mandarin Orange [Apple]
Grapes, Banana
Mandarin Orange, Cherry
[Apple], Grapes Banana"
5. 選択範囲と同じテキストを一気に選択する (Ctrl + Shift + L)
数式バーでは、現在選択している範囲と同じテキストを一気に選択 することができます。どこかを選択している状態で「Ctrl + Shift + L」をクリックすると、選択範囲と同じテキストを一気に選択することができます。
例えば、数式バーで「Apple」が選択されている状態で、「Ctrl + Shift + L」をクリックすると、数式バーの全ての「Apple」を一気に選択することができます。
<数式バー(元の状態)>
"[Apple], Banana Grapes
Cherry, Mandarin Orange Apple
Grapes, Banana
Mandarin Orange, Cherry
Apple, Grapes Banana"
<数式バー(「Ctrl + Shift + L」 をクリックした後の状態)>
"[Apple], Banana Grapes
Cherry, Mandarin Orange [Apple]
Grapes, Banana
Mandarin Orange, Cherry
[Apple], Grapes Banana"
6. カーソルを追加する (Alt + Click)
数式バーでは、複数の位置にカーソルを配置 することができます。「Alt + Click」で任意の位置にカーソルを追加することができます。
例えば、数式バーで「2行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「3行目のテキスト」の後ろで「Alt + Click」すると、「3行目のテキスト」の後ろにもカーソルが追加されます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト|
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Alt + Click」 した後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト|
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
7. カーソルを上下に追加する (Ctrl + Alt + ↑/↓)
数式バーでは、現在カーソルがある位置の上下にカーソルを追加 することができます。「Ctrl + Alt + ↑」で現在カーソルがある位置の上にカーソルが追加され、「Ctrl + Alt + ↓」で現在カーソルがある位置の下にカーソルが追加されます。
例えば、数式バーで「3行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「Ctrl + Alt + ↑」をクリックすると「2行目のテキスト」の後ろにもカーソルが追加されます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Ctrl + Alt + ↑」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト|
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
同様に、数式バーで「2行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「Ctrl + Alt + ↓」をクリックすると「3行目のテキスト」の後ろにもカーソルが追加されます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト|
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Ctrl + Alt + ↓」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト|
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
8. カーソルがある行を上下にコピーする (Shift + Alt + ↑/↓)
数式バーでは、現在カーソルがある行の上下にカーソルがある行をコピー することができます。「Shift + Alt + ↑」で現在カーソルがある行の上にカーソルがある行がコピーされ、「Shift + Alt + ↓」で現在カーソルがある行の下にカーソルがある行がコピーされます。
例えば、数式バーで「2行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「Shift + Alt + ↑」をクリックすると「2行目のテキスト」が上にコピーされます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト|
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Shift + Alt + ↑」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
同様に、数式バーで「3行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「Shift + Alt + ↓」をクリックすると「3行目のテキスト」が下にコピーされます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Shift + Alt + ↓」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
9. カーソルがある行を上下に移動する (Alt + ↑/↓)
数式バーでは、現在カーソルがある行を上下に移動 することができます。「Alt + ↑」で現在カーソルがある行が上に移動し、「Alt + ↓」で現在カーソルがある行が下に移動します。
例えば、数式バーで「3行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「Alt + ↑」をクリックすると「3行目のテキスト」が上に移動します。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Alt + ↑」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
3行目のテキスト
2行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
同様に、数式バーで「3行目のテキスト」の後ろにカーソルがある状態で、「Alt + ↓」をクリックすると「3行目のテキスト」が下に移動します。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト|
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Alt + ↓」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
4行目のテキスト
3行目のテキスト
5行目のテキスト"
10. 行を上下に挿入する (Ctrl + Shift + Enter / Ctrl + Enter)
数式バーでは、カーソルが行頭や行末になくても行を上下に挿入 することができます。「Ctrl + Shift + Enter」をクリックするとカーソルが行頭になくても上に行を追加することができ、「Ctrl + Enter」をクリックするとカーソルが行末になくても下に行を追加することができます。
例えば、数式バーで「3行目の」と「テキスト」の間にカーソルがある状態で、「Ctrl + Shift + Enter」をクリックすると「3行目のテキスト」の上に行が挿入されます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目の|テキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Ctrl + Shift + Enter」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
同様に、数式バーで「3行目の」と「テキスト」の間にカーソルがある状態で、「Ctrl + Enter」をクリックすると「3行目のテキスト」の下に行が挿入されます。
<数式バー(元の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目の|テキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
<数式バー(「Ctrl + Enter」 をクリックした後の状態)>
"1行目のテキスト
2行目のテキスト
3行目のテキスト
4行目のテキスト
5行目のテキスト"
おわりに
Power Apps にも Copilot が追加されましたが、人間が数式バーで入力や編集をすることはまだまだあると思います。その時に本記事の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。
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