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卒展のキャプション生成をするAdobe Illustratorスクリプトとデータ構造

2024/01/30に公開

はじめに:美大卒展のキャプション作成

武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス 23年度の卒展・修了展でのキャプション作りについて記載していきます。 (来年以降の引き継ぎ資料の意味合いも込めて)

https://twitter.com/koyoarai_/status/1748729417785053341

https://twitter.com/koyoarai_/status/1751095737621114890

出展学生は100名以上おり、各作品にはキャプションを付けます。
キャプションは卒展委員会内のグラフィックチームがレイアウトをAdobe Illustrator (以下 Ai)で作り、展示チームがデータを入れて作成することになりました。

100名以上のキャプションを手打ちでAiに入れる作業は、とても骨が折れます。
また、分担して作業するにしても誤字の発見や入力ルール(改行やスペースなど)の統一が
困難になってしまうため、元々Excelでデータが管理されているのもあり、Aiスクリプトを作成し、Excelからキャプション生成をするようにしました。

スクリプト

こちらからDLしてください
https://gist.github.com/kkkkoyo/2c6d9bd7c8d5f5690909cb330cf49e82

Aiの構造

A3のアートボード内に9つのキャプションを入れ、各要素を入れます。
今回のキャプション要素は、

  • 展示番号
  • タイトル
  • 名前
  • 名前のローマ字
  • 学部 or 大学院
  • 所属ゼミ
    となりました。

キャプション例

作成するスクリプトに沿って要素を読み込めるように、構造を変更します。
info内に、row1から3を配置、その配下に、col1から3を配置し、その中に、
name (名前), ei (ローマ字), group (学部 or 大学院), no (展示番号), title (タイトル), zemi (所属ゼミ)を入れます。

※ 本来はここまでグラフィックチームにお任せするのが望ましいですが、今回はレイアウトのAiをもらってからこちらでデータ構造を書き換えました。

.
└── info
    ├── row1
    │   ├── col1
    │   │   ├── name (名前)
    │   │   ├── ei (ローマ字)
    │   │   ├── group (学部 or 大学院)
    │   │   ├── no (展示番号)
    │   │   ├── title (タイトル)
    │   │   └── zemi (所属ゼミ)
    │   ├── col2
    │   └── col3
    ├── row2
    └── row3

1つのアートボードが出来たら、読み込むExcelのデータ分が入る分のアートボードを複製します。(今回のスクリプトではここは手動で行う必要があります)

Excelの構造

Excelの構造を整理します。

スクリプトでは要素番号で定義しているので、

  1. 展示番号
  2. 名前
  3. 名前のローマ字
  4. 所属ゼミ
  5. 学部 or 大学院
  6. タイトル

の順番にしてください。1行目にはこれらの題(何でも良し)を記載し、データは2行目から追加してください。.xlsxで作成している場合は、編集が終わったら.csvに変更してください。

スクリプトの実行

Aiに戻って、スクリプトを実行してください。DLしたスクリプトを読み込み、
csvを指定してくださいというアラートには、上記のcsvファイルを読み込ませてください。

スクリプトの実行が完了したらキャプションデータが生成されます。

無事に生成されました🙌

おわりに

大量データのAi手入力だととても手間がかかるところ、スクリプトで実行することで、分担してExcelデータ入力で完結することができます👌 (※今回の展示での直前の修正は、Ai直接編集で対応していました)
また、タイトルの文字数オーバーがあったら、レイアウト崩れの原因になってしまうので、最後は目視で確認しましょう。
今回はキャプション作成の一例でしたが、図録作成などにも役立ちそうです。


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