卒展のキャプション生成をするAdobe Illustratorスクリプトとデータ構造
はじめに:美大卒展のキャプション作成
武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス 23年度の卒展・修了展でのキャプション作りについて記載していきます。 (来年以降の引き継ぎ資料の意味合いも込めて)
出展学生は100名以上おり、各作品にはキャプションを付けます。
キャプションは卒展委員会内のグラフィックチームがレイアウトをAdobe Illustrator (以下 Ai)で作り、展示チームがデータを入れて作成することになりました。
100名以上のキャプションを手打ちでAiに入れる作業は、とても骨が折れます。
また、分担して作業するにしても誤字の発見や入力ルール(改行やスペースなど)の統一が
困難になってしまうため、元々Excelでデータが管理されているのもあり、Aiスクリプトを作成し、Excelからキャプション生成をするようにしました。
スクリプト
こちらからDLしてください
Aiの構造
A3のアートボード内に9つのキャプションを入れ、各要素を入れます。
今回のキャプション要素は、
- 展示番号
- タイトル
- 名前
- 名前のローマ字
- 学部 or 大学院
- 所属ゼミ
となりました。
キャプション例
作成するスクリプトに沿って要素を読み込めるように、構造を変更します。
info内に、row1から3を配置、その配下に、col1から3を配置し、その中に、
name (名前), ei (ローマ字), group (学部 or 大学院), no (展示番号), title (タイトル), zemi (所属ゼミ)を入れます。
※ 本来はここまでグラフィックチームにお任せするのが望ましいですが、今回はレイアウトのAiをもらってからこちらでデータ構造を書き換えました。
.
└── info
├── row1
│ ├── col1
│ │ ├── name (名前)
│ │ ├── ei (ローマ字)
│ │ ├── group (学部 or 大学院)
│ │ ├── no (展示番号)
│ │ ├── title (タイトル)
│ │ └── zemi (所属ゼミ)
│ ├── col2
│ └── col3
├── row2
└── row3
1つのアートボードが出来たら、読み込むExcelのデータ分が入る分のアートボードを複製します。(今回のスクリプトではここは手動で行う必要があります)
Excelの構造
Excelの構造を整理します。
スクリプトでは要素番号で定義しているので、
- 展示番号
- 名前
- 名前のローマ字
- 所属ゼミ
- 学部 or 大学院
- タイトル
の順番にしてください。1行目にはこれらの題(何でも良し)を記載し、データは2行目から追加してください。.xlsx
で作成している場合は、編集が終わったら.csv
に変更してください。
スクリプトの実行
Aiに戻って、スクリプトを実行してください。DLしたスクリプトを読み込み、
csvを指定してくださいというアラートには、上記のcsvファイルを読み込ませてください。
スクリプトの実行が完了したらキャプションデータが生成されます。
無事に生成されました🙌
おわりに
大量データのAi手入力だととても手間がかかるところ、スクリプトで実行することで、分担してExcelデータ入力で完結することができます👌 (※今回の展示での直前の修正は、Ai直接編集で対応していました)
また、タイトルの文字数オーバーがあったら、レイアウト崩れの原因になってしまうので、最後は目視で確認しましょう。
今回はキャプション作成の一例でしたが、図録作成などにも役立ちそうです。
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