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【個人開発】SliceTimeCamというカメラアプリを作りました

2021/12/11に公開約7,100字

この記事は、「個人開発 Advent Calendar 2021」12日目の記事です。

1. はじめに

SliceTimeCamというカメラアプリを作りました。

https://twitter.com/koyoarai_/status/1436882877338185731

スリットスキャンという映像表現の技法を用い、1ピクセルのスリットを引き伸ばしていくやり方で映像が撮影できるカメラアプリです。
9月にiOS版を公開。10月にAndroid版を公開し、アプリ内課金機能追加。11月にHUAWEI AppGallery版を公開という流れで、要望に応えながらマルチプラットフォームで公開しました。主にInstagram経由で海外ユーザーに使ってもらっています。
現在はInstagram @slicetimecam上でユーザーと交流しながら、撮影した映像をシェアしてもらったり、今後の展開について考えています。

今回は、このアプリを作ろうと思った経緯、iOS版を公開してからの反響、Android版を公開するまでの流れ、ダウンロード数やアプリ内課金での収益、失敗談やその他収穫について時系列順に書きたいと思います。


参考 : スリットスキャンについて

橋本麦さんのスリットスキャンの応用についての記事

https://baku89.com/tips/slit-scan
事例
  • The Fourth Dimension - Zbigniew Rybczynski - 1988 | YouTube
    • 辻川さん曰く、実験映像史上の最重要作
    • 回転する物体にスリットスキャンをかけると、時間のズレで物体が飴細工のように捻れていく。時間という映像の本質を、この上なく奇妙でインパクトのある形で表出させた
  • francois vogel
    • Instagramにスリットスキャンを用いた映像作品を数多くアップしています。

その他事例はこちら

また、スリットスキャンは古くから撮影テクニックとして活用されており、身近な事例の一つとして競馬の決勝写真撮影カメラが挙げられます。
特殊なカメラの幅0.02ミリメールのセンサーを通過した物体を記録し、その1列1列をつなぎ合わせて画像として出力することによって、順位を正確に判定することができます。



参考


2. 経緯からリリースまで

経緯・目的

  • 去年あたりからスリットスキャンの魅力にハマっていた
    • NEWVIEW SCHOOL 2020北千住デザインゼミに参加してスリットスキャン表現のアイデアを考えていたり、北千住さんに事例を教えてもらったりしていた。
  • アプリケーションエンジニアを名乗っているが、まだ個人でiOS/Androidアプリのリリース経験がない。アプリ、リリースしたい。
  • 自分が納得いくまで突き詰めた、自分の制作物と胸を張って言えるものを作っていきたい (エゴ)
  • 近い将来の自分のキャリアを築くような、専門性や表現力を鍛え、それをアピールしたい

最初はLiDAR・ARと組み合わせたら面白そうと考えていたが、技術で詰まってリリースが出来なくなってしまうことを懸念し、まずはシンプルなものにしようと決めた。(LiDAR × AR × スリットスキャンはこれから深掘りしたい)

https://twitter.com/koyoarai_/status/1368045445612675073
https://twitter.com/koyoarai_/status/1395679705626333185

https://twitter.com/koyoarai_/status/1401179057455198212
↑最初のデモ。この形に落ち着いた。
これは、パリ在住のアーティスト、francois vogelさんのスリットスキャン作品にインスパイアされた表現です。

このデモを投稿した際、francois vogelさんにリアクションをしてもらえたことが嬉しかった。
そのまま勢いで「作品にインスパイアされアプリをリリースすること目指している」とDMすると、ぜひクレジットを掲載してほしいと返信をもらい、なんと公認済みのアプリとなりました。

内心に留めておくのでなく、発信して、絡んでみるの大事 ..ということを再認識しました。
ここからUIを作ったり負荷を減らしたり、開発を進めます。(技術関連は本記事では省きます)

3. iOS版リリース

9月の頭に申請して公開し、すぐにfrancois vogelさんに連絡しました。
僕と同じくらい喜んでくれて、彼が撮影した動画とストアのリンクをすぐにシェアしてくれました。
彼の影響力のおかげで、なんと1日で1,000DLほど行きました..。

とてもニッチなカメラアプリなので、刺さる人に刺さればいいな。という思いだったので、これは想定以上でした。
同時に「Android対応してほしい」という要望をかなりの数もらいました。
Android版は考えてなかったけど、ユーザーもほぼ海外だったので割合的に1日で5,000DLほど行くのでは..と思い準備することにしました。

https://twitter.com/koyoarai_/status/1437753842695741441

4. Android版の準備・リリース

Unity製なのでAndroid対応はゼロから作るよりも容易でしたが、テストできるほど端末もない、Android知見もない状態だったので、Instagram上でAndroidユーザーのテスターを募集し、ベータ版の挙動を確認してもらいました。
スムーズなやりとりをするため、確認してもらいたい手順のフロードキュメントと動画を準備しました。

https://www.slicetimecam.jp/Android_beta
https://www.youtube.com/watch?v=fnVwfS4r8q4

喜んで強力してくれたり、多くのフィードバックをいただけたり、とても嬉しかった。
(10名ほど強力してもらいました)

そして、iOS版公開から1ヶ月後の10月に公開。francois vogelさんにもシェアしてもらいました。

満を持して公開したAndroid版、気になるDL数は.."200"!
時間と共に熱は冷めてしまうのか..。これは学びですね。

5. HUAWEI版のリリース

とあるユーザーからの要望で、HUAWEI AppGalleryでも公開しました。
これはHUAWEI端末専用のプラットフォームで、中国のユーザーを想定した試みです。
(※ 最近のHUAWEI端末では、Google Playストアには非対応とのことです。)
HUAWEI端末は所持していなかったので、これもユーザーにベータ版を共有してテストをしてもらった後、公開しました。

6. アプリ内課金機能の実装

公開時から要望があった、「撮影したデータからウォーターマーク(ロゴ画像)を除去する機能」をアプリ内課金機能として追加しました。Android版の公開と共に、iOS/Androidで実装しました。
※ HUAWEIでは検証・実装する手間と見返りを考えて、除外しました。

アプリ内課金を実装する懸念として、Google Playストアでは有料・アプリ内課金がある場合、必ず住所を公開する必要があります。開発元という欄です。
そこで、格安で借りられるバーチャルオフィスを調べ、住所のみ借りることにしました。
これで住所を公開してもプライバシー的な懸念が無くなります。

https://play.google.com/store/apps/details?id=com.jp.koyoarai.SliceTimeCam

7. これまでのDL数・アプリ内課金の収益

(2021/12/10現在)

7.1 DL数

iOS : 1,406DL

Android : 222DL

HUAWEI : 1DL😅

ほぼ公開時の勢い止まりですね..。
HUAWEIはDL数1です..。なんとか広報できないですかね。とりあえずweiboアカウント作って実験してます。https://weibo.com/7723473850/L2ybg9Jgi


7.2 収益

iOS : $32 (3,635円)

Android $15.5 : (1760円)

実装のミスで、Android版を公開直後、購入が払い戻しされてしまうという大きな失態をしてしまいました。その後修正をしましたが、2件の払い戻しがありました。これは残念..😂

参考 :

保留中の取引(バージョン 2.0 の新機能)では、購入ステータスが PURCHASED に移行したときに 3 日間の期間が開始されますが、購入ステータスが PENDING の間は適用されません。
https://developer.android.com/google/play/billing/release-notes?hl=ja

直接的な収益は目的とはしていませんが、こういった数字はモチベーションにつながるので、嬉しい。

先日、初めての振り込みもありました。

8. ユーザーとの関わり合い方

ユーザーとはInstagram上で交流をしています。
・メンションを付けてくれた投稿は、すべてシェア
・質問にはすべて回答
を、意識しています。
ユーザーによって住んでる国も違うので、シェアされた映像の風景も綺麗で、見ていて楽しいです。
こだわった映像が観れると嬉しくなります。

ユーザーの撮影したデータを提供していただき、リール動画を作成しました。観てみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=xIOG7JGj5rc

9. おわりに

「個人でアプリをリリースする」という目的は達成できました。
個人的には、好きなアーティストのfrancois vogelさんと、SliceTimeCamを通して繋がり、対等にコミュニケーションが取れているというのが予期していなかった大きな価値です。
最初に思い切って声をかけて正解だった。

今後の展望として、アプリの追加開発・改善はもちろんですが、アプリ外にも幅を広げていきたいです。モバイルアプリだと制約も多いので、スリットスキャンを題材にしたインスタレーションや、映像作品にも関わっていきたい。
また LiDAR × スリットスキャンなど、他のテクニックとの組み合わせた表現の実験もしていきたいと考えています。

最後におまけで、アプリアイコン・ロゴは学生時代からの知人に有償で依頼して作ってもらいました。気に入っています。
こういった単発的なデザイン・動画制作系は依頼できる人が周りに少なく、一緒に何かできそうな方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました。


Twitter : @koyoarai_
Instagram : @koyoarai_

SliceTimeCam : App Store / Google Play / @slicetimecam

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