RailsでWebAPIのデータをコンソールに出力するまで
そもそもAPIってなにか
APIとは、関数みたいなもの。
APIは「Application Programming Interface」の略です。アプリケーションプログラミングインターフェイス。
例えば「AというファイルをBという名前でコピーをして、作業完了したら、ポップアップウィンドウを出して知らせる!」というプログラムを作るとします。実際にどんな動きをするのかパートに分けてみると……、
- Aというファイルを選択
- 実行ボタンを押すと3のステップへ
- データをコピーする
- コピーされたデータをBという名前を付け保存
- ポップアップウィンドウを出して作業完了を告げる
この1.〜5.の作業をすべて一から作成すると、かなり手間が掛かります(マウスの動きを計算して、ウィンドウのデザインを考えて……)。そこで登場するのがAPIです。
- ファイルを選択するAPI
- ボタンを押すとプログラムを動かすAPI
- データをコピーするAPI
- ファイルに名前を付けるAPI
- ウィンドウを出してメッセージを出すAPI
と、いろいろな機能があるAPIから、必要なAPIを探し出し組み合わせるだけで、プログラムができてしまうのです。つまりAPIは「特定の機能を持つプログラム部品」なのです。よく使われる命令をAPIにしてみんなで共有してしまえば、非常に効率的に作業ができますね。
図1 APIを使えば、細かい作業や無駄を省いてプログラムができる
引用 : @IT
じゃあWebAPIはなに?
web apiとは、HTTP・HTTPS通信によってやり取りするAPIのことです。
web apiを使用すれば、自社のWebサイトやアプリケーションに別のサービスの機能を組み込み、より便利な仕組みを構築できます。
例えば、グルメ情報サイトの店舗ページなどにはお店の位置情報を示したGoogle Mapが載っていますが、あれはweb api(Google Map API)を利用したもの。web apiによって使い慣れているGoogle Mapをページ内に表示させることで、サイト利用者は迷うことなく店舗の位置を把握できるのです。
引用 : JBAT
なるほど、つまり、インターネット通信(HTTP・HTTPS)を使用したAPIのことをWebAPIというのか。
実際に動かしてみる。
http://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=3510011
ブラウザにアクセスするとAPIにアクセスした結果が出力されます。
こんな感じです。
WebAPIは、JSON形式でデータの受け取りをすることが多いです。
上記の画像もJSON形式です。
それでは、rubyで実際に動かしてコンソールにデータを出力したいと思います。
結論
以下のようなコードでデータを取得してコンソールに『県』、『市』、『町』を結合した『住所』というデータを出力します。
require 'net/http'
require 'uri'
require 'json'
uri = URI.parse('http://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=0510011')
json = Net::HTTP.get(uri)
result = JSON.parse(json, {symbolize_names: true})
prefecture = result[:results][0][:address1]
city = result[:results][0][:address2]
town = result[:results][0][:address3]
address = prefecture << city << town
puts address
上記のコードで以下のような実行結果が返ってきます。
$ ruby api.rb
=> 北海道室蘭市中央町
ここから1つずつ解説していこうと思います。
require 'net/http'
require 'uri'
require 'json'
まずはじめの3行では、必要なrubyのライブラリを読み込んでいます。 各ライブラリの詳細はのちほど説明します。
uri = URI.parse('http://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=0510011')
次にこのコードについて説明します。
ここでは、rubyのuriライブラリを使用してURIをパースしています。
もっと詳しく知りたい。
なぜパースする必要なあるのか
uriは文字列のように簡単に扱えるように見えるが、実は規約がかなら複雑で正確に処理するのがかなり大変らしい。
uriは国際標準化団体のW3Cにより標準化された規格です。ただし次の複数の標準規格を満たす仕様のため、正確に処理しようとするとかなり複雑です。
[RFC1738] Uniform Resource Locators (URL) (Updated by [RFC2396])
[RFC2255] The LDAP URL Format (Obsoleted by [RFC4510], [RFC4516])
[RFC2368] The mailto URL scheme
[RFC2373] IP Version 6 Addressing Architecture (Obsoleted by [RFC3513])
[RFC2396] Uniform Resource Identifiers (URI): Generic Syntax (Obsoleted by [RFC3986])
[RFC2732] Format for Literal IPv6 Addresses in URL’s (Obsoleted by [RFC3986])
[RFC3986] Uniform Resource Identifier (URI): Generic Syntax
[RFC3987] Internationalized Resource Identifiers (IRIs)
うーん。パッと見わかんないですね..笑
なので、rubyでuriを処理するときは、uriライブラリを使えばそんなこと考えなくても使えるよ。とそういうことらしいです。
uri = URI.parse('http://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=0510011')
puts uri
# $ ruby api.rb
# => http://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=0510011
実際、さっきのコードの一部を使用してパースしたあとのデータを見てみると何も変わってないように見えますが、中身は使用しやすい形に変わってます。
次の行を見ていきます。
json = Net::HTTP.get(uri)
ここでは、net/httpライブラリというrubyのライブラリを使用して、サーバからJSON形式の結果をもらってます。
また、ここではHTTP通信でAPIにアクセスしています。
ここでは、言葉で説明するよりも実際の実行結果を見たほうがわかりやすいと思います。
json = Net::HTTP.get(uri)
puts json
# $ ruby api.rb
=begin
{
"message": null,
"results": [
{
"address1": "北海道",
"address2": "室蘭市",
"address3": "中央町",
"kana1": "ホッカイドウ",
"kana2": "ムロランシ",
"kana3": "チュウオウチョウ",
"prefcode": "1",
"zipcode": "0510011"
}
],
"status": 200
}
=end
上記のようにはじめにブラウザでみたJSONデータをrubyのファイルで出力することができました。
次に進みます。
result = JSON.parse(json, {symbolize_names: true})
ここでは、rubyのjsonライブラリを使用してJSON文字列をハッシュに変換しています。
result = JSON.parse(json, {symbolize_names: true})
puts result
# $ ruby api.rb
# => {:message=>nil, :results=>[{:address1=>"北海道室蘭市中央町", :address2=>"室蘭市", :address3=>"中央町", :kana1=>"ホッカイドウ", :kana2=>"ムロランシ", :kana3=>"チュウオウチョウ", :prefcode=>"1", :zipcode=>"0510011"}], :status=>200}
このようにハッシュの形にしています。今回の記述では、第2引数にsymbolize_names: true
を指定することでシンボルのキーをシンボルのままにしています。
"シンボルのキーをシンボルのままにしている。"どういうこと?
実は、先程の記述で引数を付けないとハッシュのキーがString型になります。
String型でもデータは出力できるのですが、String型よりもシンボルの方が実行スピードが早い。また、String型の場合、データを細かくとる際、直感的に分かりづらいと思い、シンボルにしてます。
少しわかりにくいと思うので、実際のコードを見てみます。
result = JSON.parse(json, {symbolize_names: true})
puts result[:results][0][:address2]
# $ ruby api.rb
# 室蘭市
こんな感じで『市』だけとることができます。
これが、String型だと以下のようになります。
result = JSON.parse(json)
puts result["results"][0]["address2"]
# $ ruby api.rb
# 室蘭市
ダブルクオーテーションで囲ってあげて文字列にしてあげる必要があります。
さて、最後の部分です。
prefecture = result[:results][0][:address1]
city = result[:results][0][:address2]
town = result[:results][0][:address3]
address = prefecture << city << town
puts address
# $ ruby api.rb
# 北海道室蘭市中央町
ここでは、JSON.parse
を使用してJSONデータをハッシュにした値から必要なデータを取り出して、各『県』、『市』、『町』を結合して住所としています。
最後に改めて作成したコードと実行結果を見てみましょう。
require 'net/http'
require 'uri'
require 'json'
uri = URI.parse('http://zipcloud.ibsnet.co.jp/api/search?zipcode=0510011')
json = Net::HTTP.get(uri)
result = JSON.parse(json, {symbolize_names: true})
prefecture = result[:results][0][:address1]
city = result[:results][0][:address2]
town = result[:results][0][:address3]
address = prefecture << city << town
puts address
# $ ruby api.rb
# 北海道室蘭市中央町
自分自身、API通信に関する知識が浅かったので、少し深堀りしてみました。
参考記事
Discussion