AIによるカスタムツール開発:ビデオ撮影同期用デジタル時計の事例
AIによるカスタムツール開発:ビデオ撮影同期用デジタル時計の事例
こんにちは!今回は、AIを活用したカスタムツール開発について、実際の事例をもとにお話しします。
従来のツール探しの限界
皆さんは必要なツールを探すとき、どうしていますか?
アプリストアを探し回ったり、窓の杜のような老舗ダウンロードサイトから探したり...。
プログラマーであれば「自分で作る」という選択肢もあったでしょう。
しかし、デザイナーや一般ユーザーにとっては、既存のツールに妥協するか、
誰かに開発を依頼するしかありませんでした。
「あと少しこの機能があれば完璧なのに」
「この部分だけカスタマイズできれば...」
そんな「痒いところに手が届かない」ストレスを抱えていた方も多いのではないでしょうか。
しかし、昨今のAI技術の進化により、この状況が大きく変わりつつあります。
実際の課題:複数カメラの同期問題
先ほど、私は複数のカメラを使った撮影で同期を取る必要がありました。
プロの現場であれば専用機材やタイムコードを使いますが、簡易的な撮影だったため、
ライトの点滅や音、動きなどで同期を手動で行っていました。
もちろん、これは面倒くさいし不正確です。
「各カメラに映る正確なデジタル時計があれば...」
そう思い立ち、特定のFPSで正確に更新されるデジタル時計アプリが欲しくなりました。
市販のアプリを探しましたが、ちょうど良いものが見つかりません。
AIによる解決プロセス
そこで、AIの力を借りることにしました。
まず、ChatGPTに欲しい機能を伝え、
プログラム生成のためのプロンプトにまとめてもらいました。
具体的には以下のような要件です:
- 指定したFPS(例:24fps、30fps、60fps)で正確に更新される
- 時:分:秒.ミリ秒の形式で表示
- カメラのプレビューでも読みやすい大きなフォント
- 黒背景に中央配置
- 開始/停止ボタンとFPS変更機能
- 単一HTMLファイルで動作(オフライン利用可能)
このプロンプトを、エージェントAIの「Manus」に渡しました。
驚くべきことに、わずか5分程度で動作するHTMLファイルが完成しました。仕様通りの機能を備え、しっかりと動作するアプリケーションです。
しかも開発されたwebアプリはManus上で動くようになっており
環境を揃えずとも確認することも出来ます。
↓今回開発したアプリです。動きます。
開発されたアプリの概要
完成したアプリは、以下の特徴を持っています:
- requestAnimationFrameと内部時間アキュムレータを使用した正確なフレームレート制御
- 大きく読みやすい時計表示(デフォルト160px)
- FPSの動的変更(1〜240fps)
- シンプルで直感的なUI
- 外部依存なしの単一HTMLファイル
技術的には、ブラウザの標準APIを活用しながらも、
指定されたフレームレートで正確に更新されるよう工夫されています。
例えば、以下のようなコードで時間アキュムレータを使い、
フレームスキップも適切に処理しています:
function updateClock(timestamp) {
if (!isRunning) return;
// 初回実行時の処理
if (!lastTimestamp) {
lastTimestamp = timestamp;
animationFrameId = requestAnimationFrame(updateClock);
return;
}
// 経過時間を計算してアキュムレータに追加
const deltaTime = timestamp - lastTimestamp;
lastTimestamp = timestamp;
timeAccumulator += deltaTime;
// アキュムレータがフレーム間隔を超えたら更新
const interval = frameInterval();
if (timeAccumulator >= interval) {
// 正確なフレームレートを維持するために、アキュムレータから
// フレーム間隔の整数倍を引く(複数フレームをスキップする可能性あり)
const framesToUpdate = Math.floor(timeAccumulator / interval);
timeAccumulator -= framesToUpdate * interval;
// 時計の表示を更新
clockElement.textContent = formatTime();
}
// 次のフレームをリクエスト
animationFrameId = requestAnimationFrame(updateClock);
}
従来であれば、このようなアプリを開発するには、HTML/CSS/JavaScriptの知識と数時間の作業が必要だったでしょう。それが今や、AIに要件を伝えるだけで短時間で実現できるのです。
AIによるツール開発の民主化
この事例から見えてくるのは、AIによる「ツール開発の民主化」です。
プログラミングの知識がなくても、自分に必要なツールを手に入れられる時代になりつつあります。
しかも、そのツールは自分の要件に完全にマッチしたものです。
また、興味深いのは「使い捨て」と「永続的」両方のアプローチが可能になった点です。
今回のデジタル時計アプリは、特定の撮影のためだけに作られましたが、
今後も継続して使えるものになりました。
必要に応じて、一時的なツールを作ることも、長期的に使うツールを開発することも可能です。
複数AIの連携による効率化
今回は2つのAIを使用しました:
- ChatGPT:要件整理とプロンプト作成
- Manus:実際のコード開発と実行
このように複数のAIを組み合わせることで、それぞれの得意分野を活かした効率的なワークフローが実現できます。
ChatGPTは自然言語処理に優れ、Manusはコード生成と実行環境の提供に長けています。
未来の展望:ジャービスのような体験へ
将来的には、「これこれこんなのが欲しい」と話しかけるだけで、
その機能がすぐに表示されて使えるようになるでしょう。
映画「アイアンマン」に登場するAI「ジャービス」が、
トニー・スタークの要望に応じてすぐに解析や設計を始めるように。
この未来は、想像以上に近づいています。
技術的な障壁が取り払われることで、私たちはより創造的な活動に集中できるようになります。
「どうやって作るか」ではなく「何を作るか」に、
より多くの時間とエネルギーを注げるようになるのです。
実践のためのヒント
AIを使ってツール開発を試みたい方へ、いくつかのヒントを共有します:
-
明確な要件定義を心がける:AIに伝える要件は具体的かつ明確に。曖昧な指示は曖昧な結果を生みます。
-
段階的に依頼する:複雑な機能は一度に依頼せず、基本機能から始めて徐々に拡張していくアプローチが効果的です。
-
AIの得意・不得意を理解する:現状のAIは万能ではありません。特に複雑なアルゴリズムや最新技術の実装には限界があります。
-
検証は必ず自分で行う:AIが生成したコードやツールは、必ず自分で動作確認を行いましょう。特にセキュリティ面には注意が必要です。
Manusの導入支援について
今回紹介したManusは、コード生成だけでなく実行環境も提供する強力なAIエージェントです。
しかし、初めて使う方にとっては、その可能性を最大限に引き出すのが難しいかもしれません。
そこで、Manusや他AIの導入支援を始めようと思います。具体的には:
- Manusの基本的な使い方のレクチャー
- 業務やプロジェクトに合わせた活用方法の提案
- 効果的なプロンプト作成のサポート
- 実際のプロジェクトへの適用支援
この記事を読んで興味を持ってくれた方に特別コードをシェアします。
このコードでManusを動かす500クレジット(1.5日分ぐらい)もらえます。
招待コード: A549I67OMZ7WDW8
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招待コード: QH6DEY0OJHS7E8S
それとClaude4というAIでの抽選権が増えるリンクも記載しておきます。
今度、Claude4でandroidアプリを作った記事も投稿します。プログラミング初心者の方でも、Manusや他AIを活用して自分だけのツールを作れるようになります。
興味のある方は、記事のコメント欄やSNSのDMでお気軽にご連絡ください。
おわりに
AIによるツール開発の民主化は、私たちの働き方や創造性に大きな変革をもたらします。「欲しいものは自分で作れる」という当たり前の未来が、すぐそこまで来ています。
皆さんも、日常の小さな不便を解決するツールから始めてみませんか?AIと共に創る未来は、きっと想像以上に便利で創造的なものになるでしょう。
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