機械工学科では何を学べるのか
機械工学(機械工学科)は工学部におけるメジャーな学科の一つです.しかし,大学受験を目指す高校生や馴染みのない方にはどんなことを学ぶのかイメージできない人も少なくないと思います.
そこでこの記事では,機械工学がどういった学問であるかということについて解説します.
機械工学とは
「機械工学とは」と検索するとネット上には多くの解説記事が存在することが分かります.その記事の多くでは「機械工学は機械を作るための学問である」と書かれています.そこで本稿では別の視点から「機械工学とは」という問いの答えを示したいと思います.
「機械工学」は英語の「mechanical engineering」を和訳した言葉です.「mechanical」は「機械の」という意味を持ちますがその他に「力学の」という意味も持ちます.「mechanical engineering」は元来,後者の意味合いが強いと筆者は考えています.要するに,「機械工学」は「力学の工学」,言い換えれば「力学について学ぶ学問」であると言えます.
力学とは
それでは機械工学における力学とは具体的には何を示すのでしょうか.機械工学には「四力」と呼ばれる次の4つの力学が基礎であると位置付けられています.
1. 材料力学
2. 機械力学
3. 流体力学
4. 熱力学
力学以外の分野
機械工学においては力学以外の学問も学びます.具体例は以下の通りです.
- 設計・加工
- 制御工学
- 材料学
- 数学
実際の機械は力学とこれらの分野の総合的な知見に基づいて作られます.
昨今の機械工学
昨今の機械工学では上記の分野に加えて深層学習を始めとする情報工学や電気・電子工学,生体工学,化学工学などの分野などの研究も行われています.機械工学科だから機械のことだけを勉強したり,研究したりするわけではありません.入学してからも様々な選択肢があるのは機械工学科の良いところかもしれません(機械工学科に限った話だけではないかもしれませんが).
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