深沢真太郎『数字を使えば9割伝わる!』
数字を使うときに注意すること
「%」は実数とセットで使う
比例関係を示すのに有効な「%」表記ですが、使い方を誤ると、自分の意見が相手に正しく伝わりません。例えば以下のような使い方は誤った使い方です。
今ならこの商品、50%引きです!
これでは実際にその商品が何円で販売しているのか分かりません。つまり顧客の購買につながりません。以下が「%」の正しい使い方です。
今ならこの商品、50%引きの150円です!
この後も数字の使い方を書いていきますが、数字を使うとき共通していることは、相手の立場に立って考える(メタ認知)ことです。
- この言葉だと相手が想像しにくいな → じゃあ数字を使おう
- この言葉だと相手の不安を払拭できないな → じゃあ数字に落とし込もう
つまり独りよがりの数字使いは本質を見失っています。数字を使うときは、常に相手の立場に立って考える必要があります。
数字は1文で2つ使う
上記の補足です。数字は単体で使うより、セットで使う方がより相手に伝わります。なぜなら数字単体では「事実」しか伝えられないからです。例えば、報告書に
先月の利益は20万円でした。
と書いたとします。それを読んだ相手はこう考えるでしょう。「だから何?」。数字単体では事実しか伝えることができず、その数字の解釈は相手に委ねることになります。つまり相手に負荷をかけます。また自分の解釈とは違うことを考える恐れもあります。そうならないために、数字はセットで使うべきです。
先月の利益は20万円でした。前年比110%です。(成長しています)
概数と詳数を使い分ける
数字はどこまで詳細に伝えれば良いのでしょうか?使い分け方は「確かな裏付けがあるか否か」です。例えば以下の文章を比較します。
20代の死亡率は30%です。
20代の死亡率は29.7%です。
どちらの文章の方が信頼性が高いでしょうか?間違いなく後者です。つまり読み手が不安を感じないために詳数を使います。逆に日本人口などは不安を感じるも糞もないので、概算で十分です。
日本の人口は1億2000万人です。
日本の人口は1億2484万人です。
概算で良い場面で詳数を使うと以下の弊害が生じます。
- 正確な数字を導き出すのに時間がかかる
- 自分の意図が相手にうまく伝わらなくなる
再言しますが、数字を使うときに意識することはたった1つ。「相手がどう思うか?」です。独りよがりの数字使いではなく、場合によって使い分ける必要があります。
実際に数字を使う
定性的なものを数字で表現する
数字を使うと考えてぶち当たる壁が「これ数値化できなくね?」です。例えば「今日の体調」です。元気なのか疲れているのか、数字で表現することは難しいです。しかしこんな事例があります。
体調という定性的なものを見事に数値化しています。数値化=可視化であり、曖昧な概念を他人と共有すときに力を発揮します。
関係性は1次方程式で表現する
Y=aX+b
2数間の関係性は1次方程式で表せます。1次方程式で表すことで、将来の数値予測を立てることができます。以下具体例です。
売上(Y)と客数(X)の関係が「Y=500X+10」とします。明日の客数が1000人と見込まれるとき、売上はいくらになると予測できますか?
答えは、5万10円です。1次方程式を扱う際に直面する課題は、変数に何を持ってくるか?です。色々と試していくしかありません。
「数値に落とし込んでみました」で相手を動かす
最後は数字を積極的に使う方法です。自分の提案を相手に聞いてもらいたい。そんなときこそ数字の出番です。具体的にはこう切り出します。「数値に落とし込んでみました。」。以下効果です。
- 忙しくても話を聞いてもらえる
- 数字を根拠として使うため否定されずらい
- 数字を使うトレーニングになる
普段から使います。(ただ適当な数字使いだと信頼を失います。)
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