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学習するなら本を読もう(すぐ使えるtipsつき)

2024/11/15に公開

結論

  • 本はWebページや動画に比べて情報量が桁違いだし質がいい。広告も入らない。本を読もう。
  • 5分でいいから毎日読もう。習慣にすれば量をこなせる。量をこなせば質は後からついてくる。
  • 完璧に理解しよう/覚えようとしなくていい。忘れていい。大事なら何回でも読み返せばいい。

この記事は何?

  • 学習するならWebページや動画ではなく本を読むのが好きな筆者が、なぜそうするのか/何が良いのかを述べて、読書の習慣があまりない/本に苦手意識がある方に読書を促す(促したい)記事。
  • 随時編集予定。ご意見・ご感想をコメントでいただけると幸いです。

前提

  • ここで言う『本』は技術書を指す。
    • 技術書とはオライリーとか技評とかあの辺が出しているあの辺の本を指す
      • tipsはこれ以外でも有用だと思う
  • 一般に流通している『本』を対象とする。
    • 一般に流通している、とは図書館か本屋かhontoで探せば見つかる、くらいの定義
    • 同人誌は一旦含まない

Webページに対する本の優位性

体験の質

  • だいぶ前から、だいたいのことはググればヒットするようになった。
  • しかし昨今ではどんなページも目が潰れんばかりの広告に埋め尽くされていたり、出典が曖昧だったり、誰が書いたかわからない、というものもあったりする。生成AIによる記事のハルシネーションも見過ごせない。
  • では本はどうか。本に広告はほぼない。あるとしても巻末が中心で、本文に割り込むものはないはずだ[1]
  • まともな本なら出典が記載されるし、著者の経歴や実績、問い合わせ先もわかるし、責任が明白だ。
  • まともな本の内容はその道のプロが精査しているし、内容以外の誤字脱字や体裁についてもプロの厳しい視線に晒され、その上で流通している。
  • つまりまともな本は、以下の特徴を持つといえる[2]
    • 内容や体裁に関してプロの目が入っている
    • 出典を当たって検証できる
    • 疑問・指摘があれば著者や出版社に問い合わせられる[3][4][5]
  • 有料である、という点だけで敬遠するのは惜しい体験だと思う。なんなら図書館なら無料だ。最先端の情報は得られないかもしれないが、変化の少ない領域については十分に役立つ。
  • 対してWebページはどうだろうか?
    • 本と同じように広告を廃し[6]、出典と著者を明記し、プロが内容を精査し、誤字脱字を潰して体裁を整えたページもあるだろう。それははたして、どのくらいの割合?[7]

情報量

  • そしてそもそも、Webページの情報量は本に比べて少ない。
  • 厳密に計算しなくても、Webページ1つと1冊の本が含む情報量のどちらが多いかは明白だろう[8]

情報量が多いと何が嬉しいのか?

  • 周辺知識』を得られるのが嬉しい。
  • ひとつの理論があるとする。本には、どういう過程でその理論に至ったのか、どのような知識を前提とするか、過去の理論とは何が違うのか、理論の前後で何が変わるのか、適用できない場面はいつなのか、などが書かれていることが多い。
  • 周辺知識があると何が嬉しいのか? 応用が利くのが嬉しい。理論を自分の道具として扱えるようになるのだ[9]
  • ド偏見だが、Webページはこれらを十分に説明するには狭すぎると思う。結論しか書いていないようなページもある。
  • 結論しか書いていないと、周辺知識がないとどうなるか? 応用が利かない。借り物の、表面的なひとつの公式に留まってしまう[10]

そうは言っても読むのめんどくさいんだけど

tipsその1 『毎日5分読む』

  • 毎日5分でいいから読もう。仕事がある日も、パーッと遊んだ日も、ベロベロに酔っ払った日も、とにかく毎日5分でいいから読もう。
  • 集中すると5分は意外と長い。実例として『プロダクトマネージャーのしごと』をまえがきから読んでみたところ、10ページ(見開き5つ)読めた。本文が270ページくらいだから、1日5分でも1ヶ月で読み終われる計算だ。年間なら12冊読める。なかなか悪くないペースではなかろうか。
  • 5分だけ読んでみて、もっと読みたいと思ったら読めばいい。もう読みたくないなら今日は終わりでいい。習慣にすることが一番の目的だからだ。
  • 習慣である行為は、「やらないと気持ち悪い」行為とも呼べる。こうなればしめたもので、もはや苦痛ではなくなる。読書をする習慣がない/苦手な人でも、歯磨きや入浴は毎日しているだろう。習慣だからだ[11]。同じ場所に読書を置けばいい。

tipsその1 補足『読書体力、あるいは読書技術をつける』

  • 読書には体力がいる。技術といってもいいかもしれない。『本を読んで内容を掴む』というのは一種の能力なのだ。やれば身につく。やらないと身につかない。読書術という言葉もあるようだが、実践が一番だと思う。自転車に乗れるようになるには自転車に乗る練習をすればいい。転んで怪我をしながら、転ばない術を学んでいく。いずれ更に速く、長く乗れるようになる。同じことが読書にも言えると思う。

tipsその2 『わからなくても・忘れてもいいと肝に銘じる』

  • 理解できない本は 「合わなかったわー」くらいで流して次の本を読もう。どうしても気になるなら再読してもいい。同じ本を複数回読んではいけないというルールはない。周辺知識を得ると理解が深まるケースもあるので、文中で言及された事柄についての本を当たるのもいい。
  • もしかしたらその本がわかりにくく書かれていただけかもしれない。プロの目が入っていても、そういうこともある。あまり自分を責めなくていい。
  • 忘れてしまったら 「忘れたわー」で流して引っ張り出そう。 一冊の本を丸暗記できるほど人間の記憶力は強くない[12][13]。たくさん読んだなら尚更だ。前に読んだ本をパラパラめくって目当ての情報を取り出してはいけないというルールもない。試験とは違って、実生活も仕事も資料の持ち込みは自由だ[14]大枠だけ覚えておいて、具体的な内容は本から取り出しても全然いい。

まとめ

  • 本はいいぞ。良い情報がたくさんある。広告はない。
  • 毎日5分でいいから読もう。塵も積もれば山となる。
  • 忘れていい。覚えなくていい。カンニングしよう。

ご意見、ご感想をお待ちしております。

脚注
  1. 少なくとも著者は見たことがない ↩︎

  2. 逆に持っていなければ、まともな本ではないかもしれない ↩︎

  3. 無視されるかもしれないが ↩︎

  4. Webページも問い合わせはできるが、責任は本に比べて弱いと思う ↩︎

  5. 当記事はご意見・ご感想をお待ちしております。誠実に回答します ↩︎

  6. Zennみたいにね ↩︎

  7. 当記事もこの指摘から逃れ得ない ↩︎

  8. ここではテキスト量を情報量としているが、画像であればWebページに軍配が上がるかもしれない。動画は本で表現できない。ただ技術書において、画像はともかく動画で表せる情報は限られるはずだ ↩︎

  9. いい例があれば追記します ↩︎

  10. ここも例を思いついたら追記します ↩︎

  11. できない人はたぶんめちゃくちゃ疲れてるので、しかるべき人に助けを求めてください ↩︎

  12. あえて主語をデカくした ↩︎

  13. 覚えられる人もいるかもしれないが、多くはないはずだ ↩︎

  14. セキュリティが厳しい現場を除いて ↩︎

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