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『ブルックスの法則』あるいは『人が増えても速くならない』を説明する時の例え、失敗していませんか?

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よく使われるたとえ

  • 『妊婦をたくさん集めても出産は速くならない』
  • 『カップ麺にお湯を注いで大勢で待っても完成は速くならない』
  • どちらも実施者の技量によって質やスピードが変化しない作業。
    • 初産なら10か月だけど2回目なら9か月で産めるなんてことはないし[1]、妊婦の技量で優秀な子を産むこともできない[2]。システム開発も同じですか?
    • カップ麺にお湯を注ぐのは、誰がやっても同じはず。システム開発も同じですか?
  • 上記はたとえに失敗している=事象を正確に描写できていないと思う。

代替案

  • 作曲』はどうだろう。
    • 並の音楽家を10人集めても、米津玄師より早く・米津玄師よりすごい曲を作るのは無理ですよね。まして音楽を作ったことがない人だったら、作る以前の話ですよね」と言えば、「人数が増えても速くならないし、誰でもいいわけがない」ことを端的に説明できる。
    • 『すごいプログラマーは平凡なプログラマーのn倍の速度と、比べ物にならないくらいの質を併せ持つ』というまことしやかにささやかれる噂とも合致する。

おわりに

  • システムの成果物は『バグ(明白な誤り)を極力出さないこと[3]』や『必要な性能水準を満たすこと[4]』や『継続して改修すること[5]』も求められる点が作曲とは異なるので、完璧なたとえではないかもしれない。
  • しかし『技量によって質やスピードに差が出るし、人数はその差を埋める手段たりえない』という点で本質をとらえているのではないだろうか。
  • よってこの記事では、『並の音楽家を10人集めても、米津玄師より早く・米津玄師よりすごい曲は作れない』を提唱する。
  • 皆さんの『人を増やしても速くならない』のたとえも、コメント欄でお聞かせください。
脚注
  1. 早産は技術で早く産んでるわけじゃない ↩︎

  2. 妊娠中の生活習慣やトラブルなどが子に悪影響を及ぼすという負の作用は考えられるけど、正の作用はあんまりないのでは? 違ったらすみません。補足いただけると助かります ↩︎

  3. 商業展開するなら、製品として明白な誤りがないことが求められる点は作曲も同じ ↩︎

  4. こちらも、商業展開するなら音質などの性能を満たす必要はある ↩︎

  5. リマスターやリミックスはある意味で"改修"だが、必須ではない ↩︎

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