自作ソフトに表示される警告「WindowsによってPCが保護されました」を消したい
TL;DR
- 署名がされていないソフトを開くと警告画面が表示されてしまう
- デジタル署名を買うとこの問題を解決できるが、費用がかかる
- 専用のフォームに記入すれば無料で警告を消すことができる
署名がされていないソフトを開くと警告画面が表示されてしまう
僕が開発したソフトはデジタル署名がされていないため、exeファイルを開くユーザーには、「WindowsによってPCが保護されました」という警告が表示されてしまいます。
これは悪いことです。理由は:
- 警告が表示されるとユーザーに不審がられる
- → 結果としてインストール数が落ちて、利用者が少なくなる
こういった理由で僕はこの警告を消したいと思いました。
デジタル署名を買うとこの問題を解決できるが、費用がかかる
デジタル署名をすれば警告を消すことができますが、それには費用がかかります。
そこで、試しにオープンソース開発者向けのCertumという認証局のデジタル署名の値段を調べてみました。
その結果、25ユーロ+海外からの配送料+関税(25ユーロはこの記事の執筆時点で4088円)かかるようです。
また、年間の費用もかかるようです。
しかも、住んでいる都道府県とローマ字の本名を公開する覚悟も必要です。
専用のフォームに記入すれば無料で警告を消すことができる
僕が使ったのはこの方法です。
Microsoftの誤検出の審査用のフォームに記入すると、警告を消すことができます。
1. 専用のフォームにアクセスする
-
このサイトにアクセスしてください。
- 「Software developer」を選択して次に進みます。
2. フォームに記入する
それぞれの項目について順番に説明します。
-
Give additional users access to the submission
複数人で開発している場合はそれぞれのメールアドレスをセミコロンで区切って入力します。一人で開発している場合はこの欄は記入しなくてOKです。 -
Select the Microsoft security product used to scan the file
「Microsoft Defender Smartscreen」を選択します。 -
Company Name
僕は自分の名前を入力して進めました。 -
Do you have a Microsoft support case number?
サポートケース番号を持っていない場合は、No -
Software Assurance ID (SAID)
SAIDを持っていない場合は入力不要です。SAIDを持っている場合はSAIDを入力します。 -
Admin email address
SAIDの管理者のメールアドレスを入力します。SAIDを持っていない場合は入力不要です。 -
Select the file
警告が出るexeファイルを選択します。500MBを超える場合はパスワード「infected」を使ってZIP圧縮します。 -
Should this file be removed from our database at a certain date?
特に理由がない場合は「No」でOKです。 -
What do you believe this file is?
「Incorrectly detected as malware/malicious」を選択します。 -
Detection name
僕は「WindowsによってPCが保護されました」と入力しました。(これが正しいかはわからない) -
Definition version (recommended)
僕はよくわからなかったので入力しませんでしたが、可能ならWindows Defenderのdefinition versionを入力します。 -
Additional information
僕は次のように入力しました:
Hello,
I am developing a software called (ソフトウェアの名前).
I am distributing the installer for (ソフトウェアの名前) on (ソフトウェアの配布先) (配布先のURL), but when I download the installer from GitHub I get the following message: "WindowsによってPCが保護されました"
Is there a way to get rid of this false positive?
これで「Continue」を押せばOKです。
僕はこの方法で警告を解除してもらえました。
注意: 相手が返信しても自分のメールには届かないので、送信したときに送られてきたメールに書かれたURLを定期的に確認する必要があります
結論
- 警告画面はデジタル署名を買う以外にもMicrosoftに審査を要求することで消すことができる
以上です。
これが誰かの役に立てば幸いです。
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