AWS未経験がAWS Solutions Architect Professional(SAP-C02)にギリギリ合格できたけど辛かった
はじめに
先日、AWS認定試験のSAP-C02にかなりギリギリで合格しました。
受けるのは今回が初めてで、試験後の手ごたえとしては間違いなく合格ラインには達していない感じでした。
あまりにも辛く、長く感じた二ヶ月ほどだったのでメールで合格バッジ取得の通知が来たときの喜びはすさまじかったです。
自分の中では難易度の高い資格を勉強・取得したのは今回が初めてだったので、記念にどこかに記しておこうと思い、記事を書きました。
前提知識等
普段は主にPHPを使ってWebサービスの開発をしています。インフラ・ネットワーク等は触る機会がほぼありません。
また、SAPの下位資格であるSAAをSAP勉強開始前に取得しております。それ以外のAWS資格はありません。
SAAの勉強期間は3週間ほどで、先に受験日を決めて受験しました。
この時点ではAWSサービスなどEC2とS3くらいしか知らない状態だったので、危機感が凄まじく、業務前、業務後、休日のあらゆる時間を使って自分を追い込んでいました。
結果、比較的余裕を持っての合格でした。
しかし、あまりにも自分を追い込んでしまったため、燃え尽きてしまい、今まで休日や業後の空き時間に何をして何を楽しんでいたのかが分からなくなってしまいました。
試験後の3日間ほどは抜け殻のようにぼーっと過ごしていたと記憶しています。
そこから徐々にバイオハザードをやったり、ミッションインポッシブルを観に行ったり、シークレットインベーションを観たり…。
趣味をやりたいと行動する力、それを楽しいと思う気持ちを取り戻していきました。
そんなことがあったSAAなので、次に試験を受けるときはゆっくり自分のペースでやろうと決めていました。
受けようと思った動機
もっとAWSのことを知りたかった、キャリアアップのためというのが一番の理由であったら良かったのですが、実際は違いました。
SAAの知識を活かして上位資格を受けるにはSAAを取った直後の今が一番ベストだから、というのが理由でした。
上記の通り、SAAでやや燃え尽き気味だったのでもう正直AWS試験は受けたくなかったです。
つまり、モチベーションで言うとだいぶ低い状態でスタートしました。
でもやるなら今しかないし、受かっても落ちても二度と受けないという制約を自分の中に設けて、挑戦の気持ちで挑みました。
受かれば会社からの報奨金で試験代も赤字にはならない、だから頑張ろうと言い聞かせて己を奮い立たせていました。
勉強期間
本気で取り組んだのは一か月半ほどです。
最初の頃はとにかく文を読むだけで辛いので一日1~2時間でしたが、慣れてきてからは業務前後休日平均して、一日5時間くらいはやっていたかと思います。
勉強方法
基本的には書籍とUdemyの模試を使いました。BlackBeltなどはあまり見ていません。(多分安定して合格するには見たほうが良いと思います。)
書籍について
以下の書籍をまず読みました。
読んだのは一回のみ、付属の模試を二回やりました。
AWS認定ソリューションアーキテクト-プロフェッショナル ~試験特性から導き出した演習問題と詳細解説
試験バージョンが古いときに出版された本ではありますが、現行のSAP-C02でも以下の点で役に立ちました。
- SAP試験の文章の長さ、問われるポイント、それに対応する基本的な考え方を学べる
- 後半に模試がついており、実際の試験の長さを体験できる
しかし、これだけでは現行バージョンのサービスが網羅できていないことが一番のネックとなります。AWS未経験者がこれだけで合格することは非常に難しいと思います。
この問題、あの教科書で見たのと同じ問題だ!というものもそんなにはなかった印象です。
しかし、基本的な考え方を学べるという点で最初に読むのはおすすめできます。
SAAの時も感じたことですが、AWS試験において日本で出版されている参考書はそれだけで合格できるというほどは役に立ちません。
Udemyの模試について
SAAの時はUdemyの評価が高い模試が一番役に立った経験から、今回もUdemyの評価が高い教材を買おうと思い立ったのですが、ここが一番難しいポイントでした。
なにせ、日本語版のUdemy教材がないのです。
最終的にはセールで半額の時を狙い、以下を購入しました。
各回を三周ずつ行いました。(4は時間がなく2周)
最終的に、各回9割は取れるようになりました。
色々なブログを読み漁り、実際のレビューも翻訳で参考にしつつ、値段のことも考えこちらを選びました。
結論としては正解だったかと思います。
この問題、全く同じやつだ!!というのが3~4割はあったかと思います。
もはや問題を読むまでもなく、選択肢からだけでも解けてしまうような。
しかしそれでも今回の点数、SAPの難しさがお分かりいただけるかと思います。
英語なのでGoogle翻訳の拡張機能を利用しながら解きました。
模試の最中は問題ごとにページが切り替わることは無いので、一度翻訳してしまえばずっとオートで翻訳してくれます。
ただ、ウィンドウサイズを変えたり、リロードを挟むとまた翻訳しないといけないのが面倒くさかったです。
模試を解く際に意識したこととしては以下です。
- なるべく3時間連続で解く。(3時間集中する力を身に着けるため)
- 問題文の必要な箇所・不要な箇所を判断し、ある程度は流し見で。
- 例えば「あなたはソリューションアーキテクトとして~○○で~」みたいな部分は問題を解くうえでは基本不要なことが多い。頭の中で「ここはどうでもいいな」と読み飛ばす癖をつける
- ちゃんと問題文を理解してから選択肢を見るのではなく、ある程度の理解で選択肢を見る
- 3時間で長文を75問解くのは本当に大変。全文読破・理解してると脳が疲れる。選択肢をある程度読んで問われるポイントを把握してから、問題文で問われていることをもう一度読むほうが早い。
- 一回解いた問題は何が間違ってるのかを頭の中でちゃんと答えられるようにした上で回答する。
解説文がかなりしっかりしている(と言ってもAWSの公式のコピペがほとんどの模様です)のがありがたかったです。
やりにくかったのは75問全部解いてからでないと答え合わせができないことです。
必然、75問全部解く、75問全部解説という流れになります。
解説が結構長めに書かれていて、翻訳されたものなので、理解するのも一問一問結構時間がかかります。
ちゃんと理解して調べたりしながら答え合わせをやっていると、問題を解く3時間よりもこちらは少なく見ても倍以上かかる印象です。(特に初回)
75問目の解説にたどり着く頃には問題と自分の答えが朧げになっています。
ただインプットの時間がひたすら長く続くのでキツかったです。
それでも勉強にはなったので結果良かったと思います。
AWS公式模試
Skill Buildersで無料模試(20問)があるので、そちらをUdemyの模試を各二周した段階で自信満々で臨みました。
結果、6割しか取れず絶望したのを覚えています。
私の場合はこれで気力が萎えてしまったのもあるので、試験前日とかにはやらないほうが良いかと思います。
早めにやって、本物の難しさを知っておくほうが良かったなと思いました。
実際の難しさにかなり近いです。一問一答形式でやりやすいのも嬉しいポイントです。
他の教材候補
TechStockというサービスは結構合格者を出しているようでしたので気になっていました。
以下の合格者達の勉強方法などは非常に参考になりました。
サービス自体については利用しませんでした。理由としてはサブスク形態です。
期間と値段は90日で4580円です。
サブスク形式なので、この期間内に受かればこれだけの料金で済みますが、受からなかった場合はまたお金を払うことになります。
それだとゆっくり勉強したいという自分の考えに合致していないので今回は見送りました。
しかし、これだけの合格者を出していて、かつ日本語の教材なので信頼できるかと思います。
問題数も豊富らしく、体験者の意見を観ていると質も良さそうなので、余裕があれば登録したかったサービスです。
本試験について
AWS試験の規約として、詳しい内容は書けませんが、とにかく難しかったです。
メモボードに見直すせば解けるかも→〇、見直しても無理→×をメモしながらやったのですが、×が30個くらいありました。
10/75問は採点対象外なので-10しても20問…。
合格ラインは到底無理だなと思いながら問題を解いていました。
見たことある・過去にやったのと似てるのが半分・全く見たことない問題が半分くらいだったでしょうか。
これ前に解説見たけど覚えてない!というのは無かったのですが、どう対策して、何の資料を見ていればこれ解けるんだろう、というのが結構ありました。
あと、とにかく長い。模試の時よりも長く感じました。
当日は普段全く飲まないエナジードリンクを飲んで臨みました。
結構会場に入るギリギリまで間違えたところをメモしたノートを見ていました。
その疲れが結構蓄積してか、いつもほど問題が入ってこなかったのは結構きつかったです。
解き終えた時点で残り時間は20分ほどで、模試の時よりだいぶ遅くなってしまいました。
分からないサービスで詰まる時間が多かったためと思います。
終わった直後には点数が出ません。
後日にメールで来ました。
受けて良かったこと
まず、自分の脳の成長を実感できたことです。
受けると決めて、初めて参考書を読んだ時の絶望は今でも忘れません。
SAAがまるで赤子に見えるほどの、あまりにも長い問題文と選択肢。
全く理解できないし、頭に入ってこなかったです。
3時間の試験というのも、全く集中力が続かず、模試の途中で他のことをしていました。
そうして途切れ途切れながらも、なんとか75問を解き終えても5割も取れていない絶望。
それが一か月後にはなんとか3時間耐えて、75問を解けるくらいにはなっていたのが嬉しかったです。
これから受ける試験でこれよりもつらい条件のものはなかなか出会えないと思うので、だいたいのことはSAPに比べれば楽勝と思うことが出来そうです。
次に、AWSサービスについて色々知れたことです。
SAAレベルでは実践には程遠いなと知ることができたのは良かったです。
色々なユースケースがあり、このサービスってこういう時に使うんだな、という知見を得られたことが意外とよかったです。
実際に自分がソリューションアーキテクト(AWSコンサルタント)になったかのような気分で問題を解いていくとちょっと楽しめます。(本試験でそんな余裕はありませんでした)
もう一つはインフラ・ネットワーク周りの知識を得られたことです。
AWSといっても、結局は既存のインフラやネットワークを使いやすくAmazon風にアレンジしたものであり、基盤を知らないと分からない問題が多いです。
なので、基盤の部分を知る必要があり、色々調べるきっかけになりました。
今まではなんとなく眺めていたCIDRとかIPアドレス関連、DNS名前解決とか、SSLの証明書関連など、ちゃんと理解出来て良かったです。
反省点
Udemy模試の内容に依存しすぎたことです。
合格者のブログ等を眺めていると、BlackBeltを見ましたという人が多いです。
反して、私の場合は模試の解説に書かれていることで分からないことを調べ、実際にサービスを利用しているブログなどを読んで理解、ということが多かったです。
何回かはBlackBeltは見たりしたのですが、軽く眺めて終わってしまっており、しっかりは見ていません。
このあたり、しっかり見ておけば点数ももう少し取れたのかなというサービスがありました。
なんとなく理解しているサービスを無くすことで、取れた問題もあったように思うので、そのあたりをつぶしておけば良かったなと思います。
辛かったこと
まず、合格通知が来るまでの時間が何日かあることです。
システムとかの都合上仕方ないとは思うのですが、受かったのか落ちたのか分からないままの期間を過ごすのがちょっと辛かったです。
何をしても少しはAWS試験どうなったんだろう、が頭の中にありました。
二つ目は試験と問題文が長いことです。
とにかく長いです。全部長い。多い。
SAPの難しさはもちろん問題の内容もありますが、この試験形式にもあると思います。
3時間座り続ける根性と、集中力を維持し続ける力を問われます。
これはAWSの知識があるかどうかとは関係ない部分なのでは、と思わずにはいられません。
しかしそれも含めて、SAPが難易度の高い試験として君臨し続けられているからこそ、受かることの価値がより高くなるというのも否めません。
ただ、二度と受けたくはないです。3年後更新する予定はありません。
三つめはモチベが上がりきらなかったことです。
資格は勉強になるし、技術の引き出しを増やすためには非常に良いと思います。
それでも実務・実際に手を動かすことの経験値には到底及ばないと思います。
そんな考え方なので、「こんな長くて辛くてお金もかかるし持ってるからといって何がどうなるわけでもない資格の試験を、ただ引き出しを増やすためだけに、何か月も勉強して受けるのか」という思いが最後で抜けきりませんでした。
なので、モチベとしてはかなり低いまま最後まで駆け抜けました。
初めは新しい知識に触れて楽しい・実際に使ってみたいと思う瞬間もありましたが、その気持ちだと今度は試験に受かりません。
一番いいのはAWSを扱えるほどの知識がついて、その結果試験に合格することですが、それはかなり時間がかかる道のりですし、普通では扱わないサービスも出題されるので難しいです
。
なので、最終的にはどうしても試験に受かるための勉強になってしまうこともモチベが上がらない一つの要因でした。
最後はPCの画面を見ながらの勉強がメインになることです。
PCの画面は業務とか勉強以外ではあまり見たくありません。(頭とか目が痛くなってしまうので)
今回は一応紙の参考書があるものの、そこまで使用頻度は多くなることがないものでした。
あくまでメインはPCで受ける模試・資料とその解説でした。
なので、寝る前とかもずっとPCを見ることになります。そのせいで眼が冴えて寝れない日もありました。
これが普段勉強している中で一番きつかったですし、本試験もPCなので時々目をつぶって休んだりしながら受けました。
勉強はやはり紙の本でしたい、そう思いました。
最後に
色々とネガティブなことも多く書いてしまいましたが、しっかりやれば受かる試験だと思いますし、AWSサービスについて色々知れることは間違いないと思います。
私の場合、色々な辛さがありましたが、キャリアアップと精神力アップと集中力アップには良い試験だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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