個人開発/マーケティング/SEO対策: 集合駅検索サービスKokoneのユーザーを増やす方法を模索してみる
はじめに
2023年12月に集合駅検索サービスKokoneをリリースし、
8ヶ月が経った現在、月間6000人以上のユーザー様にご利用頂くことができました!
MAU推移
しかし、上記のグラフも見てわかる通り、
KokoneはDAU/WAUの伸びがストップしてきてしまっており、現状のままではMAU7,000程度が限界そう、、というのが見えてきてしまっている状況にあります。
執筆現時点でどうすべきか答えが出ておらず、この記事ではユーザー数を伸ばすための分析や施策を決定する過程なども赤裸々に記述していこうと思っています。
リリースから現在までの振り返り
Kokoneの現在のマーケティング
Kokoneは現在下記のようなチャネルでマーケティングを行っています。
チャネル | ターゲットユーザー |
---|---|
SEO | 集合駅や中間駅を探したいユーザー |
不特定 | |
Tiktok | 不特定 |
Zenn | 個人開発者 |
知人経由 | 都内に住む人、海外から来た方 |
主なユーザー流入経路
Kokoneでは、現在90%以上のユーザーがSEOからの流入しています。
Kokoneのユーザー流入経路
検索パフォーマンスはリリース時から徐々に伸び、
現在では200人/日程度のユーザーが検索エンジンからアクセスしてくれています。
リリースから現在までの検索パフォーマンス推移
SEOのターゲット検索キーワード
Kokoneでは、ラッコキーワードというSEOツールを使って、検索キーワードとなるターゲットを決めました。
サイト調査より競合サイトの流入が多いキーワードを調べ、
「中間地点 検索」が最も多かったため、これをターゲットキーワードと定め、リリース初期からSEOの改善に努めてきました。
その結果、2024年8月現在では、
約月間6,000アクセスの内、25%程度がこの「中間地点 検索」のキーワードから流入している様な状況になりました。
Kokoneへの検索流入キーワード(Google Search Console)
下記は、ラッコキーワードで改めて見た現在のKokoneのSEO状況ですが、
現在「中間地点 検索」 というキーワードでは検索順位がすでに2位となっています。
Kokoneへの検索流入量(ラッコキーワード)
1位のサイトの流入数は、下記の通り2,800程度であるため、
「中間地点 検索」 というキーワードからは、最大でも現在の流入数の2倍程度、つまり現在の状況から+1,000アクセス程度が限界、ということが見えてきています。
競合サイトへの「中間地点 検索」の検索流入量(ラッコキーワード)
※参考までにですが、一般にクリック率は検索順位1位の場合は検索ボリュームの約14%、2位は約7.5%程度になると言われています。
従って、何か施策を検討していかなければ、現在のキーワードターゲットのままユーザー数を伸ばし続けることは難しい、というのがKokoneの現状になります。
更にユーザーを増やすための施策
現状を分析して、更にユーザー数を増やすための施策を検討していきたいと思います。
検索順位(SEO)の分析
まずは、検索順位(SEO)についてです。
SEOを向上させるためには、一般に下記の3つ観点での対策がなされます。
-
内部対策
- メタデータや見出し要素、ページパフォーマンスなど、ページ上の改善
-
外部対策
- 被リンクやレビューなど、ページ外の改善
-
コンテンツ対策
- コンテンツ品質の向上、キーワードの取り込みなど、コンテンツ自体の改善
現在Kokoneは検索順位が高くても2位で、どのキーワードでも1位が取れていない状況です。
従って、まずは 検索順位1位を取るための施策 として、競合サイトと比較した分析をしていきたいと思います。
内部対策の分析/施策検討
内部対策はLighthouseというGoogleが提供している無料ツールを使って、分析できます。
Lighthouseを実行した結果として出てくるスコアをKokoneと競合で比較して行きます。
下記を見て分かる通り、SEOのスコア自体は大差ありませんが、パフォーマンスのスコアが競合サイトの方が優位に見えます。
Kokone | 競合サイト |
---|---|
KokoneのLighthouseスコア | 競合サイトのLighthouseスコア |
では、パフォーマンスの内訳を下記で見て行きます。
KokoneはFCPやLCP、SIがかなり低く評価されてしまっている様です。
このあたりは改善の余地がかなりありそうですので、施策に含めていきたいと思います。
Kokone | 競合サイト |
---|---|
外部SEO対策の分析/施策検討
外部SEO対策には主に下記があります。
- 被リンク: 外部サイトからKokoneへのリンクを増やす
- サイテーション: SNSなどで "Kokone" への言及を増やす
被リンクの調査
まず被リンク数を下記の無料サイトを用いてチェックしていきます。
競合サイトと比較して見ると、Kokoneの方が被リンク数が多く検出されました。
Kokone | 競合サイト |
---|---|
Kokoneの被リンク数 | 競合サイトの被リンク数 |
しかし、被リンクの詳細を見てみると、
Kokoneへの被リンクのほとんどが外部SEO対策を支援するサイトが広告的に被リンクを発行しているものが多いようで、これらは恐らくGoogleからは良い評価としてはスコアリングしてもらえてなさそうですので、
他メディアに掲載されたもののみをカウントすると、
Kokoneが1件なのに対して、競合サイトは5件ほどの様々なメディアで取り上げられ、
言及されている様でしたので、実際の外部SEO評価も競合の方が高いと推測できます。
Kokone | 競合サイト |
---|---|
Kokoneの被リンク詳細 | 競合サイトの被リンク詳細 |
他メディア掲載:約1件 | 他メディア掲載:約5件 |
結論、他メディアへの掲載を推進するなど、有効な被リンクを増やす施策を検討する必要がありそうでした。
サイテーションの調査
サイテーションとは、直接のサイトへのリンクでなく、
SNSなどで、サイト名やサイトの愛称や、ドメインなどに関して言及されることを意味します。
サイテーション様の分析ツールは見つからなかったため、
シンプルにTwitterで、どのくらいのユーザーがKokoneと競合サイトそれぞれのサービスに言及してくれているかを定性的に調べてみました。
その結果、競合サイトの方が歴が長いかつ、名前が検索に引っかかりやすいユニークなこともあり、
ユーザーからのコメントを多く見つけることができました。
更に、競合ではSNS共有ボタンがあることから、
簡単にSNSで共有することができる点も多くのSNSコメントに繋がっている一因の様に見受けられました。
従って、SNS共有ボタンの設置も施策の一つとして検討していきたいと思います。
(現在共有ボタンはあるものの、"SNSへの共有"という意図では設置していないため)
また、現在推進しているSNSでの継続的なフォロワー獲得や発信は、引き続き進めていくことで、サイテーションの評価向上に繋がっていきそうと感じました。
コンテンツSEO対策の分析/検討
コンテンツSEO対策は、検索ターゲットのキーワードとマッチするページ内容にすることが重要です。
まず、目視で分析してみると、
競合はシンプルなツールで、「中間地点の駅を検索する」ということに特化しており、検索ターゲットとツールがマッチしています。
一方でKokoneは「目的に合った集合駅を見つける」というコンセプトなため、
そもそも本当に集まりたい場所って、地理的な中間地点ではなく、
飲み会なら新橋や赤羽といった良い飲み屋が多い場所ですし、
カフェでお喋りをするなら、表参道や渋谷などおしゃれなカフェが多いところがいいよね、という潜在ニーズを差別化ポイントとしています。
従って、「中間地点 検索」というターゲットのキーワードに対しては、どうしても記載するコンテンツに少しノイズが生じてしまいます。
なので、例えば本当に「中間地点を検索している」というユーザーを仮定したLP、またはブログの様なページを作成し、ターゲットのキーワードに応じたページのランキング向上を狙う、というのも試してみて良い施策かなと思いました。
そうすることで、本来のサイトコンセプトとずれずに、入り口を増やしていくことで、検索キーワードを獲得していける様なサイトになっていくのかなと仮定しています。
検索キーワードの分析
次のターゲットキーワード調査
これまでのKokoneのSEOの取り組みを通した結果を下記の2点にまとめます。
- 検索難易度が低いもの(30~50点代)であれば小規模なサイトでも高い順位を狙える
- 検索ボリュームが7,000程度のキーワードでは、検索順位が1位になると2,000アクセスくらいの流入を見込める
これらを踏まえて、まず改めてラッコキーワードで次のターゲットキーワードを探していきたいと思います。
上記は競合を含めた検索キーワードですが、
「中間駅」というキーワードは1位になれば、月間3,500程度のアクセスが見込めます。
現在、Kokoneはこのキーワードが6位で、流入数は500アクセス程度なため、
このキーワードを狙ってSEO対策していけば、最終的にMAU+3,000くらいは狙えそう、というのが見えてきました。
なので、このキーワードを狙ってSEO対策していくのも1つの施策として取り組んでいきたいと思います。
ターゲットキーワードの限界
現状のKokoneがターゲットとできるSEOのキーワード範囲での検索ボリュームは「中間駅」の8,000程度が最大でした。
従って、どんなにSEOを改善していっても今のSEOのキーワード範囲からでは、MAUが数万人を超えるのが難しそうなことも分かってきました。
「集まる駅を決めるので困っている」というニーズは多くあると思いますが、
感覚的に集合駅を決めたり、Yahoo乗り換えなどやGoogleMapで確認したりしてどうにかしてしまっている、
という方が多くいるのが現状と分析しています。
(実際ぼくもKokoneを作るまでは、中間地点を探せるツールがあることに気がついていませんでした)
従って、検索ボリューム外、
つまり潜在ニーズのあるユーザーに対して、どう使ってもらえる様になっていくか、
ということが、KokoneがMAU数万人を超えるための課題になってくると推測できます。
従って、今後のKokoneのKPIに、下記の観点を置いて機能追加や改善を行っていく必要があると考えています。
- リピータを増やす
- 潜在ニーズのあるユーザーを獲得する
リピータを増やす
直近3ヶ月のグラフで見ると、少しずつ右肩あがりで増えてきており、
現在では週300人近くのユーザーが定期的に利用して頂いているのが分かります。
直近3ヶ月のリピーター数推移
このリピーターを増やし続けることで、Direct からの流入を増やしていきたいと思っています。
(例えば、具体的な施策として、PWAへの導線強化やUX改善などが考えられます。)
Kokoneへのトラフィック流入経路
潜在ニーズのあるユーザーを獲得する
潜在ニーズユーザーの獲得には、精算サービスである「Walica」の事例などを参考にできると思っています。
下記のYoutubeで話していましたが、
Walicaでは、ユーザーが友人にリンクを共有して使うUI設計となっているため、検索に至らない潜在ニーズのあるユーザーにも数珠繋ぎ式にアプリを知ってもらうタッチポイントを作れている様です。
実際に、Walicaの検索流入数を見ると、「割り勘」などのキーワードよりも圧倒的に「ワリカ」などサービスを直接検索するユーザーが多いことが見て取れます。
施策まとめ
上記で検討した結果をまとめると、
Kokoneでは、下記のSEO改善施策が有効そうなことが分かりました。
これらの中から、優先順位付けをして、改善に取り組んでいこうかなと思っています!
結果については、また記事にしてご報告できればと思っていますので、是非是非応援の程、よろしくお願いします!
- 1: 検索順位の向上 (最大MAU +1,000)
- 1-1: 内部SEO対策
- 1-1-1: パフォーマンス改善によるサイト評価向上
- 1-2: 外部SEO対策
- 1-2-1: 有効被リンク数向上によるサイト評価向上
- 1-2-2: SNS共有リンクの設置によるサイテーションの向上
- 1-3: コンテンツSEO対策
- 1-3-1: ターゲットのキーワードに応じたLPまたはブログページを作成する
- 1-1: 内部SEO対策
- 2: 別キーワードの検索順位向上 (最大MAU +3,000)
- 2-1: 「中間駅」のコンテンツSEO対策
- 3: リピータの継続的な獲得 (最大MAU +?)
- 3-1: リピート率の向上施策を検討(PWAインストールの推進, UXの向上)
- 4: 潜在ニーズのあるユーザー獲得 (最大MAU +?)
- 4-1: 潜在ニーズのあるユーザー獲得に向けた機能追加
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