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Ubuntuで複数・最新のPythonのバージョンを管理する (それぞれパスを通す)

2022/02/08に公開

やること

  1. ソースコードからコンパイル
  2. パスを通す
検証環境
$ cat /etc/os-release
NAME="Ubuntu"
VERSION="20.04.3 LTS (Focal Fossa)"
ID=ubuntu
ID_LIKE=debian
PRETTY_NAME="Ubuntu 20.04.3 LTS"
VERSION_ID="20.04"
HOME_URL="https://www.ubuntu.com/"
SUPPORT_URL="https://help.ubuntu.com/"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.launchpad.net/ubuntu/"
PRIVACY_POLICY_URL="https://www.ubuntu.com/legal/terms-and-policies/privacy-policy"
VERSION_CODENAME=focal
UBUNTU_CODENAME=focal

ソースコードからコンパイル

最新の Python のバージョンはこちらで確認できます。
執筆日時点では、3.7〜3.10 がメンテナンス中のようです。

https://www.python.org/downloads/

最新のバージョンに追従する確実な方法は、Python 公式から配布されているソースコードをビルドすることのようです。
一連の作業をスクリプト化できる、非常に便利なサイトが用意されています。

https://www.build-python-from-source.com/

個人的には、 "POST INSTALLATION STUFF" や "OS RELATED STUFF" は全てオンに、それ以外はデフォルトのままが良いのかなと思っていたりします。

生成されたコマンド群をコピーし、実行します。
実行の仕方は諸説ありそうですが、例えばこのように実行できます。

$ code install-py.sh  # VS Codeにコピーしたスクリプトを貼り付け、保存
$ bash install-py.sh
$ rm install-py.sh

正常にインストールされているか確認します。
例えば、執筆日時点の最新 3.10.2 の場合は次のようになります。

$ /opt/python/3.10.2/bin/python -V
Python 3.10.2

ただし、 "add some soft links for comfortable usage" をオンにしていない場合は、 /opt/python/3.10.2/bin/python3.10 を実行する必要があります。

パスを通す

apt でインストールされた python は /usr/bin/python3.x に実行ファイルを用意されているようです。
これにならい、シンボリックリンクを張ります。

そうすれば、 python3.x で任意のバージョンを実行できます。

$ ln -s /opt/python/3.10.2/bin/python /usr/bin/python3.10

$ python3.10 -V
Python 3.10.2  # 🎉

おまけ

古いバージョンをアンインストールする

作成した関連ファイルを削除します。

$ sudo rm -r /opt/python/3.10.2
$ sudo rm /usr/bin/python3.10

update-alternatives 使わないの?

検討しましたが、次の理由から使いませんでした。

いずれも、ちょっと引っかかるな〜ぐらいのノリです。
update-alternatives を否定するわけではありません。

都度、バージョンを指定するのが手間

実際に Python のバージョンを指定するのは、 venv の作成時といった限られた機会だけかとは思います。
しかし、そのたびに

  • あのコマンドなんだっけな?
  • ああ、 update-alternatives か、どういう用法だっけな?
  • これか、sudo update-alternatives --config python っと...

とするのは結構手間だと思います。

わざわざ root 権限でバージョンを切り替えるのも、ちょっとモヤっとします。
既知のコマンドの上書きで、セキュリティ上の懸念が生じうるのでしょうがないのでしょうか。

戻さないと戻らない

update-alternatives の設定値は実行した bash プロセスだけでなく、システム全体に影響を与えるようです。
そのため、設定を変更して作業した後は、 sudo update-alternatives --auto python で規定値に変更する必要があります。

.bash_logout に書いちゃえばいいのかもしれないですが、複数窓開いていたときに困りそうです。

VS CodeのPython Interpreterに選択肢として表示されない

要は、パスが通っていないことによる弊害です。
このようなちょっとした弊害が散らばっていそうな気がしました。

(パスを通したり設定をいじったりすればいいという話ですが...)

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