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❄️ SnowPro Associate: Platform認定試験 合格体験記

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はじめに

先日、Snowflake社の新しい認定資格である SnowPro Associate: Platform Certification(以下、SnowPro Associate)に合格しました!データベースやDWHについては初心者の私ですが、この資格にチャレンジして無事合格できたので、これから受験する初学者の方向けに体験談を書いてみます。カジュアルなブログ風にまとめていますので、肩の力を抜いて読んでくださいね。

https://learn.snowflake.com/en/pages/snowpro-platform-announcementFAQs/

試験概要とこの資格を目指した理由

SnowPro Associate: Platform は2025年2月にリリースされたSnowflake認定資格の入門編です 。Snowflakeデータクラウドに関する基本的な知識を問う試験で、Snowflakeのユーザインタフェース、ノートブック、データ管理、アカウントやロール管理、そしてSnowflake Cortexと呼ばれるLLM(大規模言語モデル)機能の基本理解がカバー範囲になっています 。要するにSnowflakeの必須スキル全般を幅広く確認する内容で、データ管理やAI/ML連携、Snowflake Cortex LLM機能まで含まれているのが特徴です 。試験は全65問で制限時間85分、受験料は100ドルでした  。Snowflakeの試験としては初の非監督(unproctored)形式で、自宅などから好きな時間に受験できます(購入後24時間以内に開始すればOK) 。合格ラインはスコア750点(1000点満点中)程度で、他のSnowflake資格と同様です 。資格の有効期限は2年間ですが、後日より上位のSnowPro Core資格に合格すればこのAssociate資格も自動延長されるとのこと 。

私がこの資格を目指した理由は、Snowflakeの学習のモチベーションにしたかったからです。もともと業務でSnowflakeに触れる機会が出てきたものの、知識は断片的でした。以前からSnowflakeにはSnowPro Coreという認定資格があり興味はあったのですが、範囲が広く難しそうで尻込みしていました。そんな中リリースされたこのSnowPro Associateは、エントリーレベルで初心者向けと公式にも紹介されており 、受験料も安く気軽に挑戦できそうだったので「これなら自分でもイケるかも?」と思ったのです。また、自宅で好きな時間に受けられる点も魅力でした(試験会場だと緊張しますが、自宅ならリラックスできますよね)。**「とりあえずこの資格でSnowflakeの基礎を体系的に押さえよう!」**というのが目標設定の理由です。

どのように勉強したか(勉強スケジュール・時間)

勉強期間: 私は約1ヶ月弱の期間で準備しました。平日は仕事終わりに1〜2時間、週末にもう少しまとまった時間を取り、トータルで40〜50時間程度の学習時間だったと思います。Snowflake公式では「3ヶ月以上の実務経験かトレーニング受講が望ましい」とされていますが 、実務経験ほぼゼロの私でも計画的に勉強すれば1ヶ月程度で合格可能でした。

勉強スケジュール: 私が実践したおおまかな勉強ステップは以下の通りです:

  1. 公式ガイドで全体像を把握: まずSnowflakeが公開している試験ガイド(Study Guide)を入手し、試験範囲の項目にざっと目を通しました。これで何を勉強すべきか全体像を把握します。特に出題範囲として提示されていたトピック(UI操作、ロール管理、データロード方法、LLM機能など)をチェックしました 。

  2. ドキュメント&ハンズオンで基礎固め: 次に公式ドキュメントを読み込みつつ、実際にSnowflake上で操作してみました。Snowflakeの無料トライアルアカウントを作成し、Hands-On Essentialsと呼ばれる公式のハンズオントレーニングコースにも取り組みました。例えば、データウェアハウス入門やデータ共有のワークショップなど、一通り手を動かして基本概念を体験しました。実際に触ってみることで、SnowflakeのUIの使い方やオブジェクト作成、データロードなどが肌感覚で理解できます。

    https://learn.snowflake.com/en/pages/hands-on-essentials-track/

  3. 要点整理と復習: ドキュメントを読み進めながら重要ポイントはノートにまとめ、ロールの階層関係やタイムトラベル機能など紛らわしい概念は図に描いて整理しました。また公式ドキュメントは情報量が多いので、一度に完璧に理解しようとせず「こんな機能があるんだな」程度にまずは流し読みし、後で問題演習しながら戻って確認できるようにしました。

  4. 模擬問題で腕試し: 学習の仕上げとして、試験1週間前からは模擬試験問題や公式サンプル問題を解いて練習しました。時間を計りながら解くことで85分で65問解答するペース配分に慣れ、間違えた分野は公式ドキュメントに立ち返って復習しました。最初は正答率が低く焦りましたが、解説を読み知識を補強することで徐々に点数が上がっていき、自信を持って本番に臨めました。

使用した教材とその感想

勉強にあたって私が活用した教材と、その使用感をまとめます。初学者の方でも使いやすいリソースばかりなので参考にしてください。

• 公式試験ガイド(Study Guide): Snowflake公式提供の試験ガイドです。試験範囲のトピック一覧や各分野の解説が載っており、学習計画の羅針盤になりました。内容自体は簡潔ですが、「どの領域から何が出るか」が明確にわかるので最初に目を通す価値ありです。私は印刷してチェックリスト的に使いました。公式が提示している範囲なので、このガイドに載っていないトピックは出ないはずだ、と安心感を持って勉強できました。

https://learn.snowflake.com/en/pages/snowpro-platform-announcementFAQs/

• Snowflake公式ドキュメント: やはり王道ですが公式ドキュメントを徹底的に読みました。Snowflakeが公開している日本語ドキュメントには、アーキテクチャからSQLリファレンスまで網羅的な情報が載っています。試験の内容は公式ドキュメントをしっかり読めば対応できるようになっているので、一次情報であるドキュメントは強力な教材です 。難しい内容もありますが、試験範囲に関連する部分を中心に読み進めました(例えばタイムトラベルやフェイルセーフ、セキュリティ周りは飛ばし、UI操作やデータロードにフォーカス)。日本語訳が少し分かりにくい箇所もありましたが、その場合はドキュメントページ右下の言語設定で英語に切り替えて原文も確認しました。

https://docs.snowflake.com/

• ハンズオン形式の公式トレーニング: Snowflake公式サイトのラーニングリソースから、無料のHands-On Essentialsコースを受講しました。ブラウザ上で実際のSnowflake環境を操作しながら学べるワークショップで、データベースやウェアハウスの作成、データロード/アンロード、アクセス権限の付与など一通り体験できます。動画+演習という構成で理解が深まりましたし、何より実際に手を動かすと記憶に定着しやすいと感じました。各コース6~8時間程度かかりましたが、初心者の私には良い訓練になりました。

https://learn.snowflake.com/en/pages/hands-on-essentials-track/

• 模擬試験問題集(Udemyなど): 市場には既にSnowPro Associate向けの練習問題集やUdemy講座が出始めています 。私もUdemyで配信されていた模擬試験コースを購入し、本番同様65問を解く練習をしました。問題の難易度や傾向が本番に近く、弱点分野の洗い出しにとても役立ちました。解説も丁寧についており、「なぜその選択肢が正解(不正解)なのか」を理解することで知識の穴を埋めることができます。新しい試験ゆえ市販の問題集は少ないですが、早速こうした教材があるのはありがたいですね。

https://www.udemy.com/course/snowpro-associate-platform-certification-exam/learn/lecture/48505589?start=1#overview

試験の難易度・出題傾向・受験の注意点

難易度: 正直に言って、SnowPro Associateの難易度はそれほど高くありませんでした。公式にも「Snowflake認定の中で最もエントリー向け」と位置付けられている通り 、内容は基礎的なものが中心です。私は事前にしっかり勉強したこともあり、試験中に「あれ全然わからない…」と焦るような問題はほとんどありませんでした。ただし完全な初学者が何の準備もなしに受かる試験ではないとも感じました。Snowflake特有の概念やサービス名・機能名については、しっかり理解していないとひっかけに見える問題もあります。基本的な内容=丸暗記でOKというわけではなく、「どういう機能で何ができるか」をちゃんと押さえておく必要があります。適切に準備すれば合格点の75%は十分狙える難易度ですが、油断は禁物です。

出題傾向: 出題分野はSnowflakeプラットフォームの広範囲にわたりますが、中でもデータロードや仮想ウェアハウスに関する問題が多めでした。公式シラバス上もこの分野は約40%と比重が高く設定されています 。具体的には、データをステージ経由でロードする手順や、構造化データと半構造化データの取り扱い違い、COPY INTOコマンドの使い方、仮想ウェアハウスのスケーリング設定などです。次に多いのはSnowflakeの基本操作/UIに関する問題で、Snowsightと呼ばれるWebUI上でのオブジェクト作成・権限設定・クエリ履歴の確認方法など、画面のどこから何ができるかを問うような設問が出ました。スクリーンショットこそ出ませんが、「データベースやテーブルを作成するにはどのUI機能を使うか?」のようにSnowflakeを実際に触っていれば難しくない問題です。またアカウントのロール管理(RBAC)の基本も問われます。ロール階層や権限の付与/承継についての初歩的な理解(たとえば「SYSADMINロールが持つ権限は?」など)があれば対応できました。意外だったのはSnowflake CortexによるLLM機能関連の設問です。Snowflake上で使えるAI関数(例えばテキストを解析するPARSE_DOCUMENTや機械翻訳を行うTRANSLATE等)についての簡単な知識問題が数問出ました 。ここは他の分野と比べて新しい内容なので戸惑いましたが、試験ガイドにも明記されていたので事前にドキュメントで関数の概要だけ押さえておき対応できました。深い実装コードを書くような問題ではなく、「〇〇関数は何をするためのものか?」程度の基本的な内容でした。

問題形式: 問題形式は選択肢を選ぶタイプが中心で、一部マッチングやドラッグ&ドロップなどのインタラクティブ問題もありました 。例えば用語と説明文をマッチさせる問題では、画面上で用語と定義文を線で結ぶ操作が必要でした。最初少し驚きましたが、内容自体は難しくなく直感的に答えられました。全問択一or複数選択式なので手を動かす実技問題はありません(SQLの実行結果を答えさせるような問題も無し)。そのため基本的には知識勝負ですが、選択肢の中には紛らわしい表現もあるので冷静に読み解くことが大事です。複数選択問題では「該当するもの全て選べ(選択数は明示)」形式で、AWS試験などと同様ですね。不安な問題はフラグを立てて後で見直すこともできました(PearsonVUEの受験システム標準機能で、後でまとめてレビューできます)。

受験時の注意点: SnowPro Associateは前述の通り自宅で受験可能なテストです。好きな時間に始められるのは利点ですが、その分自分で試験環境を整える責任があります。私は試験開始前にネットワーク接続やPCの電源を再確認し、スマホや通知類は全部オフにしました。途中で集中を切らさないよう、家族にも「85分だけ話しかけないでね」とお願いしておきました(笑)。一度開始すると途中で休憩を入れるのは難しいので、開始前にトイレを済ませ水も手元に用意して臨みました。万が一24時間以内に試験を開始しないと受験権が失効してしまうので、スケジュールには余裕を持って申し込みましょう 。また非監督とはいえ受験契約上は不正行為は禁止されています。当然ながら試験中に参考書やネット検索に頼るのはNGですし、時間的にもそんな余裕はありません(1問あたり約1分20秒のペース配分です)。オープンブックのようでいて実質はクローズドブックと思った方がよいです。精神的には「カンニングできないプレッシャーがないぶん楽」くらいに受け止め、事前準備に集中するのが得策です。

試験当日の雰囲気や体験

いよいよ試験当日(というより受験当日)、私は土曜日の朝9時に試験を開始しました。自宅の静かな環境を確保し、コーヒーを淹れてリラックスした状態でPCの前に座りました。Pearson VUEの試験ポータルにログインして試験を開始すると、画面に受験上の注意事項と同意画面が表示されます。確認を終えてスタートを押すとカウントダウンとともに問題が表示され、**SnowPro Associate本番がスタート!**最初の数問は肩慣らしのつもりで落ち着いて回答しました。思った通り基本的な内容が多く、「よしよし、勉強したところだ」と心の中で頷きながら進めます。

私は設問を一通り解き進め、迷った問題にはフラグ(マーク)を付けて飛ばしました。全65問を解き終えた時点でだいたい60分ほど経過しており、25分ほど時間が残っていました。そこでフラグを付けた見直し対象の問題に戻り、一つ一つ再検討しました。幸い見直しても答えに確信が持てないような難問はなく、時間的にもかなり余裕がある状態でした。全問に回答した後、残り5分ほどはざっと全体をチェックし、答え漏れや明らかなミスがないか確認。そして終了ボタンを押して試験を終えました。

終了直後、アンケート画面の後にすぐ結果が表示されました。ドキドキしながら結果を確認すると…**「PASS」**の文字が!スコアは800点台で無事合格ラインを超えていました。思わず「やった!」と声が出て、コーヒー片手にガッツポーズです。その場で画面に合格証明のデジタルバッジ取得案内が表示され、早速Snowflakeの認定者ポータルから証明書とバッジをダウンロードできました。初めてのSnowflake資格試験でしたが、終わってみれば大きなトラブルもなくスムーズに完了しました。自宅受験だったおかげでリラックスして実力を発揮できたように思います。

これから受ける人へのアドバイス

最後に、これからSnowPro Associate試験に挑戦する方への私なりのアドバイスをまとめます。
• 公式ガイドとシラバスを活用する: 最初に公式の試験ガイド(Study Guide)を入手して内容範囲を把握しましょう。試験の出題領域と例題が載っているので、自分がどのトピックに注力すべきか計画が立てやすいです 。公式サイトで公開されているサンプル問題も必ず解いてみて、出題形式に慣れておくと安心です 。

• 公式ドキュメントで基礎固め: Snowflake公式ドキュメントは最強の教材です。試験範囲の知識はすべてドキュメント上で説明されています 。特にUIの使い方やロール管理、データロード手順など該当箇所をじっくり読み込み、可能なら実際に触りながら理解しましょう。日本語ドキュメントが充実しているので、英語が苦手でも安心です。

• 実際に手を動かしてみる: Snowflakeの無料トライアルやハンズオントレーニングを活用して、実機操作を経験しておきましょう。頭で理解したつもりでも、実際にやってみると思わぬ発見があります。テーブル作成やファイルからのデータ取り込み、権限設定など、一通り自分でできるようになると本番でも落ち着いて問題文をイメージできます。

• 模擬試験で時間配分を練習: 試験本番は85分で65問とそれなりにボリュームがあります。公式問題集やUdemyの模擬試験コースなどを活用し、本番同様の環境で時間内に解き切る練習をおすすめします。解いた後は解説を読み、間違えたところは公式ドキュメントに戻って復習しましょう。繰り返し練習することで自信を持って当日を迎えられます。

• 当日は落ち着いて取り組む: 自宅受験の場合は周囲の環境を整え、開始ボタンを押したら試験に集中できるようにしましょう。難しい問題に出会っても深呼吸して慌てずに。他の問題を解いているうちにヒントを思い出すこともあります。時間は比較的余裕がありますので(見直し時間も取れました)、最後まであきらめず丁寧に答えましょう。

SnowPro Associateは初心者にとってSnowflakeの全体像を掴む良い機会になる資格です。合格すればSnowflakeの基礎知識が身についた自信にもなりますし、将来的にSnowPro Coreなど上位資格に挑戦する足がかりにもなります。ぜひ楽しみながら学習を進めてみてください。応援しています!🎉

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