サブネッティング
サブネッティング
1. はじめに
この記事ではサブネッティングについて、その概念と練習問題を使った演習を記述していきます。書く目的としては、研修にて躓いたこと、学んだことを改めて整理し、定着させるためです。備忘録として読み返せるようにまとめていきたいと思います。
2. サブネッティング...?
サブネッティングとは、一つの大きなネットワークを分割して複数の小さなネットワークに分けることを指します。
サブネッティングの方式として、FLSM(固定長サブネットマスク)とVLSM(可変長サブネットマスク)との二種類があります。
・ FLSM...ネットワークを分割する際、それぞれのネットワークが必要とするその大きさに関わらず、すべて同じ大きさに等分割していく形式のことを指します。
・ VLSM...各ネットワークが必要とするネットワークの大きさに合わせて最適な数で分割していく形式のことを指します。こちらの形式の方が無駄なくIPアドレスを割り当てていくことが出来るのでより効率的なやり方だといえます。
3. 演習問題にチャレンジ
VLSMの形式で、サブネッティングの問題にチャレンジしてみましょう。
<例題> この要件に従ってVLSMの形式でサブネッティングした場合のそれぞれのIPアドレスの範囲を求めよ。
■ 前提条件
使用可能なIPアドレスブロック:192.168.1.0/24
割り当てたいネットワーク(ホスト数):
ネットワークA:50台のホストが必要
ネットワークB:20台のホストが必要
ネットワークC:10台のホストが必要
ネットワークD:5台のホストが必要
まずこのような問題を解決するために行いたいステップは
1. 各ネットワークに必要な台数からホスト部の大きさを決める
2. 決めた大きさに沿ってIPアドレスの範囲を明示化する
です。
1.各ネットワークに必要な台数からホスト部の大きさを決める
ではまず1について、ホストの数から、/ほにゃららの範囲に入るかを考えていきます。
(/24→256個 /25→128個 /26→64個 /27→32個 /28→16個 /29→8個 という範囲になっています。)
ネットワークAは50台のホストが必要→ホストの数が33個以上62個未満の為、/26
の大きさに収まる
ネットワークBは20台のホストが必要→ホストの数が17個以上30個未満の為、/27
の大きさに収まる
ネットワークCは10台のホストが必要→ホストの数が9個以上14個未満の為、/28
の大きさに収まる
ネットワークDは5台のホストが必要→ホストの数が5個以上6個未満の為、/29
の大きさに収まる
と、このような結果になったため、1のホスト部の大きさを決定する作業は完了です。
ここから範囲を割り振っていく作業に入ります。
2. 決めた大きさに沿ってIPアドレスの範囲を明示化する
まず、ネットワークAから割り振っていきましょう。
先頭のIPアドレスが192.168.1.0となっていますので、ここからカウントアップをしていきます。
192.168.1.0の 末尾の0と、ネットワークAの範囲として設置した/26のホスト数(2の6乗=64)を足し、先頭の数字も範囲として含めるため、マイナス1をします。
0+64-1=63 つまり、192.168.1.0~192.168.1.63
までがネットワークAの範囲となります。
他の範囲でも同じように計算します。
ネットワークBは64始まりで、/27(2の5乗=32)の範囲で割り振るため
64+32-1=95 でネットワークBの範囲は192.168.1.64~192.168.1.95
となります。
ネットワークCは96始まりで、/28(2の4乗=16)の範囲で割り振るため
96+16-1=111 でネットワークCの範囲は192.168.1.96~192.168.1.111
となります。
ネットワークDは112始まりで、/29(2の3乗=8)の範囲で割り振るため
112+8-1=119 でネットワークDの範囲は192.168.1.112~192.168.1.119
となります。
尚、各ネットワークにおける先頭と最後のアドレスについてはネットワークアドレスとブロードキャストアドレスとして設定されるものなので、実際にホストに振り分けが出来る範囲で表すと
ネットワークA:192.168.1.1~192.168.1.62
ネットワークB:192.168.1.65~192.168.1.94
ネットワークC:192.168.1.97~192.168.1.110
ネットワークD:192.168.1.113~192.168.1.118
割り当て結果のまとめ
表にまとめると以下のようになります。
ネットワーク | 必要ホスト数 | 割り当てサブネット | 使用範囲(ホスト部) |
---|---|---|---|
A | 50 | 192.168.1.0/26 | 192.168.1.1 ~ 192.168.1.62 |
B | 20 | 192.168.1.64/27 | 192.168.1.65 ~ 192.168.1.94 |
C | 10 | 192.168.1.96/28 | 192.168.1.97 ~ 192.168.1.110 |
D | 5 | 192.168.1.112/29 | 192.168.1.113 ~ 192.168.1.118 |
尚、192.168.1.119~192.168.1.254は未割り当て領域として保持されます。今後この構成にさらにネットワークを追加したい場合は、上で実施したようなやり方で追加していくことが出来ます。
4. 終わりに
今回は実際の問題を用いてサブネッティングにチャレンジしました。サブネッティングの仕方を解説することでより頭に入ってきた感覚があります。定期的に見直して復習を進めたいと思います。また、間違い等あればご指摘お願いいたします。ありがとうございました。
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