OSPF設定コマンドまとめ
OSPF設定コマンドまとめ
1. はじめに
この記事ではTera Termを用いてルータにOSPFを設定する際に使用するコマンドをまとめて記述します。書く目的としては、研修にて学んだことを改めて整理し、定着させるためです。備忘録として読み返せるようにまとめていきたいと思います。
2. OSPFとは...?
まずOSPFについて説明していきます。
- OSPFとは、ルーティングプロトコルの一種です。ダイナミックルーティングと呼ばれる自動でネットワークの経路を設定、更新してくれるプロトコルです。
- OSPFの特徴として、リンクステート情報と呼ばれる隣接するルータからからの経路情報を頼りに最短経路を導き出し、最短超す手での接続を試みるリンクステートと呼ばれる方式と、パスコスト(宛先経路にたどり着くまでにかかる負荷の合計)をメトリック(パフォーマンスの測定をするための数値)としているという二点が主に挙げられます。
3. Tera TermにおけるOSPFの設定
次にTera TermでOSPFを設定する際に必要なコマンドを列挙していきます。
(config)# router ospf <プロセス番号>
...ルーターのOSPFを有効化するコマンドです。
- 末尾の番号はプロセス番号と言ってOSPFのルーティングプロセスを識別する番号のことを指します。この番号は同一ルータ内での統一が求められます。
(config-router)#network <ネットワークアドレス> <ワイルドカードマスク> <area 数字>
...ネットワークの情報を公告するためのコマンドです。
- ワイルドカードマスクとはルータなどの設定でIPアドレスのチェックを行う際アドレスの何ビット目を検証対象とするかを指定する値のことです。該当するサブネットマスクを丸々ひっくり返した値がワイルドカードマスクになります。(例:サブネットマスク 255.255.255.0→ワイルドカードマスク 0.0.0.255)
- areaとは、OSPF設定時に分割する経路情報の範囲のことで、デフォルトであれば0での設定になります。(バックボーンエリアと呼ばれるエリア)もしエリアを分ける場合は適宜番号を振っていきます。
(config-router)#router-id <ルータID>
...OSPF内でどのルータなのかを識別するために、ルータのIDを設定します。ほかのルータと値が被ってはいけません。
(config-router)# clear ip ospf process
...OSPFのルーティングプロセスをクリア、リセットします。OSPFに新たにネットワークの情報やルータIDを登録した場合、反映した設定で稼働させるために必要なコマンドになります。(ネットワークに影響を与える可能性があるため、使用は慎重に)
#show ip ospf
...OSPFの設定を確認します。
#show ip protocols
...ルーティングプロトコルに関する情報を確認します。
#show ip ospf neighbor
...OSPFのネイバーテーブルを確認します。
#show ip ospf interface
...OSPFが有効なインターフェースの状態やHelloパケットの送信間隔などを確認します。
4. 終わりに
OSPFの設定についてまとめてみました。コマンドごとに何のコマンドか、なぜやるのか、といったことを書き下ろしていくことで理解度が増したと感じています。OSPF以外にも設定の仕方を学んでいるので、そちらも適宜書いていけたらと思います。ありがとうございました。
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