eBPF映画化、Backstage.ioの近況:DevOps/SRE/Kube Weekly Update (2023/11/13-19)
以下の3つの記事から気になったもの & 個人的に気になったものを毎週紹介していきます。
DevOps Weekly( https://devopsweeklyarchive.com/ )
SRE Weekly( https://sreweekly.com/ )
KubeWeekly( https://www.cncf.io/kubeweekly/ )
DevOps Weekly
Terrareg
オープンソースのTerraformモジュールレジストリ
DockerHubのようにGUIがあり、モジュールの検索や分析などがしやすくなると思われる
Retool State of AI Report 2023
技術者に対して、近年のAIの発達に対するアンケートを実施し、その結果をもとに考察がなされている。
ChatGPTの普及により、開発者の学習方法や作業環境が劇的に変化している。実際にStackOverflowのトラフィックが落ちてきている噂があるよう。
AIによって仕事が奪われるのではないか、みたいな論争があるが、アンケート調査からは働き方を改善していくことに前向きであれば、仕事を奪うことはないと確信している方が多かったよう。
また、職務ごとにAIに対する期待度を調査した結果、運用の役割に就いている方の期待が最も高かったとのこと。
ただ、課題もあると認識しており、テクノロジーが今後確実にいい方向に進んでいくためにもAIガバナンスと倫理への投資が必要と考察している。
興味深かったのは、AIをコスト削減するための方法として導入を進めている企業が多かったこと。単にトレンドだからというわけではなく、コストを最適化するためのツールとしてAIを認識している方が多い様です。
そして、Copilotや最近話題のCursorなども普及が進んでいくと、開発者の採用面接(主に技術面接)も変えていかなければならないと回答する方が多かったとのこと。(実際、アンケートを行った企業でも現状AIはコーディングやクエリの作成などに多く使われていると答えている)
今後の課題としては、先にも挙げたガバナンスや、データの精度及びセキュリティが挙げられている。
SRE Weekly
Architecture Patterns : The Circuit-Breaker
電気回路ブレーカーが過剰な電流が検出されたときに電気の流れを停止して過負荷を防ぐのと同じように、ソフトウェア エンジニアリングにおけるサーキットブレーカー パターンは、障害の数が事前に定義されたしきい値を超えたときにサービスへのリクエストの流れを停止する。これにより、障害が発生したサービスは回復するまでトラフィックの受信を継続することがなくなり、さらなる負担や連鎖的な障害の可能性が防止される。
要するに、サーキットブレーカーアーキテクチャによってグレースフルデグラデーションを実現できる。
ただ、記事に書かれているようなメリデメもあり、それらのバランスをとることが重要になってくる。
KubeWeekly
KubeCon Chicago
今年はアメリカ・イリノイ州シカゴにてKubeConが開催されました。
そのまとめ記事が出ていたので、個人的に面白かった部分を抜粋します。
Environment Sustainerbility に対する取り組み
ここでもAI/LLMについてが話題になっていたようです。
また、Environment Sustainerbility(いわゆる環境問題)に対する話題も非常に大きく取り上げられていたようです。
LLMなど多量のコンピューティングリソースを消費するので、相対的に環境問題への取り組みの重要性が高まっているように感じました。
この分野では、CNCFプロジェクトのうちの一つである Kepler というツールがあるようで、ワークロードごとのエネルギー消費量計算(二酸化炭素排出量、総電力量)を行っているそうです。
KeplerはeBPFで対象データを吸い上げ、集約・モデリング・Metrics化しているそうです。
ドキュメンタリー映画 - eBPF : Unlocking The Kernel
eBPFの創設と成長に関するドキュメンタリーがKubeConにて初公開された様です。
YouTubeで全編公開されているので、興味のある方は見てみてください。
また、年末にはOreillyから eBPF本が出るので、興味のある方はこちらもぜひ。(私は予約しました)
Backstageについて
個人的に注目しているBackstageについても言及があった様です。
現在、BackstageのPluginはMonoRepoに統合されている状態で、数多くのPluginはオーナーシップが明確になっておらず、修正や機能改善が行われていないものがある現状でした。
この現状を改善するために、Core機能となるPluginのみ現状のリポジトリで管理し、それ以外のPluginはそれぞれのリポジトリで管理していく方針になるようです。
また、今回のKubeConのプレイベントとして、BackstageCONも開催されました。
先行事例の紹介などがされていたようです。セッション動画は以下にまとまっています。
個人的に注目しているところでもあるので、引き続きウォッチしていければと思います。
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