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Oracle Cloudに無償で構築できるリソース

2024/10/24に公開

Oracleが提供するクラウド、Oracle Cloud Infrastructure。略してOCIは他のクラウドサービスと比べて永年無料で使えるリソースが豊富です。

この記事では環境準備のための情報として、OCIで無償で使用できるリソース範囲を備忘録としてまとめています。

無償リソースの確保について

冒頭書きました通り、OCIは無償で使えるリソース枠が太っ腹に用意されています。

しかし、無料のアカウントであるAlways Freeアカウントだとコンピュートを作成する際、「ホスト容量が不足している」と言われて作成できないことがあります。
この問題に対して、以下の記事のようにTerraformを駆使し力技で枠争奪戦を勝ち取る方法もありますが、アカウントをアップグレードしてもAlways Freeリソースは変わらず作成できますので、アップグレードしてしまったほうが早く解決するような気がします。

もちろん課金が発生するリソースも作れてしまうので、リソース管理には注意が必要ですが。

参考:TerraformでOCIのA1インスタンス無料枠争奪戦を戦う

OCIで無償で使えるリソース

では永久無料で使用できるリソースについて見ていきます。
ここではあくまで、将来的に私が使用するものだけについて書いていきますので、詳細はこちらからご覧ください。

コンソールにも[Always Free対象]アイコンがついていますので、判別はしやすいと思います。

💻コンピュート

マイクロ・インスタンス(VM.Standard.E2.1.Micro)

  • 作成可能VM数:最大2つ
  • ネットワーク帯域幅(Gbps):0.48
  • 最大合計VNIC:1
  • Local Disk:Block Storage Only
  • プロセッサ:2.0 GHz AMD EPYC™ 7551 (Naples)
  • メモリー:1 GB
  • 使用可能イメージ:Oracle Linux Cloud Developer 8、Oracle Linux、Ubuntu、CentOS


OCI Ampere A1 Computeインスタンス(VM.Standard.A1)

VM.Standard.A1を使用するVMについて、毎月はじめの3,000OCPU時間および18,000GB時間が無料(=4 OCPU, 24 GBの使用料と同等)

  • 作成可能VM数:最大4つ
  • ネットワーク帯域幅(Gbps):1
  • 最大合計VNIC:2
  • OCPU数:合計4 OCPUまで自由に割り当て
  • メモリー:合計24 GBまで自由に割り当て
  • 使用可能イメージ:Oracle Linux Cloud Developer、Oracle Linux、Ubuntu

無償範囲を超えるスペックだったとしても、3,000 OCPU時間および18,000 GB時間分が割り引かれるわけですので、作成したら即座に課金が発生するわけではなさそうです。
一ヶ月丸々使い尽くすと、という意味での”最大4つ”なわけですね。


📁ストレージ

ブートボリューム・ブロックボリューム

  • 無料ストレージサイズ: 合計200GB
    これをブート・ボリュームの作成に利用できます。
  • ブート・ボリュームの最小サイズ: 最低47GB
    シェイプに関係なく、各インスタンスに最小サイズ以上のブート・ボリュームが必要です。
  • ブロック・ボリュームの最小サイズ:最低50GB
  • バックアップ:ホーム・リージョン内で合計5つ

上記のコンピュート・インスタンスは無償の2つのシェイプで計6つ作成できるように見えますが、200 / 47 = 4...12ということで、ブート・ボリュームの制限でどうあがいても合計で最大4つしか作れない、ということになります。
ブートボリュームは指定しないと47 GBで作成されます。そのため、50GBを指定して作成するとちょっとお得かも?

ブート・ボリュームの最小サイズについてドキュメントが以下のように矛盾しているのは気になりますが、、、

各インスタンスの最小ブート・ボリューム・サイズは、シェイプに関係なく47GBです。

また、コンピュート・インスタンスに許可されている最小ブート・ボリューム・サイズが50 GBのため、4つのインスタンスを起動すると、すべてのAlways Freeブロック・ボリューム・リソースが使用されます。

(なお、24/10/24時点で確認したところ、デフォルトで作成されるサイズは47GBでした)


オブジェクト・ストレージ

Always Freeアカウントの場合

  • ストレージサイズ:合計20 GB
    [標準層][頻度の低いアクセス層][アーカイブ層]の合計。
  • APIリクエスト:1か月当たり50,000

有料アカウントの場合

  • 標準層データサイズ:10 GB
  • 頻度の低いアクセス層データサイズ:10 GB
  • アーカイブ層データサイズ:10 GB
  • APIリクエスト:1か月当たり50,000

アップグレードしたほうがちょっとだけお得ですね。

📅データベース

Oracle Autonomous Database

  • 数:2つ
  • プロセッサ: 1 Oracle CPU(スケーリング不可)
  • データベースストレージ: 20 GB(スケーリング不可)
  • ワークロードタイプ:
    • トランザクション処理
    • データ・ウェアハウス
    • Oracle APEXアプリケーション開発
    • JSONベースのアプリケーション開発
  • 最大同時セッション数: 20
  • デプロイタイプ: サーバーレス
  • DBバージョン:19c, 23ai(リージョンによって変わる)

あとで有料インスタンスにアップグレードが可能。

Oracle NoSQL Database

読み取り:最大1億3300万/月
書き込み:1億3300万/月
ストレージ:表あたり25GB
1月あたりの読取り、月あたりの書込み、および表あたりのストレージを有します。

Oracle HeatWave(旧HeatWave MySQL)

ホーム・リージョンに単一のノードHeatWaveクラスタを持つスタンドアロンのHeatWave DBシステムを取得

  • データおよびログファイル用:50 GB
  • バックアップ用:追加で50 GB

😶‍🌫️ネットワーキング

ロード・バランサ

最小および最大帯域幅が10 Mbpsに設定されたAlways Freeのフレキシブル・ロード・バランサを1つ取得

  • シェイプ:フレキシブル(最小および最大: 10 Mbps)
  • リスナー:16個
  • 仮想ホスト名:16
  • バックエンド・セット:16
  • バックエンド・サーバー:1024

ネットワーク・ロード・バランサ

Always Freeリソースの一部として、1つのネットワーク・ロード・バランサを取得

  • リスナー:50個
  • バックエンド・セット:50
  • バックエンド・サーバー:1024 (バックエンド・セット間で分散)

仮想クラウド・ネットワーク(VCN)

Always Freeアカウントは最大2つまで設定可能。
有償アカウントは最大10つ。(サービス制限)
Oracle Universal Creditsアカウント:
参考:ネットワーキングの制限 - サービス制限


🔏Vault

テナンシ内の任意の数のボールトにキーまたはシークレットを分散できます

  • マスター暗号化キー(どちらも任意の数のキーまたはボールト全体)
    • ソフトウェアで保護:すべてのキー・バージョン
    • HSMによって保護:20の合計キー・バージョン
  • シークレット
    • Always Freeシークレット:合計150
      任意の数のボールトに対して
    • シークレット・バージョン
      最大20のアクティブな使用バージョンと20の削除保留中バージョンを含む

Always Freeシークレットの割当てをすべて使用した場合は、シークレットまたはシークレット・バージョンを削除用にスケジュールすることで、リソースを解放できます。シークレットまたはシークレット・バージョンが削除されるまで、少なくとも1日待機する必要があります。


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