【初心者向け】自宅ラボPCのCPU・メモリ・ストレージはなぜこれが必要?
はじめに
「Proxmoxで自宅ラボを構築しよう!」と思い立った時、多くの人が最初に悩むのが「どんなスペックのPCを用意すればいいの?」という問題です。
この記事では、ハンズオン記事で推奨しているスペックの根拠を、CPU・メモリ・ストレージの3つの要素に分けて、それぞれの役割と「なぜその値が必要なのか」を初心者の方にも分かりやすく解説します。
1. CPU:ラボの「頭脳」
CPUは、人間でいう「頭脳」にあたり、計算処理を担当します。Proxmoxでは、この頭脳を複数の仮想マシン(VM)で分け合って使います。
なぜ「4コア以上」が推奨?
- Proxmox自身が使う分: まず、ProxmoxというOS自体が動くために、最低でも1〜2コアを常に使用します。
- 各VMが使う分: 次に、作成する仮想マシン(Windows ServerやLinuxなど)にも、それぞれCPUコアを割り当てる必要があります。例えば、Windows Serverに2コア、Webサーバーに1コアを割り当てる、といった形です。
つまり、**「Proxmox本体分 + 各VMに割り当てる分」**の合計で、最低でも4コアは欲しい、というのが推奨値の根拠です。コア数が多ければ多いほど、多くのVMを同時にサクサク動かすことができます。
「仮想化支援機能」とは?
これは、CPUが「仮想化」という特殊な処理を効率的に行うための専用機能です。この機能が有効になっていないと、Proxmoxは仮想マシンを作成することができません。PCを選ぶ上で最も重要な必須項目です。
2. メモリ(RAM):ラボの「作業机」
メモリは、人間でいう「作業机の広さ」です。CPUが計算するデータを一時的に置いておく場所で、この机が広ければ広いほど、多くのアプリケーション(VM)を同時に広げて作業できます。
なぜ「16GB以上」が推奨?
これもCPUと同じで、**「Proxmox本体分 + 各VMに割り当てる分」**の合計で考えます。
- Proxmox本体: 約2GB〜4GBのメモリを消費します。
- Windows Server VM: 最低でも4GB、快適に動かすには8GBは割り当てたいところです。
- Linux VM: 1GB〜2GB程度でも動きます。
- Windows 11 クライアントVM: 4GB〜8GBを割り当てます。
例えば、Windows Server 2台とLinux 1台を同時に動かす場合、それだけで**「8GB + 8GB + 2GB = 18GB」**のように、あっという間に16GBを超えてしまいます。そのため、最低ラインとして16GB、快適な学習のためには32GB以上を推奨しています。
3. ストレージ:ラボの「本棚」
ストレージは、OSやアプリケーション、作成したファイルなどを長期的に保存しておく「本棚」です。
なぜ「256GB以上のSSD」が推奨?
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容量 (256GB以上):
- Proxmox本体のインストールに約32GB。
- Windows ServerのVM 1台あたり約60GB。
- Windows 11のVMに約60GB。
これらを複数作成すると、256GBは最低限必要な容量となります。
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種類 (SSDを強く推奨):
ストレージには、昔ながらのHDD(ハードディスク)と、新しいSSD(ソリッドステートドライブ)があります。
SSDはHDDに比べてデータの読み書き速度が圧倒的に速いため、OSの起動や仮想マシンの動作が劇的に快適になります。 自宅ラボの体感速度を最も左右するパーツと言っても過言ではありません。これから準備するなら、必ずSSDを選びましょう。
まとめ
自宅ラボのPCスペックは、作りたい環境の規模によって変わります。今回のハンズオンで推奨しているスペックは、あくまで「小規模なオフィス環境を快適に再現するための第一歩」です。この記事が、あなたのPC選びの参考になれば幸いです。
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