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【1-4】【Proxmox VE 実践編】Ubuntu Server 22.04 LTS インストールガイド

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【Proxmox VE 実践編】Ubuntu Server 22.04 LTS インストールガイド

前回の記事では、Proxmox VE上で仮想マシン(VM)のハードウェアを定義する方法を解説しました。VMという「器」の準備が整ったら、次はいよいよOSのインストールです。

https://zenn.dev/koikoi_infra/articles/e182727d8e81dc

この記事では、作成したVMにUbuntu Server 2.04 LTSをインストールする手順を、各設定画面の考え方と共に詳しく解説していきます。


1. インストーラーの起動と基本設定

作成したVMを起動すると、コンソール画面にUbuntuのインストーラーが表示されます。ここからの操作はすべてキーボードの矢印キーとEnterキーで行います。

Step 1: インストーラーの起動


VMがISOイメージから起動すると、まずこのブートメニューが表示されます。一番上の「Try or Install Ubuntu Server」が選択されていることを確認し、Enterキーを押してインストールを開始します。

Step 2: 言語の選択


インストーラー自体の表示言語を選択します。リストに日本語がない場合があるため、ここでは**English**を選択して進めるのが一般的です。

Step 3: インストーラーのアップデート確認


インストーラー自体に新しいバージョンがある場合、この画面が表示されます。今回はそのままインストールを続けるため、「Continue without updating」を選択してEnterキーを押します。

Step 4: キーボードレイアウトの設定


インストールされるOSが認識するキーボードの配列を設定します。日本語キーボードをお使いの場合は、LayoutVariantが両方とも「Japanese」になっていることを確認し、「Done」を選択して次に進みます。

Step 5: インストール種別の選択


インストールするソフトウェアの規模を選択します。

  • Ubuntu Server(標準): これが推奨の選択肢です。サーバー運用でよく使うコマンドやツールが一通り含まれています。
  • Ubuntu Server (minimized): 必要最低限の機能に絞った専門家向けの選択肢です。
  • Search for third-party drivers: 物理マシン用の独自のドライバを検索するオプションです。仮想環境では不要なため、チェックは入れません

Step 6: ネットワーク設定


サーバーとして運用するため、IPアドレスを固定(静的IP)に設定します。

  1. ens18が選択されていることを確認し、Enterキーを押します。このens18という名前は、Proxmox VEで推奨設定のVirtIOモデルを選んだ場合に自動で作成される仮想ネットワークカードの標準的な名前です。
  2. 次の画面で「Edit IPv4」を選択し、IPv4 MethodManualに変更します。
  3. ご自身の環境に合わせてIPアドレス(例: 192.168.3.101/24)などを入力します。
  4. 設定を保存し、「Done」で次に進みます。

なお、画面に表示されている「Create bond」は、複数のネットワークカードを束ねて高速化・冗長化する高度な機能(NICチーミング)です。今回のVMではカードが1つしかないため、この設定は不要です。

Step 7: プロキシ設定


ご家庭や小規模なネットワークではプロキシサーバーは不要なため、ここは空欄のまま「Done」を選択して次に進みます。

Step 8: ミラーサーバーの設定


ソフトウェアのアップデートなどをダウンロードするサーバーです。インストーラーがあなたの現在地から最も高速な日本のサーバー(jp.archive.ubuntu.com)を自動で選択してくれますので、既定値のまま「Done」で進みましょう。

Step 9: ストレージ設定


ディスクの使用方法を決めます。各項目の意味は以下の通りです。

  • (X) Use an entire disk(ディスク全体を使用):
    推奨の選択肢です。Proxmox VEで割り当てた仮想ディスクのすべてを、Ubuntu Serverが自動で最適な形に分割して利用します。
  • [X] Set up this disk as an LVM group:
    LVMは、ディスク領域を柔軟に管理するための仕組みです。後からパーティションサイズを変更しやすくなるため、既定で有効のままにしておくのが現代的な構成です。
  • [ ] Encrypt the LVM group with LUKS:
    ディスク全体を暗号化するセキュリティ機能です。学習用途では無効のままで問題ありません。
  • ( ) Custom storage layout:
    パーティションを手動で細かく設定したい上級者向けの選択肢です。

Step 10: ストレージ設定の最終確認


最終確認画面が表示されたら、「Done」を選択し、次の画面で**「Continue」**を選択してディスクへの書き込みを確定させます。


2. ユーザー設定とインストール完了

最後に、ログインユーザーを作成し、インストールを完了させます。

Step 11: ユーザーアカウントの作成


サーバーにログインするためのユーザー名パスワードを設定します。ここで作成するユーザーは、sudoコマンドで管理者権限を行使できる、実質的な管理者アカウントになります。

Step 12: Ubuntu Proへのアップグレード


Ubuntu Proは企業向けの有償サービスです。今回は不要なため、一番下の「Skip for now」を選択し、「Continue」を押して次に進みます。

Step 13: SSHサーバーのインストール


リモートでサーバーを管理するために、SSHサーバーをインストールします。

  • [X] Install OpenSSH server:
    必ずチェックを入れてください。 これが、ご自身のPCからサーバーに遠隔でログインするためのソフトウェアです。
  • [X] Allow password authentication over SSH:
    SSH接続時にパスワードでログインすることを許可する設定です。まずは有効のままにしておきます。
  • Import SSH key:
    上級者向けの機能です。今回は使用しないため、無視して問題ありません

Step 14: 追加ソフトウェアの選択


Dockerなどのサーバーアプリケーションを「ついでに」インストールできますが、まずはOSだけのクリーンな状態から始めるのがおすすめです。何も選択せずに「Done」で進みましょう。

Step 15: インストール完了と最終確認


インストールが完了すると、画面下部に「Reboot Now」というボタンが表示されます。それを選択してシステムを再起動してください。

再起動後、コンソールにログインプロンプトが表示されます。

ここで、Step 11で作成したユーザー名とパスワードを入力して、正常にログインできることを確認してください。
ログインに成功し、コマンドを入力できる状態になれば、OSのインストールは完全に完了です。


まとめ

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