【Simulator】iOS Simulator で音声付きの動画を撮る
初めに
iOS, visionOS の開発する中で、アプリ内の音声も同時に動画として収めたいと考えました。実際にやってみると少し戸惑う部分もあったので、メモ書き程度に残しておきたいと思います。
前提
実行環境
- MacBook Pro Apple M3 (macOS 15.1)
- Xcode Version 16.0 beta
- Simulator Version 16.0
課題
- Simulator で音声付きの動画を撮ろうとしても、デフォルトの設定では音声が含まれない動画になってしまう
今回は visionOS の Simulator で試しましたが、他の記事などをみても Simulator 全般に当てはまる問題かと思います。
実現したいこと
- visionOS の Simulator でアプリケーション内の音声を含む動画を撮ること
解決方法
以下の3ステップで解決しました。
- BackgroundMusic のインストール
- QuickTime Player の設定変更
- Simulator の設定変更
1. BackgroundMusic のインストール
まずは「BackgroundMusic」というアプリケーションをインストールします。
BackgroundMusic はMacの音声出力の管理などを行うアプリケーションです。
BackgroundMusicのGitHubを開いて下にスクロールしていくと「Download」という項目があるかと思います。
そこに記載してある pkg ファイルの部分をタップするか、ターミナルで以下のコマンドを実行することで Homebrew からインストールができます。
brew install --cask background-music
インストールが完了したら必要なセットアップを済ませます。
この時、ダイアログで BackgroundMusic が音声等にアクセスできるように権限を要求されるかと思いますが、これを許可しておきます。
これで BackgroundMusic の設定は完了です。
2. QuickTime Player の設定変更
次に Mac に標準でインストールされている QuickTime Player の設定を行います。
以下のどちらかの方法で QuickTime Player の収録バーを開きます。
- アプリケーションから「QuickTime Player」選択 → 「ファイル」から「新規画面収録」を選択
- 「command + shift + 5」 を押す
収録バーは以下のような見た目になっています。
そして開いた QuickTime Player の収録バーには「オプション」という項目があるかと思います。
このオプションの項目で「マイク」から「BackgroundMusic」に変更します。
以下のような設定になっているかと思います。
これで、画面録画を行う際のマイクが BackgroundMusic に変更されました。
「QuickTime Player」の設定変更はこれで完了です。
3. Simulator の設定変更
最後に Simulator の設定変更を行なっていきます。
筆者はこの設定をしておらず時間をとってしまいました。アプリを実行している Simulator の画面を開いて、 I/O > Audio Output の項目を開き、「Background Music」を選択します。
visionOS の場合、具体的には以下のような画面になります。
これで、 Simulator で実行されるアプリケーションの音声の出力先が BackgroundMusic に切り替わります。
最後に QuickTime Player から「新規画面収録」を行うか、「command + shift + 5」から「収録」を押すことで音声を含む動画が撮れるかと思います。
なお、上記の設定で動画を収録する際にはデバイス上で音声が再生されませんが、収録し終わった動画を再生すると音声が含まれていることがわかるかと思います。
動画を撮り終えたら、次に使用する時に混乱しないよう Simulator の 「Audio Output」の項目はデフォルトのものに戻しておきましょう。
以上です。
参考
Discussion