コロナ時代の大規模カンファレンスでオンライン登壇した体験が素晴らしかった話
先日 2 年前 ( 2020 年 9 月 21 日) iOSDC Japan 2020 のレギュラートーク( 40 分枠)でオンライン登壇しました。
iOSDC は iOS アプリ開発者のためのカンファレンスです。 try! Swift と並んで、日本で開催されている iOS / Swift 関連のカンファレンスで最大規模のもので、毎年 1000 人程度が参加しています。
( iOSDC Japan, CC BY 4.0, https://blog.iosdc.jp/2019/09/18/photos/, 2019 )
今年 2020 年の iOSDC は新型コロナの影響でオンライン開催されました。 僕は iOSDC では 2017 年以来毎年レギュラートークをしていますが、カンファレンスのオンライン登壇はこれが初めてでした。
オンライン登壇自体は、新型コロナが流行し始めた 3 月に自分でオンライン勉強会を主催するなどしていたので経験済みでしたが、カンファレンスは参加者数が桁違いですし、 今回は事前収録ということでそれも初めてでした。
実際に iOSDC でのオンライン登壇を終えて、非常に素晴らしい体験だったので紹介したいと思います。
オンラインカンファレンスって体験としてどうなの?
僕は、カンファレンスに参加する最大の価値は、たくさんの人と同じ時間を共有し、お祭りとして楽しむことだと考えています。 トークセッションを聞くだけなら後からでも可能です( iOSDC のトークセッションは後日 YouTube で公開されます)。
ですので、 iOSDC がオンラインになると聞いたとき、どこまでその価値を実現できるのか心配でした。トークに応募するかも迷っていて、結局、締切当日の朝ギリギリに 1 本だけ応募しました(そのため、推敲が足らずにぐだぐだなタイトルになってしまいました)。
しかし、結論から言うと iOSDC Japan 2020 への参加は非常に素晴らしい体験でした。オンラインでここまでの体験を作り上げたスタッフの方々には脱帽です。
ライブと収録のバランス
僕が一番上手いなと思ったのは、レギュラートークは事前収録だけれども、 オープニングやクロージング、 LT がライブ配信 だったことです。
事前収録を配信する仕組みを作り上げたのであれば、すべて事前収録するという選択肢もあったはずです。しかし、一日の始まりと終わりがライブで行われることで、参加者は自分が今参加しているのがライブイベントであると体感的に認識することができます。実行委員長の長谷川さんがグリーンバックで切り取られて、スライド上に現れるという演出もライブ感を醸成するのに効果的だったと思います。
また、 LT 大会もライブ配信で行われました。僕は LT 大会こそ iOSDC のメインイベントだと思っています。 iOSDC の LT は 5 分で銅鑼が鳴って強制打ち切りというルールで、独特の緊張感の中、矢継ぎ早にトークが行われます。また、様々なネタが仕込まれていてトークのクオリティが高く、レギュラートークよりトラック数が少ないためたくさんの人が集まり非常に盛り上がります。 LT ではお酒が解禁されることも一因かもしれません。
iOSDC の LT 大会の雰囲気はライブでないと難しく、 LT をライブにしたという選択はカンファレンスの成功に大きく貢献したと思います。今年も銅鑼は健在で、大変大きく鳴り響きました。
ニコ生で配信
もう一つ、 iOSDC Japan 2020 を成功に導いたのが、配信にニコ生を利用したことだと思います。
トーク自体は事前収録されていたのですが、ニコ生だと参加者のレスポンスがリアルタイムで得られるわけです。そうすると、お互い姿は見えないけれど発表者がそこにいてみんなでトークを聞いているような錯覚に陥ります。
むしろ、オフライン発表のときよりもレスポンスが可視化されていておもしろかったです。これまでも Twitter 等は活用されていましたが、視線を移さなくてもスライドを見ながら目に入るという点や、レスポンスのリアルタイム性もまったく異なるので、ニコ生の果たした役割は大きかったと思います。
参加者同士の交流
参加者同士の交流には Discord のボイスチャットが利用されていました。こちらは、やはりオフラインには及ばないものの、雑談チャンネルなんかはそれなりに機能していたと思います。オフラインでは、強い人たちが高みで議論しているところに入りづらかったところに、誰でも気軽に(ミュートにして)入っていくことができるのはオンラインならではの利点だったかもしれません。
しかし、懇親会もないですし、行われた交流の絶対量はオフラインと比べるとずっと小規模だったでしょう。その点には課題を残したと思います。ただ、僕が主催しているオンラインイベントでも参加者同士の交流は難しく、むしろここまで実現できただけでもすごいなと思います。
自宅からの参加
地方在住の身としては、わざわざ東京まで出て行かなくても自宅から参加できるというのはとても快適でした。トークセッションをソファでくつろぎながら聴けるという体験は、オフラインにはない良さでした。
オンライン開催は参加のハードルを下げたようで、今年は過去最大の参加者数を記録したようです。来年以降オフライン開催に戻っても、東京まで出るのが大変な人のためにオンライン中継も行われると良いなぁと思います(クロージングでもそのような話をしていたような気が)。
小まとめ
このように、 iOSDC のオンライン参加は、オンラインとは思えないほど素晴らしい体験でした。実際にカンファレンスの場を訪れたわけではないのに、たしかに iOSDC に参加したのだという実感が得られました。
登壇者として感じたこと
発表準備 & 収録
本番までの期間
発表中
オンライン開催の限界
- オフラインのコンテクストがあってこそ
- これを何年も続けて熱量を維持するのは難しそう
( iOSDC Japan, CC BY 4.0, https://blog.iosdc.jp/2019/09/18/photos/, 2019 )
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