MacBook 研究室環境2024
KOGIくんの研究室の標準環境(2024年度版)です。
新人さんは、まずは標準環境にあわせて設定してみてください。
新しくMacを起動したら
- ユーザ名は、英字と数字でつける(日本語や空白は使わない)
- パスワードは絶対に忘れない
- キーボードやトラックパッドに慣れる
- ターミナルを使えるようにする
brew
を最初に設定し、できる限り brew でインストールする
注意: MacBook はいつでもクリーンインストール(つまり、購入時の初期状態に戻してインストールし直すこと)ができます。なんか設定がおかしくなったという場合は、必要なファイルをバックアップし、クリーンインストールした方が早いことがあります。
Mac に慣れる
まず、システム設定をしながら、Mac に慣れていきましょう。
- 「このMacについて」を開いて、macOS のバージョンを調べる
- 「システム環境設定..」を開いてみる
macOSのバージョン
macOSのバージョンは、4月の時点で最新版を使うようにしてください。
注意: 2024年4月の最新版は macOS Sonoma 14.x です。
古いmacOSが入っている場合は、最初にソフトウェアアップデートでmacOSを更新してください。学期の途中、卒論執筆前にアップデートするのはお勧めしません。
システム環境設定
システム環境設定は、macOSのシステム設定を行います。
ここでは、次の通り、設定してみましょう。
- 「トラックパッド」 (MacBook がはじめての人は)使い方を学ぶ
-
「キーボード」 を設定する (
¥
記号の代わりに\
が表示されるようにする) - 「情報」 のコンピュータ名を変更する
- 「プリンタとスキャナ」(研究室の学生は先輩に聞いて)ネットワークプリンタの設定をしておく
コンピュータ名
コンピュータ名は「短くて愛着のわく名前」にしましょう。常に、ターミナルに毎回、表示されるようになるので、早く変更しましょう。
ターミナル(Terminal)を準備する
ターミナル (terminal) とは、Mac に標準で付属している UNIX系端末エミュレータです。UNIX コマンドを用いて、macOSの細かい操作や設定ができるようになります。
Dockから起動します。
Dock の[Launchpad] -> [その他]から[ターミナル(Terminal)]を起動します。
ターミナルが開くと、次のような画面が開きます。
ちゃんと、先ほど設定したコンピュータ名に変更されていることも確認しておいてください。
Dock にターミナルアプリを登録しておくといいでしょう。
- ターミナル (Terminal) はよく使うので Dock に登録しておきます
- 代わりにあまり使わないアプリは、Dock から消しておきます。
Homebrew(brew): パッケージ管理
Homebrew は、必要なコマンドやアプリケーションを依存関係を解決しながらインストールするための便利ツールです。
Command Line Tools がうまくインストールされないときは
事前準備(忘れないでください)
Apple 社が提供している開発者向けのコマンド(Command Line Tools) を一式インストールしておきます。
ターミナルから、 次のように入力して [Enter] キーを押してください。
$ xcode-select --install
すると、Comand Line Tools をインストールする画面が立ち上がります。
ここで、[インストール] を選択しておしてください。(XCodeはインストールする必要ありません。)
あとは、Apple 社から自動的にダウンロードして、開発者向けのコマンドが一式インストールされます。ここで、C/C++ コンパイラや git コマンドなど、重要なコマンドが全てインストールされます。
(注意)Xcode-select からインストールできない場合
時々、Apple 側の配信ミスで、xcode-select
からComand Line Tools がインストールできない場合があります。
xcode このソフトウェアは、現在ソフトウェア・アップデート・サーバから入手できないため、インストールできません。
少し面倒ですが、Apple公式サイトからも取得してインストールします。
-
More Downloads for Apple Developersで
Command Line Tools
と検索 - 自分の環境のOSとXcodeのバージョンの組み合わせに一致するものを選択してダウンロード後にインストール。
brew のインストール
Command Line Tools のインストールが完了したら、 brewをインストールします。
次のコマンドをターミナルにコピペします。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
最後に、Next step と出てくるので、次のようなコマンドをターミナル上で打ち込みましょう。
echo 'eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"' >> ~/.zprofile
eval "$(/opt/homebrew/bin/brew shellenv)"
brew の使い方
Homebrew は、次のように brew
コマンドでインストールしたいコマンド名を指定すると、必要なソフトウェアやライブラリの依存関係を調べて、最新版をインストールしてくれます。
まずは、練習として wget
コマンドをインストールしてみましょう。
% brew install wget
これでwget
コマンドが使えるようになりました。
今後、何かをインストールしたいときは、brew install (コマンド名)
のように入力すれば、インストールできます。
また、brew list
と打てば、brew でインストールされたコマンドを確認できます。どんなコマンドを入れるといいかは、先輩などのMacBookを参考にさせてもらうとよいでしょう。
$ brew list
boost gettext libpng openjpeg python@2
cairo ghostscript libtiff openssl readline
ccache glib libtool openssl@1.1 solidity
cmake go little-cms2 pcre sqlite
docker graphviz llvm pixman swig
ethereum gts maven pngquant tree
fontconfig icu4c minimal-racket poppler unzip
freetype jasper netpbm pypy webp
gd jpeg node pypy3 xz
gdbm libffi nodebrew python z3
注意: 必要なときにインストールすればいいので、闇雲にやたらにインストールする必要はありません。
Caskと最初に入れておくと良いもの
Homebrew は、もともとコマンド型のツールをインストールするコマンドでしたが、cask オプションを追加すると、アプリケーションもインストール可能になります。
早速、授業と研究室の Slack を追加しましょう。
% brew install --cask slack
Zoom もインストールしてなければ、インストールしておきましょう。
% brew install --cask zoomus
Office 365 もインストールしておきます。(ちょっとダウンロード時間がかかります。)大学のOffice365ライセンスでアクティベートできます。
% brew install --cask microsoft-office
Google 系のサイトと相性がよいので、Chrome もどうぞ
% brew install --cask google-chrome
最後に、英語のドキュメントをばりばり読まなければ、情報系のエンジニアリングタスクは進みません。機械翻訳ツールのDeepLは必須です。
% brew install --cask deepl
プログラミング環境
エディタ
倉光研究室の標準エディタは、Visual Studio Code です。
% brew install --cask visual-studio-code
brew で、Visual Studio Codeをインストールすると、
ターミナル上では code
コマンドで使えるようになります。
$ code (フォルダ名)
Latex文章作成環境
研究室では、論文はLatex
で書きます。
インストール
brew コマンドでインストールできますが、インストールするのに時間がかかるので注意しましょう。
% brew install --cask mactex-no-gui
MacTeX のベースとなっている TeX Live のリポジトリをアップデートします。
% eval "$(/usr/libexec/path_helper)"
% sudo tlmgr update --self --all
TexStudio
Texファイルの編集は、Visual Stdio Code派とTexShop派、TexStudio派に分かれます。TexStudioが初心者に優しい気がします。
% brew install --cask texstudio
% mkdir Tex
% cd Tex
% touch myfirst.tex #空のファイルを作る
% open myfirst.tex #texファイルをTexStudioで開く
<img width="774" alt="スクリーンショット 2020-04-23 20.41.22.png" src="https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/57754/2ea98b04-73ac-0a33-d313-615871ac736c.png">
TexStudioのmyfirst.texの編集画面に、以下のサンプルを貼り付ける
% テンプレート(スタイル)を指定する
\documentclass{jsarticle}
\title{タイトル}
\author{倉光}
\begin{document}
\maketitle
\section{はじめに}
この文書は,ごく基本的なレポートや論文の例を示すものです。
実際にこのソースを入力してタイプセット(コンパイル)し,
タイトル,著者名,本文,見出し,箇条書きがどのように表示されるかを
確認してみましょう。
\section{はじめに}
箇条書きの例です。
\begin{itemize}
\item ちゃお
\item りぼん
\item なかよし
\end{itemize}
数式の例です。
\[
f(x) = x^2 - 1
\]
\section{おわりに}
このソースをいろいろと変更して慣れましょう。
\end{document}
TexStudio 日本語設定
最初に日本語Latexをタイプセットできるように設定する必要があります。
画面左上のTexStudioの設定を開いて、latex
をplatex
に変更します。
<img width="880" alt="スクリーンショット 2020-04-23 20.40.34.png" src="https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/57754/c882bade-db0d-1462-d843-4ea2cb42d7e8.png">
<img width="818" alt="スクリーンショット 2020-04-23 20.40.53.png" src="https://qiita-image-store.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/0/57754/c9606a63-a413-4d7c-90d6-cb46ffe99a28.png">
これらの設定ができたら、▶︎▶︎ボタンを押せば、タイプセットされてPDFが出力されます。
うまくいかない時は、先輩の設定を見せてもらって参考にしてください。
MacBookを使っていて、トラブルに合わないために
最後に、Macを安全に使うためのの注意です。
- OneDrive, Github などに、バックアップアップをとりましょう
- セキュリティ・アップデートをしっかり実施してください。
- OSのバージョンアップはなぜか10月〜12月頃が多いのですが、色々トラブルの原因になります。
- 卒論などを書いている時期は控える
どうしようも挙動がおかしくなったら、クリーンインストールという手段があります
- 見極める
- 必要なファイルをバックアップする
- Command+R (危険なので、詳しくは調べてください)
- HDDを初期化
- ネットワークからOSをインストール
Macは、これでいつでも購入時の状態に戻ります。
brew
で環境構築するようにしておけば、半日程度で仕事に復帰できます。
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