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シッカソン Team4の成果物

2023/12/19に公開

2023年11月から12月にかけて長野県長和町で行われたシッカソンのTeam4で開発された成果物をまとめます。
技術的な情報は以下にて公開していますので合わせて参照ください。
https://zenn.dev/kobayutapon/articles/400f9d7220eccf

作ったもの

なぜ作ったのか

事前のワークショップでお話を伺っている際に、かなり日常的に面倒な作業が多く、少しでも改善出来たら助けになるかと思い作りました。ついでに新しい産業的なものが作れたら良いなと。
今回はLINEbotを使う、という制限があったため、それを中心にしたものを考えました。

作ったもの

害獣を見つけたら通報・通知するシステムと、狩猟の際の日常の作業を簡略化するシステムの2つを作成しました。

通報システム

LINEbotを使って通知するシステムです。チャンネルに登録するとリッチメニューが表示されます。
メニューをタップすると、何を見つけたのか、どこで見つけたのかをLINE Messaging APIのQuickReplyを使い、定型でデータ入力を行えます。ユーザーも文字を入力することなく、簡単な操作で通報できます。

画面のイメージです。

通知された情報はクラウド上のデータベースに記録されます。
熊など危険な害獣が報告された場合、別のレポートラインにあげられ、必要に応じて注意のアナウンスを行います。(今回は未実装)

取得された位置情報は、以下のようにアプリで地図と合わせて閲覧可能です。
これを用いると、どこに何が出たのか、が一目で確認できます。

害獣とは追い払いたいものですが、野生の鹿が見られるのは観光資源として有効ではないかと考えました。特に、アマチュアの写真家さんたちには長和町の美しい自然と合わせて絶好の被写体になるのではないかと考え、これを用いた撮影ツアーやネイチャーツアーなどに発展できると良いと考えます。

ワークフロー改善システム

ワークショップでお話を伺ったときに、害獣駆除の手順や見回り、申請のための写真などが結構大変だなと思いました。これは猟師さんだけではなく、その申請を処理する役所の方も大変だなと思い、それらを手助けするためのシステムを考えました。

画面イメージはこのようなものです。

リッチメニューに日々の作業を踏まえ、6つの機能を備えました。

  1. 罠の設置登録
     どこに罠を設置したのかわからなくなったりするので、このメニューから登録します。
    設置場所をGPSの位置情報を使って登録し、併せて設置するときに近くに掲示が必要な標識を撮影します。この画像はGoogle Cloud Vision APIを用いてOCRによるテキスト抽出を行い、罠の番号や従事者情報などを自動で記録します。

  2. 罠の確認
    罠を仕掛けたら毎日見回りが必要になります。その作業手順を仕組化したものです。
    メニューを選んだら、まず自分の位置をLINEbotに教えます。緯度・経度と、罠の設置時に登録した緯度・経度を比較し、自動でどの罠なのかを判断します。そのあと、罠にかかっているかいないか、かかっていた場合何がかかっていたかを選択します。
    ここで熊がかかっていた場合は自動でしかるべき連絡先に通知が飛ぶようになっています。(未実装:連絡先がないので。。)
    ほかの獲物がかかっていた場合は害獣駆除申請に必要な写真を撮影し、登録します。この時、画像解析を行い、一緒に撮影しなければいけない標識の映像が不明瞭な場合は再度撮影を促します。(OCRでテキストが解析できなかった場合は人間にも読めないでしょ、という理由です)
    最終的には機械学習でとれた獲物の種類まで判別できるようになると楽しいかと。
    撮影された画像は自動でクラウドストレージに保存されます。

  3. 加工所に連絡
     ジビエは罠にかかってから加工するまでの時間が命、ということで加工所に連絡してすぐに対応できるようにするものです。(詳細機能は未実装)

  4. 熊出た
     熊に襲われたり見かけたりした場合に役所に通報するシステムです。場所を登録して通知します。

  5. 申請書
     このシステムで登録したデータをもとに申請書類を作成します。登録されたデータをもとに申請書のフォーマットでPDFを作成し、クラウドにデータを保存します。さらにそのPDFをプリンタで印刷まで行います。役場の方は印刷されたら確認して署名するだけでOK。官公庁のDX推進にも一役買えます。

罠の見回り簡略化

罠は獣道など歩きにくい場所に設置されることが多々あり、見回るだけでも大変とのことで、遠隔で監視できるIoT機器を2種類考案しました。

LPWAによる遠隔監視

罠にLPWA子機を設置し、親機のゲートウェイで罠の状態をクラウドに通知しLINEbotに通知するシステムです。家にいながら監視が可能ですが、以下の課題があります。
・電池の持ち
・天気が悪いと通信不良になりやすい
・値段が高い(今回用いたものは合計1万円くらい)

LINEbeaconを用いた罠検知

お話を伺ったところ、罠から少し離れたところでわかるだけでも楽になる、ということでLINEbeaconを用いた仕組みを考えました。罠の検出状態をLINEbeaconのメッセージに乗せてスマフォに通知する仕組みです。これであればかなり安く作れるはずなのですが。。。
試しにM5Stackで作ってみたのですがLINEBeaconの挙動が安定せず、うまく実装できませんでした。

悔しいので別の案

ちょっと悔しいので別の案を考えました。BLEのAdvertise Packetに罠情報を載せてAdvertisingを行い、M5Stackで作った専用端末で確認→検出したら音で通知を行えば足場の悪いところで手も使わずに確認できるので良いかなと。
これであればプロトタイプでも安く作れそうで、小学校や中学校のIT教育の教材としても使えるのではないかと考えています。
お子さんやお孫さんが作ったもので罠の見回りができるなんて、最高じゃないですか?
問題はBluetoothという名前を使うとお金が無茶苦茶かかること。。。

まとめ

シッカソンで日々のお仕事を簡単にするシステムを考えました。
初日にいただいたジビエ料理が最高でして。またやるなら参加したいと思ってます。

会場がとても寒いのでヒートテック必須でした。。。

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