本屋さんを開催する技術(RubyKaigi 2025)
まず、大事なこと。
お心当たりがありましたらご連絡ください!!
技術イベントにおいて趣味で本屋をやっているささだです。
さて、レポート3回目です(過去の記録はこちらから → @. bookstore | @. bookstore site)。
RubyKaigi 2025 で出店させていただきました。最初に今回の結果とあわせて3回の変遷を書いておきます。
技術イベント | 日数 | 参加者数 | 仕入れた点数 | 仕入れた冊数 | 売れた冊数 |
---|---|---|---|---|---|
Kaigi on Rails 2024 | 2日 | 600人くらい? | 16点 | 65冊 | 65冊(完売) |
東京Ruby会議12 | 1日 | 300人くらい? | 40点 | 99冊 | 66冊 |
RubyKaigi 2025 | 3日 | 1500人くらい? | 99点 | 498冊 | 494冊 |
ちょっと常軌を逸したジャンプがありますね。そんな感じでだいぶ規模が大きくなって、準備も大変でした。
前提
まず、いくつか前提を明記しておきます。
- 技術イベントで本屋をするのは、「そのイベントがより盛り上がってほしいから」であって、営利目的ではありません(see 本屋さんを開催する技術 / 動機 )。いや、お金は好きなので、増える分にはやぶさかではありません。
- 金銭的リスクはささだが負います。なので、赤にはしたくない。
- ささだは RubyKaigi で登壇します(2回しました)。また、いくつか仕事がありました(そもそも勤務先の STORES の出張できている)。そのため、本屋店員をするのは難しそうでした。
準備
企画の提出
「本屋をやりたいんですがいいですか?」と運営に企画書を提出しました。
提出した企画書
RubyKaigi 2025 本屋企画の提案
本屋を趣味でやっているささだです。
RubyKaigi 2025 を盛り上げるために、本屋さんを出店させていただけませんか、という企画のご相談です。
動機:
RubyKaigi では以前も本屋さんをやっていたと思いますが、技術関連イベントで書籍が並んでいると、下記の点でイベント側にメリットがあると思っています。
- 参加者の関連書籍があると、サイン会などが開くことができる
- もしくはサインを求める、というアクションで参加者自体の交流を
盛り上げることができる - 書籍を前に、参加者同士で書籍をネタとした交流を盛り上げることができる
- 友達同士
- 技術者の先輩後輩
- スポンサーで応援にきた技術者以外の方と技術者の方との交流
- 手持無沙汰になった参加者も、書籍を眺めていると楽しい
私のメリットは、気分転換と類似イベントでもっと本屋みたいな企画増えないかな、という祈りになります。
実績:
2 つのイベントで出店しまして、仕入れ、設営、販売および撤収の経験はいくらか積むことができております。詳細は次の通りです。
1回目: https://zenn.dev/ko1/articles/bf47077f40d793
2回目: https://zenn.dev/ko1/articles/abd2346d4ce004
提案:
次のような形での本屋を提案します。基本的には場所をお貸しいただき、我々は本を陳列して RubyKaigi 2025 で参加者同士が交流するコンテンツの一つとしてご提供させていただければと思っています。
- 選書
- RubyKaigi 運営からのレギュレーションを順守する
- 識者に推薦を募る(こちらから依頼する)
- 広く意見を募る
- 仕入れ
- 出版社に伺う(ベストエフォート)
- 8社との取引実績があるので、ある程度は集まると予想
- 取次業者に依頼する
- 基本的に、2冊程度の少ない冊数とすることで、種類を豊富に仕入れ、また在庫リスクを減らす
- サイン会など、出版社とともに企画したものについて、冊数を厚くする
- 出版社に伺う(ベストエフォート)
- 荷物(会場へ送付するもの)
- 展示用物品
- 各出版社からの書籍(取引先+α)
- 設営
- 面積的に可能なら、横長に配置をしたい
- 可能なら長辺をつなげた長机を横に2つ、つまり長机4つ分程度
- これまでの実績で、長机2つを、長辺をつなげて開催していたが、のんびり眺めたり、三々五々コミュニケーションとってもらうには面積として厳しいことがわかっているため(店員との会話が主になってしまう)
- 2回目の開催で40点をギュウギュウに詰めて長机 x 2 なので、種類を増やすにはもう少し欲しい
- サイン会をやるなら、それ用の机が別途欲しい
- 面積的に可能なら、横長に配置をしたい
- 人員計画
- ささだは多分会期中忙しいので、店員さんを募る
- 基本的には休憩時間以外は閉じる
- 販売 / 金銭管理
- 完全キャッシュレスで行う
- これまで2回のアンケートでは現金を求める意見無
- STORES のサービスを利用
- 2度の開催実績で利用に不安はない(店員の習熟も容易)
- 補足:とくに STORES 社からのサポートはなし(通常顧客)
- バックアップに Square のサービスを利用予定
- STORES の決済端末故障時のバックアップ
- 決済端末5,000円弱を調達
- その他会場企画
- サイン会希望者を募る
- 出版社からの企画を募る
- 同人誌委託販売をうける(販売手数料 5%)
- 推しの本に自由にポップを書いてもらう
- 撤収
- 返本分は事前に確認の上、会場から発送
- 返本できない分はささだ自宅へ会場から発送
- 利益の分配
- 赤字となった場合、ささだが拠出
- 利益が出た場合、手伝ってくれた方とささだで分配
- もし、営利活動が不可である場合、何らかの組織へ寄付
- まとめ記事の執筆
思いついた企画をてきとうにくっつけていますが、そんなに外してはいなかったですね。配送サービスの提供はできなかったな。
運営側からいいですよ、って結構軽く来た気がします。私と知己であること、過去の実績があること、などからご判断いただいたんでしょうか。ありがたいことです。
スタッフ
規模が大きくなるということで、スタッフ募集を真面目にやりました。というか、私はRubyKaigi で本屋以外でもやらないといけないことがあったので(発表もあったし)、なるべく本屋に居なくても回る体制を作ろうと思っていました。つまりオーナー。資本主義の階段を上っている!
今回は SmartHR の @inao さんにご助力いただけるとお声掛けいただきましたので、今回の本屋企画を最初から進めさせて頂きました(サイン会の仕切りなどすべてお任せしました)。その後、(1) 企画から手伝ってくれる人、(2) 店舗スタッフを募集しました。
事前準備として、クリエイティブに @16bit_idol さんにご協力いただきました(冒頭のかっこいいロゴとか、ポップとか色々)。それから、鳥井さんにも事前準備で手伝っていただきました(投稿者募集企画)。
店舗スタッフには、@inao さん、@16bit_idol さんに加え、島田さん、えりりんさん、堀邦明さん、山下隼人さん、染谷一輝さんにご応募いただき、店舗を回してもらいました。また、翔泳社大嶋さんにもお手伝いいただきました。それから、冒頭のランチ休憩で今泉さん、時々須藤さんにも立ってもらっておりました。
スプレッドシートに時間割を書いて、シフトを確認していただきました。
そういえば、前回使えなかったバッジを無事スタッフの皆様にお渡しすることができました。嬉しいかどうかは不明。
選書と仕入れ
まず、何を仕入れるべきか募集しました。
- 選書スプレッドシートを作る
- 関係者のみ読み書き可能
- 本屋関係者
- RubyKaigi 関係者(運営、スピーカー)
- お声掛けした人
- スピーカーへメールさせてもらう
- 関係者のみ読み書き可能
- 募集フォームを作る
- どなたからでも提案を受け取る
スプレッドシートを世界中に大公開するのを躊躇して、別途フォームを作ったんですが、面倒だったんで大公開してもよかったですね...。あんまり情報の格差を作るのが嫌いなので、できるだけオープンでやっていきたい。結局、募集フォームからは数件だけでした。もうちょっと、「この本を人に勧めたい」という欲求を聞けるかと思ったのですが。
これらの募集の結果として、https://docs.google.com/spreadsheets/d/1pUsDYE3Y3TWeY3VPmASOYZS1w-W0vcjOx9Bfebh3Xcg/edit?usp=sharing にある書籍を仕入れることになりました。他にもご提案いただいた本があったのですが、在庫がなかったり、お取引をさせていただけなかったりといった理由で仕入れることができませんでした。例えば、「たのしいRuby」がもう在庫がないというのにはびっくりしました。
勤務先の STORES 社内にキーノートスピーカーを含むスピーカーが結構いたので、(無理やり)ヒアリングをしたりしました。文字コード関係の本があるのはそれが理由です(売れるか怖くて少ない冊数しか仕入れなかったのですが、すぐ売れちゃったみたいですね。さすがはキーノートスピーカー)。
ご提案頂いた本(私が推薦した本も結構あります)をもって出版社の皆様に仕入れの可否について伺い、また「ほかにも良さそうな本ありますか?」と伺って、良さそうなら私の判断で入れました。たとえば秀和システム様より「図説 鉱物の博物学[第2版]」をご提案頂きました。Ruby つながりということですが、まったく思いつかないものでした。売れる気はしなかったので1冊だけの仕入れたのですが、意外とすぐに売れちゃいましたね...。まじか。
また、ラムダノート様より「型システムのしくみ」、翔泳社様より「伝わるコードレビュー 開発チームの生産性を高める「上手な伝え方」の教科書」を発売前に売っても良い、ということでそれぞれ40冊、100冊という凄い数を仕入れてサイン会をすることになりました。まじかよ。
結果、90点 395冊という規模になりました。すごい。
(まぁしかし、私が選んだ本が多くて、やっぱり知り合いの本とか私が興味ある本が解像度高くて多いんですよねぇ)
今回の掛け率は 80%~90%。返本の可否も送料も様々って感じでした(契約の詳細は表に出さないように言われているので出しません)。
仕入れ値全部で ¥991,366 なり。これが一冊も売れずに火事になったりすると0です。ちょっと個人の趣味でやる範囲を超えてる気がしますね(でも、趣味によっては100万くらい一瞬で使うんだろうか)。こういうのは何か保険に入っておくと良かったりするんですかね。
返本不可の本の仕入れはどうしても在庫リスクがいやなので弱気の冊数です。Matz の名前を冠したあの本が3冊しかなかったとか、そういう理由でした。でも、全部 Amazon で買えるので許して。
今回から増えた出版社様もいらっしゃいまして、一見さんにも関わらず仕入れをさせていただきまして感謝しかありません。
同人誌委託
新しい試みとして、同人誌委託を試みました。手数料5%を頂き、「お持ち込みいただき」、「売れ残ったものは会期中に引き取っていただく」という条件で募集をしました。
5% というのは、決済手数料 3.3% くらいを引いて赤にならない、といった基準で決めました。儲けは1%ちょっと。私は一切損しないから、得もしないでいいかな、と思って手数料を決めたのですが、ただ、例えば、販売中に1冊でも棄損した場合(事故で汚しちゃったり)、すぐ赤が出ますね...。
メロンブックスさん、とらのあなさんは3割くらいなので、まぁ普通にビジネスするならそれくらい要るのかなぁ。と思ってたんですが、BOOTHさんは5.?%+α みたいな手数料みたいで、これ儲けでるのかな...。まぁ、対面販売かどうかってのが違いだったのかもしれません。
次回は10%くらいにしとくかなぁ。
結果として、9点103冊のご依頼をいただきました。全部売れました、凄い。例えば、「60冊入れます!」と言われて「まじですか」という会話があったのですが、それで40冊に減らされていた本が全部売れましたね。すごい。比較的価格が安いし、薄いので買いやすかったかもしれないですね。
広報
今回、いろいろな募集を行ったため、それをまとめる場所が必要になりました。そこで、前から要るかなと思っていたウェブサイトを作りました。Github pages で簡単にできるやつ(でも、レイアウトが面倒でロゴが置けない...)。
他は Twitter(X)でしたが、まぁ今時 Twitter で広報してもなかなか...。どうしたらよかったですかねぇ。
運営の皆様には会場案内に混ぜていただいてありがとうございました。Onsite Information - RubyKaigi 2025
企画
せっかく規模が大きくなるということで、いくつか企画を行いました。
サイン会
著者が会場に居るだろう書籍について、事前に調べてサイン会をお願いしました。
ご協力いただきました皆様、ありがとうございました。
サインをする人、される人、皆さん楽しそうでよかったです。
高橋さんによる「このコンピュータ書がすごい! RubyKaigi出張版」セッション
高橋さんにお願いして2日目のランチタイムに書籍を紹介するセッションを開催していただきました。
出版社の皆様からのメッセージ
仕入れでお世話になった出版社の皆様に、「良かったら RubyKaigi 参加者にメッセージください」っていってポスターを募集しました。
出版社様へお送りした募集メッセージ
出版社からのメッセージの掲示募集文面案
出版社からのメッセージの募集
この度は書籍の仕入れについてお世話になっております。せっかくイベントでの本屋ということで、出版社の皆様からのメッセージを来場者の方にお寄せいただくチラシを掲示させていただくことになりました。もしよろしければご活用ください。
- 本屋スペースの壁際にパネルを置き、そこに掲示させていただきます。
- サイズは A4 1枚を考えていますが、希望される方が少なければ A3 1枚にします(利用可能なパネルの面積との相談になります)。
- 印刷はコンビニ印刷を予定しています(松山で印刷します)。より良い印刷を希望される場合は印刷したものをお送りください。
- データは PDF で ... にアップロードしてください(出版社名がわかるファイル名にしてください)。
- 掲示の場所・順番は我々のほうで決定させていただきます。
データは直前でも大丈夫なのですが、どれくらいのスペースを確保するか見積もるため、掲示をご希望される場合は3月末までにご連絡いただければと思います。
個人的な希望として、「Ruby関連の書籍を増やしたい」というものがあります。出版社の皆様からの思いをお伝えする場を設けることで、著者を目指す方が一歩踏み出せるような企画とすることができればと思っています。
結果として4社の皆様からメッセージを頂きました。忙しいなか、ポスターを作製いただきましてありがとうございました。
著者や執筆に関するアピール
著者や執筆に関するアピールする掲示を募集させていただきました。A4 に印刷した紙を持ってきてください、掲示しますよ、としました。
洋書の展示
RubyKaigi 運営(というか松田さん)から、国際会議なので洋書も並べてほしい、とご依頼を頂きまして、それもそうだと調べたのですが、英語の本を仕入れる先がなくて、本屋として売ることを断念しました。例えば、Amazon で洋書が買えるとは言っても、少なくとも 5% 程度上乗せしなければ決済手数料分だけ赤字になります。5% 上乗せして、ただでさえ高い洋書が売れるか自信がなかったため(売れなかったら私が在庫として抱えることになる)、断念という感じです。翻訳されている出版社様にも伺ったのですが、「無理」ということでした。
そこで、洋書スポンサーを募集することにしました。会期中の展示、もしくは寄付を募った形です。が、全然来なかったですね。直接声かけて、次の御二方から洋書をいただきました。
- Kaigi on Rails 2024 で Keynote をされた @palkan_tula から、"Layered Design for Ruby on Rails Applications: Discover practical design patterns for maintainable web applications" を 4 冊
- Speaker の Jeremy から "Polished Ruby Programming" を数冊
@palkan_tula はゲームを解いた人にプレゼント、という企画をされていました。
Jeremy は「研鑽Ruby」のサイン会に来た人に配ってたっぽい。
ご協力ありがとうございました。
あと、私が私物を見本として展示してました(このために買った)。
- The Garbage Collection Handbook: The Art of Automatic Memory Management
- Software Design for Flexibility: How to Avoid Programming Yourself into a Corner
後者は東京科学大学の増原教授に世間話したときに教えてもらったものです。読まないと。
なかなか集まらなかったですねぇ。どうすればよかったのかなぁ。ある会社さん(というか @inao さん)からは、洋書タイトルがあれば買ってもよい、と伺ったのですが、そこを提示するまでいきませんでした。
読みたい本・書きたい本募集
読みたい本のアイディアを頂くボードを作りました。
また、書きたい本のアイディアを紙に書いてポストに入れられるようにする、ということを企画しました。これは、松山市内を歩いていると見つけられる俳句ポストのオマージュでした(俳都松山俳句ポスト 松山市公式ホームページ PCサイト )。
備品
決済手段
今回も STORES 決済 / レジを利用しました。決済手数料は 3.2% くらい(手数料率・初期費用・決済端末費用 | STORES 決済 の通常料金)。フリープランってのが安いけどどうやって契約するんだろう...。
そういえばレシートに書いていただいたロゴを載せることができました。
ただ、決済端末の故障が怖かったので、Square も契約しました(バックアップ決済端末 / レジ)。約5000円でリーダーを買いました。新規契約だったので 決済手数料 2.5% でいけたようです(Square (スクエア)の決済手数料 |Square公式サイト )。ただ、トラブルで使えるようになったのは2日目からだったり、そもそも利用場面がなかったので一度も利用できませんでした。まぁ、在庫管理がとても大変になるので、一か所にまとめられてよかった。次の機会があれば使いたい。
その他
- 光るブレスレット(200本)
- 懇親会が夜の公園ということで、おまけとして用意してみた。好評かどうかはわからないけど(多分もらった人はポカーンとしてたんじゃないだろうか)、子供には好評でした。
- 1本10円。
- 文房具
- ゼブラ 油性ペン ハイマッキー 8色 MC-8C
- ぺんてる サインペン 5本パック XS520AD5 黒
- 養生テープ フィルムクロス テープ 50mm×25m巻
- キョクトウ 画用紙 ジャンボロールタイプ 10m巻 KE10M
- ボードを飾るために利用
- かなり余ってるので使う機会があるといいな。
- 付箋シート
- プリンタで印刷できるやつ
- 付箋
- ポップ用
- 【A4サイズ】小判抜き 手提げ袋(白) 230x380mm 破れにくいCPP 50ミクロン厚【100枚】
- 手提げ袋だけど、1枚20円。
- 袋はタダじゃないんだよねぇ。
- mita MP-B20 対応 汎用 感熱 ロール紙 (10巻) セイコー インスツル
- レシートの感熱紙
- イガラシプロ 万能POPスタンド スリムポップ君 10本セット ポップスタンド 透明 卓上用 A-09-010
- 軽いポップスタンド
- 1個200円!! ポップをきれいに飾るのもタダじゃない!!
こういう数字見ると、「買い物すると袋貰って当然だわ」みたいな気分が消えます。
結果
というわけで開催しました。
開催の様子
陳列のために5枚のテーブルと、雑務用の1枚のテーブル、洋書など見本本のための1枚のテーブル、それから掲示のためのパネルを3枚お貸しいただき、だいぶ大規模に開店することができました。
私は店舗スタッフは極力やらずにオーナーとしてお任せする、という体制にしました。が、結局本屋の周りをチョロチョロしていた気がします。
皆さんにたくさんポップ(付箋)書いてもらいました。
また、向かいでサイン会を開催させていただきました
キーノート直後のランチに時間に今泉さんに特別店員をやってもらいました。
高橋さんに「このコンピュータ書がすごい! RubyKaigi出張版」セッションを開催していただきました。
見本本の展示や掲示などをさせていただきました。
執筆などに関する掲示もご利用いただきました。
「どんな本を読みたいですか?」企画も結構貼っていただきました。
「書き手募集ポスト」も設置させていただきました。3通いただきましたので、仕入れにご協力いただきました出版社様にお届けします。
3日目に撮った集合写真。
オーナーの強権で子供に店番を体験してもらう、ということをさせてもらいました。面倒みてくれたスタッフ(だったり須藤さん)の皆さん、ありがとうございました。
売り上げ
- 仕入れた点数: 99点
- 商業誌: 90点(同人誌委託以外を便宜的にこうよびます、以下同じ)
- 同人誌: 9点
- 仕入れた冊数: 498冊
- 商業誌: 395冊(うち、4冊売れ残り)
- 同人誌: 103冊(完売)
- 売り上げ合計: ¥1,370,264
- 経費
- 仕入れ: ¥1,124,556
- 決済手数料: ¥43,516
- その他経費: ¥24,386
- 収支: ¥177,806
なかなか凄い売り上げです。最後に私が売れ残った本を数冊買いましたが、それでも、まさかほとんど売り切ってしまうとは。店舗スタッフの皆様のおかげです。売れ残った本も無事返本できる出版社の本で、我が家で抱える在庫がありません。大変喜ばしい。
注目の新刊はそれぞれ早々に売り切れてしまったので、いやぁ仕入れの量は本当に難しいですね。まぁ、素人がわかると思うのがおこがましいかな。
この規模だと、やっぱり決済手数料が大きいですね。
約18万円の利益ですが、ここからお世話になった皆様へ御礼をお送りしたりして、私の手元には10万円くらいでしょうか。3日間、結構なリスクを負ってそれくらい。私の時給を考えちゃったりして、うーん。手元に残ったお金は、次の本屋の装備を買ったり、寄付したりして使い切ろうと思います。
アンケート
今回もアンケートを募りました。お答えいただきましてありがとうございました。
この辺は、アンケートに答えてくださった方というバイアスがあるよね。
だいぶ多かったというか、個人でやるにはこれくらいが限界なんじゃないかなぁと思います。
まだ一度も「現金じゃないと困る」という回答はありません。許された。
- どんな本が読みたいですか?(今回から追加)
- せっかくRubyKaigiなので海外の本も見たかったです。
- 今回セッションと関連がある本が多く並んでるのが良かったです!!!次もそういう本があるとうれしいです
- 発表内容により親近感が持てるような本たち
- 著作権的に問題のない論文やその解説
- 最新の技術書もうれしいですが、今こそ読みたい定番本も併せて何種類かあると、まさに本屋さんという感じでおもしろそうに思います
- フィクションもあると楽しいかも
- 数学ガールとか、ふんわり役に立つかもしれないけど小説。みたいなカテゴリを増やしても面白いのかも(白と黒のとびらが売れてたし)
- 今年の顔ぶれでも十分だと思いました
- kaneko さんの発表にあったオススメの本を買いに行ったので、登壇者のオススメ本が置いてあると嬉しそうです
- ハードウェア関連書籍とハードウェアのセット売りとか良いかもと思いました。ジャストアイデアですが
- この本読むならあの本と一緒に読むといいよ!とか、この本読んだら次はあの本を読むといいよ!というオススメの組み合わせみたいなセット販売
- Rubyコミッター大全とかどうでしょう
- 普段なら絶対に手を付けないけど、コミッターにオススメされたらつい読んでしまいそうなも
- いくらかの参加者の方は持ち込んでいたようだったけど、技術書典(他イベント)に並んでいるような本も委託販売などのかたちであるとうれしいなと思いました(ただ実際のオペレーションを考えると実現難しそうと思っている)。
「どんな本が読みたいですか?」は今回から追加した質問項目です。「発表に関係ある本を置いてほしい」というのは私も同意でして、実際発表者に聞いてるんですよね。足りていないと思われているとすれば、これはもっと取り立てを激しくせよ、ということなんだろうか。
「海外の本」は私も同意なんですが、仕入れがね...(上述)。いい方法知ってる人がいたら教えてください。
- 自由に感想をおよせください(読みやすく整形して投稿順に列挙)
- たのしかったです
- 物理的な制約で買えなかった本もあったので販売された本のデジタルカタログが欲しくなりました
- ささだ注:実は公開していました → RubyKaigi2025/取り扱い書籍一覧 - Google Sheets
- 付箋の一言コメントや高橋さんの紹介セッションと、読書欲を刺激されて本を眺める・選ぶのが楽しかったです。
- 全然知らない本を知れて良かったです。
- 島田さんのファンなので、ブースで会ってお話でき、本を作られている方との距離が近く交流できて嬉しかったです
- 本と一緒にサイン会情報も置いてあるのが良かったです!
- あってよかった、と思いましたがそれ以上に、あるべきだと思いました。何となく気になってるけど手が出ない、ということは、技術者として誰しもあると思います。単に「本を買える」というだけにとどまらず、そういったジャンルに手を出すための強力なきっかけになる場所として、よい仕掛けが盛り沢山でした(各本のキャッチコピーも、高橋さんのオススメイベントも、最後の一冊が売り切れても残しておくことも)。kaigieffectを進める素晴らしい機会だったと思います。
- 今回の経済的なリスクは実はささださんお一人が個人で背負っていらっしゃると聞きました。すごい心意気だと敬意を抱きますが、やはり一人だけで無理して背負うのは好ましくないと思います。当日運営以外の経済的なリスクについて、ささださんお一人が無理することのないような仕組みを整えていだけたら、参加者・Rubyistとして嬉しいです(Kaigi側として一部の負担やヘッジをするとか)。みんなで協力できたら、さらに最高だと思うからです。
- ささだ注:お気遣いありがとうございます。ただ、一人で金銭的リスクを負っているから好き勝手できるということもあって、なかなか難しい。いっそ私抜きでやるとかもアリかもしんないですけどね。
- 同人誌 (技術書典、技書博) を別に野良で開催されたらいいなって思ってます。取り扱い面倒だし著者の大変さも違うので別がよさそげ。
- ささだ注:authors.rb というのがまさにそんな感じでしたが、それらの活動を阻害していないかはちょっと気になっていました。同人誌委託 5% 手数料も、その辺を気にして低く抑えています。完全に独立に同人誌即売会やるのもありなのかなぁ。誰が売るの?
- あと30分くらい営業時間伸びてたら最高でした
- 鳥井さんのサインがもらえてよかった
- 各スポンサーや各参加者がによるおすすめの本を伝えるコーナーがあるとさらに楽しめる要素になるかなって思いました(大変さのことを全く考えないで言ってます)
- ささだ注:ポップは誰でも welcome! って言ってたんですが、それだと足りないってことですかね?(高橋さんのセッションをもっと拡大する? 時間ないんじゃないかなぁ)
- スピーカーのオススメの本が並んでて楽しかったです。一冊買っちゃいました
- ラスト1冊で売約済みの本を見ると手に入らないからこそ?欲しくなる感覚があって面白かったです
- 知らなかった本もたくさんあって、ラインナップを見てるだけでも勉強になりました。今回買えなかった本も探して買いたいです。
- 同人誌の頒布がよかったです
- 本を買うという行為、一定の勢いが必要だと思っているので勢いを持って買うことができ良い体験でした。
- inao sanがすごかったです
- 「こんな時どんな本を読めばいいですか」の相談室が欲しいかも
- 盛り上がった勢いで現場で購入できるの、いいですよね。
- タイミングが合わず買えなかったですが、型システムのしくみをネットで注文しました!おすすめ本情報がTLに流れてきてよかったです
- サイン会が最高体験すぎた
- 品揃えが多かったという回答はポジティブな意味です。推薦した本がちゃんと売れて安心しました。
- 伝わるコードレビューを買いました。読みたいと思っていたので、最速で、かつ島田さんから買えて嬉しかったです。
- 先行販売の書籍を2冊買わせて頂きました。空いた時間に何度か足を運ばせてもらい、普段手に取ることの少ないような本も少し立ち読みさせて頂き購入はしなかったのですが、自分の知らない書籍に出会えたりして面白かったです!著者の方と会話したりしながら本を選べる環境はとても貴重なのでまた機会がれば伺わせて頂きます!
- スタッフエンジニアの道を買ってサインを頂こうと思っていたのに売り切れていて残念でした
- いつも楽しみにしています。今回もありがとうございました! サイン会予定の本や先行販売の本はもっと入れてもらえると嬉しかったです。
- ささだ注:何がどれくらい売れるか本当にわかりませんねぇ。本職の本屋さん凄い。
- 本屋さん最高でした!ただ、たくさん本買っても大丈夫なようにいい感じのトートバックみたいなものがあるといいなと思いました。本屋さんとして用意するというよりどこかの企業ノベルティで配布するなど、連動企画にしても素敵な感じになりそう。(今年トートバック配る企業あんまりなかったですね)
- ささだ注:実は事前に「バッグくれる会社さんありますか?」という質問をして、本屋で掲示していました。が、気づきませんでしたかね...。
- 沢山本を買いました!島田さんや鳥井さんにサイン貰えて嬉しかったです
- あまり買うつもりなかったのに買ってしまいました
- 同人誌を販売いただきました。完売していたのでとても嬉しかったです。ありがとうございました!
- 全く知らない良書を知るきっかけになりました、ありがとうございます。
- 『伝わるコードレビュー』を購入しました。既に会場内で同書籍を購入した知人からの紹介を受けてでした。サイン会にて書籍にサインもいただけて嬉しかったです。
- popやレシートにこだわりを感じました。楽しい書店ありがとうございました
- 発売前の本が買えるのはとてもよかったです。伝わるコードレビューを買わせていただきました。著者の方々のサインもいただきうれしかったです。もともと購入する予定だった本だったので、まさかこの機会に買えてよかったです。
- 本屋さんに他の人があまり集まってなかったら、行くと目立つ感じがして行きづらかったのですが、自分が行っていた休憩時間には常に賑わっていたので行きやすかったです。
- 品揃えは「少なかった」につけたけどこれは本屋さんの棚は大きければ大きいほど良い、と思っているぐらいなので、売り場の大きさとかを考えると適切なバランスになっているのかなと感じました(これ以上大きいと大変そう。売り場面積としては適切と感じました)。
- 本屋さん以外に掲示物が貼ってあったのがみてて楽しくて良かったです。
- 委託販売ができるなら実は本以外にキーボードの基板とか電子工作キットとかも頒布できる??
- イベント告知が本屋のそばに見当たらなくて、オンサイトページからのみだった(と思う)ので、近くにサイン会等のスケジュールがあるともっと集客できたんじゃないかなー
- ささだ注:掲示あったんですが、見づらいかったかもですね。
- こんにちは。Ractorのご進捗いかがでしょうか?RubyKaigiに本屋があると、Ruby関連書籍が元気だったあの頃を思い出して、なんだかエモい気持ちになりますね。この本屋の存在は、今年のKaigiが「よかった」要素のひとつだったと思います。ありがとうございました!
- 品揃えについては、やっぱりRubyやRubyistに関係ない本は要らないように思いました。ささださんの目的が「たくさん売っていっぱい儲ける」ことが目的ならともかく、そうじゃないですよね?(筆者による略)北海道はでっかいので、来年の本屋はクソバカでかくなっても(10倍くらいにスケールアップするとか)スペース的にはご対応できます。でもそんなことより、息抜きも済んだかと思いますので、ささださんにはそろそろRactorのほうでちょっとやる気出していただけると……
- ささだ注:がんばります。
- 出店ありがとうございました
- 高橋会長の「この技術書がすごい!」最高でした。会期中は忙しくて、すべての本屋さんイベントに参加できなかったのが残念…
- 子どものお土産用に、絵本があってとっても助かりました!!
- すでに予約してた本だったことと荷物が重すぎて購入を諦めちゃったのですが、知らなかった本や気になってた本を手に取って見れてよかったです。次回も楽しみにしています!
- 発売前の本が並んでいてとても魅力的でした。重たいしなーと少し避けていたのですが、郵送して持って帰るということを学んだので、来年は思う存分に購入しようと思いました。
- 本屋さんの紹介タイムがとてもとても良かったです!オペレーションが増えてはしまいますが、会期中だけ本を取り置きさせてもらえると荷物が重い日でも気軽に買えてありがたいなと思ったりしました。
- ささだ注:オーダーメイドで取り置きしてました。場所があれば、来年はそういう場所を用意してもいいかもですね(盗難の責任は負わないものとする)。
反省点
いろいろ反省点がありました。
最後の1冊システムについて
「最後の1冊は高橋さんのセッション(2日目昼)まで売らない」という方針をとっていました。というのは2つの理由がありました。
- 高橋さんの紹介セッションで使いたい
- たくさんの本を紹介する、という目的を果たしたい
前者は実際に使うから、というのがあるのですが、後者は「イベントを盛り上げる」ためでした。書籍はコミュニケーションツールになると思っていて、イベント参加者が「あぁこんな本もあるのか」「この本は面白いよ」といった発見や対話の場となると信じているからです。そのため、「最後の1冊はあるタイミングまで売らない」というシステムは良かったのではないかと思います。
(並んでるだけで嬉しいよね)
ただ、売約済みシステムも同時に入れておいたのですが、これは混乱を読んでしまったと思います。「私があとで買うよ」と付箋をつけておけば、売り始めた後で買っていただけるようにしたのですが、「そもそもその方式についてわからない」、「付箋をつけておいたけど買いに来ない」といったトラブルがあったため、混乱をよんだかと思います。「先にお金を払ってもらう」、もしくは「一切の予約を受け付けない」というシステムにしておけばよかったと思います。
選書とか
「多い」「適当」「少ない」といった様々なご批判を頂いておりますが、現実的には今回が限界かなぁと思っています(冊数)。
イベントを盛り上げるという観点でいうと、サイン会は別として、点数(本の種類)を多くするのは良いことだと思います。そうすると、実は「書店」という形ではなく、図書館のように陳列する、というだけでも良いかもしれない。ただ、陳列するために集めるのもそれはそれで大変。
サイン会は、思った以上に好評で、イベントを盛り上げるためにはそっちに注力するのもアリなのかなぁ。でもそういう本が例えば5点、山と積んでいる本屋は面白くないなぁ(個人の感想です)。
どちらかというと「この本を薦めたい!」という情熱のある方を増やしたいですね。そういう人に勧められると、楽しいし買う納得感もある。
(説得力のある人が熱く語ると一瞬で売れる図)
この辺、とくに答えはないので、次回以降で機会があれば考えていきたいです。
ミスとか
- 1点書籍の取り違えがあった(低い料金の書籍を高い料金で売ってしまった)
- 似ている書籍なので間違ってもしょうがない
- これはバーコードを導入するしか解決策はないのでは...
- でもバーコード5万円とかするんだよね
- 発注ミスがあった
- ポップ用大きな付箋を発注しなかった
- 荷物を家から持っていくのが重かった
- なるべく発送しちゃったほうがいい
- 割引を忘れていた
- 最後に残った本は割引許可を得ている出版社様の本は割引をすればよかった
- が、その判断は私しかできなかったので機動的に適用できなかった
- スタッフへのアナウンスが不十分だった
- 一度も事前に打ち合わせをしていなかった(Slackのみ)
- なんとなくナァナァで始めてしまったので、伝達事項などに不足があった
- 朝会とかやればよかった
- オーナームーブが不十分だった
- なんだかんだと手や口を出すいやなオーナーになってしまった
- 機材トラブルがあった
- 事前に試していない組み合わせでうまくいかなかった
- 陳列用段ボールの紛失があった
- 片づけるときにほかの段ボールと一緒に廃棄してしまった
- 目立つように何か名前とか書いとかないといかん
まとめ
RubyKaigi 2025 で本屋を出店させていただき、ほとんど売り切ることができました。また、いくつかの企画を行いました。アンケートや Twitter (X) などの反応を見ると、多くの方に喜んでいただけたことも嬉しいです。
サイン会も盛況でした。これをきっかけに、来年の RubyKaigi でサイン会する人が増えると、1 Rubyist として喜びます。
今回もたくさんの方にお手伝いいただきました。規模が大きくなって、さらに多くの方にご助力いただきました。本当にありがとうございました。
さて、技術イベントで本屋をやると楽しい、ということを示すという当初の目的は、そこそこお示しできたのではないでしょうか。
技術イベントでの本屋のご用がありましたら、よかったらお声掛けください(技術イベントで技術書の販売をしませんか? | @. bookstore)。まぁ、私がやる必要もないので、似たような試みがどんどん広がるといいと思っています。
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