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Slirpの思い出

2023/12/06に公開

1990年代、商用ISPが出現する前後の頃、私は大学生でした。
大学のネットワークが、在学中に UUCP -> 常時IP接続(64kbps -> 128kbps ->...)と変遷していく時期にありました。

この記事はインターネット老人会 Advent Calendar 2023 6日目の記事です。

電話回線接続の対応

ある日、学内の端末に接続できるような電話回線が使えるようになりました。とはいえ、つなげると単にUNIXマシンのコンソールにつながるだけのものです。シリアル回線の間に電話機が挟まっているような感じです。

とはいえ、当時ならttyで動作するソフトウェアも非常に多くありましたし、そのマシンを開始てさらに別の学内マシンにつなげることもできたので、それだけでもかなり嬉しくはありました。

Slirpとの出会い

あるとき、Slirp ( Wikipediaの解説 )の存在を知ります。
これは、ホストマシン上で動作するユーザランドのプロセスですが、PPP/SLIP接続を受けることができ、NATゲートウェイ的に動作します。

このおかげで、電話代だけでインターネットの利用ができるようになりました。

このころのネット事情はさくマガの記事 が詳しいです。自分が使っていた当時のアナログモデムは28kbpsぐらいだったかなあ、とおぼろげに記憶しています。

現代でのSlirp

こんな古い技術のSlirpですが、Wikipediaの記事にもあるように、現代ではrootless containerでネットワーク接続を行うために利用されることがありますslirp4netns

その前のSlirp - coLinux

2000年代には、coLinux (Wikipediaの解説) という技術がありました。WSLとはまた異なる、LinuxをWindowsで動作させる技術です。Windows上でメモリの確保をするデバイスドライバと連携し、Linuxを動作させるというものでした。

coLinuxにもSlirpを使ってWindowsホストを開始外部ネットワークに接続する機能 がありました。

古い技術がある日突然復権するのは面白いですね。

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