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KotlinとC++のブリッジング: AndroidアプリへのC/C++コードの追加

2024/07/18に公開

背景

Androidアプリ開発ではJavaやKotlinが主に使われますが、パフォーマンスが重要な部分ではC++を利用することがあります。この記事では、Android Studioを使用してKotlinとC++を統合し、JNI(Java Native Interface)を利用して両者間のブリッジを構築する方法を解説します。

1. Android StudioとC++のセットアップ

Android StudioでC++のサポートを追加するには、まずNDK(Native Development Kit)とCMakeをインストールする必要があります。これらはAndroid StudioのSDK Managerから簡単にインストールできます。プロジェクトの新規作成時に「Include C++ Support」オプションを選択すると、C++のファイルをプロジェクトに追加するための設定が自動的に行われます。

2. JNI基礎

JNIはJavaやKotlinとネイティブコード(CやC++)との間で通信を行うためのプログラミングフレームワークです。JNIを使用することで、Javaのアプリケーション内で高速なネイティブコードを利用でき、パフォーマンスの向上が期待できます。データ型のマッピングはJNIで非常に重要であり、JavaのintはJNIを通じてC++のjintに変換されるなど、適切な型変換が必要です。

3. C++関数のKotlinへの統合

ネイティブ関数を定義するためには、C++のソースファイルをプロジェクトに追加し、CMakeLists.txtを設定してビルドプロセスを管理します。例えば、簡単なネイティブ関数をC++で書き、それをAndroidアプリから呼び出すための設定は以下です。

extern "C" JNIEXPORT jstring JNICALL
Java_com_example_myapp_MainActivity_stringFromNative(JNIEnv *env, jobject) {
    return env->NewStringUTF("Hello from C++!");
}

4. KotlinからのJNI関数の呼び出し

Kotlinからネイティブ関数を呼び出すには、externalキーワードを使用して関数のプロトタイプを宣言します。例えば、上記のC++関数をKotlinから呼び出すには、MainActivity内に次のように宣言します。

external fun stringFromNative(): String

まとめ

この記事では、Android Studioを使用したKotlinとC++の統合方法、JNIの基本について解説しました。これらの技術を駆使することで、Androidアプリのパフォーマンスを最適化し、ユーザーにとってより快適な体験を提供することが可能です。

参考リンク

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