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非機能要求グレードの使い方についてまとめてみた
整理の背景
- PRJで要件定義フェーズに関わることがあったが、非機能要求グレード表を使ってどのように合意形成を進めていけばいいか分からなかった。
- IPAの公式サイトに利用方法が掲載されていた。
- ボリュームも多いので、文字に起こして自分なりの理解を深めていこうと思った。
非機能要求グレードの使い方
大きく以下の流れで、ユーザとの合意形成を行っていく。
- システムの社会的影響度を決める
- 重要項目についてレベルの合意形成を行う
- 重要項目以外についてレベルの合意形成を行う
それぞれについて記載していきます。
1. システムの社会的影響度を決める
非機能要求グレードのサンプルをダウンロードすると、社会的影響度に応じて3つ分かれています。
より詳細には、以下で定義されている。
この分類の中で、どれに該当するかをユーザと合意することで、要件定義を進める上で効率的になる。
社会的影響度が決まったら、16つの要求概要について、実際のシステムとの差分を比較する。
この16の指標は、モデルシステムの非機能要求項目の特徴を表している。必ずしも、非機能要求グレードの重要項目をすべて網羅しているわけではない。
差分に応じて、要求グレードを上下させる対応を取る。
2. 重要項目についてレベルの合意形成を行う
モデルシステムで合意ができたら、個々の項目について合意形成を行っていく。
ただ、項目数が300弱存在する。1つ1つ上から見ていくのは途方もない時間がかかるため、重要項目を優先的に実施していく。
3. 重要項目以外についてレベルの合意形成を行う
重要項目について合意形成が取れたら、それ以外の項目についても実施していく。
なお、IPAとしてはやむを得ない場合を除き、要件定義工程で全て合意することを推奨している。
- やむを得ない例
非機能要求グレードには、9-17時でオンライン開局の記載があるが、実システムの開局時間が決まっていない場合。システムの一時的な停止時間などを定義できないので、決まり次第要件合意を行うことになる。
Tips
樹形図の活用
Excelベースだと、大項目~小項目の依存関係・進めていく上で何が重要項目か、どのような順番で検討を進めていけばいいのか、どこまで完了しているかを可視化して把握しにくい。そのため、一枚絵として登場するのが樹形図である。
必須ではないが、うまく活用していきたい。
さいごに
- 横ぐしの共通インフラ基盤として定義、各社ごとの社内グレードの定義などの活用シーンでも利用が可能
- 情報セキュリティに関する規約に則る場合への対応も記載がある。
- (所感)最初のステップで、社内影響度を決める際には、16の項目はいったん見ないで決めてもらう方がいいのだろうと感じた。もしそこまで踏み込んで見てしまう場合、社内影響度という概念が少し薄まってしまう気がした。また、16の指標に引っ張られて、最重要システムになった場合は、指標に表れない項目に引っ張られて全体的なコスト(工数・費用)も大きくなってしまう気がした。手戻りになる可能性もあるため、注意しなければと感じた。
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