Remeda 〜TypeScriptユーティリティライブラリ最強の一角〜
はじめに
JS界隈のユーティリティライブラリといえば、Lodashが有名です。
しかし、Lodashはバンドルサイズが大きすぎるという問題があり、毛嫌いしている人も多いです。
そんななか、Twitterの一部界隈で注目を集めているユーティリティライブラリがRemedaです。
特徴
軽量
すべての関数をimportしてもたった5.3kBです。
さらに、ES Module形式が提供されているため、使っていない関数はビルド時にtree shakeで除外できます。
バンドルサイズが重要なフロントエンドのプロジェクトにも導入しやすいです。
pipe 関数が優秀
pipe関数が優秀で、TypeScriptの補完がバチバチに効きます。

(コードは公式ドキュメントより引用)
ちなみにLodashの場合は以下のようなメソッドチェーンでパイプする都合上、すべての関数が読み込まれてしまって、バンドルサイズが激増してしまいます。
_(users)
  .filter(x => x.gender === 'f')
  .groupBy(x => x.age)
  .value()
(コードは公式ドキュメントより引用)
それに対し、Remedaはtree shakingしやすいAPIで設計されており、使用した関数のみがバンドルに含まれます(今回の例でいうとpipe, filter, groupByのみ)。
また、Remedaのpipeは遅延評価に対応しており、愚直に関数を順番に適用するのではなく、イテレート回数が少なくなるように実行してくれます。
// ユニークな値を先頭から3つ取り出す
const arr = [1, 2, 2, 3, 3, 4, 5, 6];
const result = R.pipe(
  arr,
  R.map(x => {
    console.log('iterate', x);
    return x;
  }),
  R.uniq(),
  R.take(3)
); // => [1, 2, 3]
/**
 * 本来なら、mapのcallback関数が8回実行されそうだが、、、
 *
 * Console output:
 * iterate 1
 * iterate 2
 * iterate 2
 * iterate 3
 *
 * 4回に抑えられている
 * /
(コードは公式ドキュメントより引用)
JSDoc が非常に丁寧

JSDocが丁寧に書かれているおかげで、使おうとしている関数の説明がその場で読めます。もうドキュメントサイトとエディタを往復する必要はありません。
さいごに
軽量で使いやすく、一部界隈で注目を集めているRemedaをご紹介しました。
プロジェクトでユーティリティライブラリが欲しくなったときに選択肢の1つとして覚えておくと、いつか役立つかもしれません。



Discussion
Remeda僕も好きなんですが、rambda(ramdaじゃないよ)とかに比べると少し遅いっぽいんですよね。
実用上そこまでスピード要らんかな、という気もしますが……。
参考
上記ts-beltも悪くないんですが、仕事では結局lodashかramdaになってしまいます。
長いものに巻かれております。
パフォーマンスについての情報共有ありがとうございます!Remedaだいぶ遅いんですね…。(完全に考慮が漏れておりました…)
一度に処理するデータ量が多いようなプロダクトだと、パフォーマンス差も出やすいと思うので、他のユーティリティライブラリもちゃんと考慮に入れたほうが良さそうですね。
勉強になります!