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『神様になった日』-量子コンピュータとセキュリティ-

2024/12/10に公開

この記事はアニメから得た学び Advent Calendar 2024の10日目の記事です。
※この記事はアニメ本編のネタばれを含みますのでご注意くださいm(_ _)m

神様になった日

2020年10月から放送された 麻枝准 原作・脚本のKeyアニメです。
物語は、高校3年生・ようた(成神陽太)の前に 全知 の神を名乗る少女・ひな(陽菜)が突然あらわれ、「30日後に世界は終わる」と予言しつつ、一緒に最後の夏休みを過ごす感じに幕を開けます。
そして、終盤に向けては ハッカー量子コンピュータ などITチックな内容も出てくるのでITエンジニア向けの話ではないだろうかw

量子コンピュータ

量子力学の原理を応用して、従来のコンピュータとは異なる方法で情報を処理する物語に深く関係する存在です。

ビットで表すと以下のような感じです。

従来のコンピュータの扱うビット

0または1のいづれかしか取れない

量子コンピュータの扱うビット

0と1の両方を同時に取ることができる

上記の差異等により、量子コンピュータは 膨大な計算を並列に処理することが可能 で、特定の種類の問題においては従来のコンピュータを遥かに上回る速度で計算を行うと期待されています。
セキュリティに関係する部分ですと、以下の 量子暗号耐量子計算機暗号 がよく取り上げられるので概要を説明します。

量子暗号

量子力学の原理を活用して通信のセキュリティを確保する技術で、とりわけ**量子鍵配送(Quantum Key Distribution: QKD)**が有名です。QKDは、暗号通信における鍵を安全に交換するための方法で、量子力学的な特性を利用することで、第三者がその通信を盗聴したり、暗号鍵を不正に取得することがほぼ不可能になります。

耐量子計算機暗号(Post-Quantum Cryptography)

耐量子計算機暗号は量子コンピュータに現在の暗号技術が破られる可能性を考慮して考えられた、量子コンピュータに耐性を持つ新しい暗号技術を指します。既に、各分野において対量子暗号への移行やハイブリッド暗号の利用などが進められています。
 また、未来において、RSAを解読する前提で、現在の暗号データを保存しておく攻撃(Harvest now, decrypt later攻撃)も既に実行されています。

全知とは何だったのか

冒頭の話に戻ると、全知とは量子コンピュータによる膨大な計算予測データ といった構図になり、全てを知っているように振舞えるといった感じでした。ただし、こういった、人類にはまだ早すぎる、制御出来ない力の存在は大概、脅威として排除されようとするものですよね。
おっと、これ以上はアニメ本編でご確認ください。

さいごに

このアニメのように理解されないなんて事はなく、量子コンピュータはいずれやってくるものと認識され、いたるところでそのスゴイ技術(≒脅威)を受け入れる準備が進んでます。みなさんも、少し自分の担当業務外の動きにも耳を傾けてみてはいかがでしょうか。いつもとは違う発見があるかもしれません。

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