きのっぴのクイック設計知識!
毎日少しずつ設計知識を書き溜めていきます!
体系的にというよりは、その時思いついたテーマで毎回短く書いていく予定!
リクエストもお待ちしてます!
※ 未熟な私の知識で書きますので適宜コメントなどで訂正など頂けますと幸いです。。。
#1 嵌め合い公差
図面でよく見る嵌め合い公差!みなさんH7とg6、この表記だけでどう違うか分かりますか!?
① アルファベットの大文字or小文字=穴or軸!
H7は穴でh7は軸の公差!意味も公差範囲も変わるので要注意!
② アルファベットの文字=嵌め合いのキツさ!
若いアルファベットほど緩い、つまり軸は小さく、穴は大きくなる!(←動き方が穴と軸で逆なので注意!)
ちなみにH7は±0を基準に緩い側への公差なのでよく使われるのです。
③ 数字=公差の厳しさ!
数字が小さいほど公差が厳しい!=加工で入れなければならない幅が狭い!
例:Φ10の時h7=0/-0.015(公差幅15μ)、g6=-0.006/-0.014(公差幅9μ)
→ どちらも小文字なので軸で、g6はh7よりも、少し緩い寄りかつ公差が厳しい!
#2ネジの基礎!(パート1)
よく使うネジの主要な数字
① 外径=呼び径=雄ねじの山径・雌ねじの谷径(M5といったら5が呼び径!)
② 内径=雄ネジの谷径・雌ねじの山径(=雌ねじ切る時の下穴径!)
※ メートル並目ねじだと超ざっくり外径の0.8倍くらいになるのは覚えておいても良いかもね!
③ ピッチ=ネジの山と山の間隔
※ メートル並目だと超ざっくり外径の1/6だけど次くらいは暗記しちゃおう!
(M3=0.5、M4=0.7、M5=0.8、M6=1.0、M8=1.25、M10=1.5、M12=1.75)
※ 同じ呼び径でもピッチ違いがある!
通常の規格を並目と呼ぶのに対し、ピッチが小さいものを細目(ホソメ、サイメ)と呼ぶ!
細目のメリットは緩みにくいことや強度が強いことなど!
デメリットは焼付き・かじりを起こしやすいことや適合するネジの流通が比較的少ないことなど!
※ 同じく超ざっくり計算、内径=外径-ピッチも覚えておくと便利!
実は自動車業界などではM10以上は細目が主流!
そのため「M10x1.5」のように並目でもあえてピッチを併記することがあるので要注意!
#3 ネジの基礎!(パート2)
よく見かけるネジの規格!
① メートルネジ:メートル法規格のネジ。山角度60度。世界標準!
表記:M8x1.25 → 呼び径8mmのピッチ1.25mm
※ 細目でもメートルねじであることに変わりはありません!
② ユニファイネジ:ヤード・ポンド法で作られたインチネジ代表的な規格。山角度60度。アメリカやイギリスで根強い。
表記:1/4-28UNF → 呼び径1/4インチ(=6.35mm)でピッチが1/28インチ(0.907mm)
※ ピッチは数字が大きいほど細かくなることに注意!
※ UNC=並目、UNF=細目を表します。
※ インチネジにはウィットネジという規格もありW1/4などと表記。山角度55度のため互換性なし!
③ 管用テーパーネジ:配管の継手用のネジ。テーパー(円錐形)のため、締めるほど密着する特徴あり。
表記:R3/4 → 呼び径3/4インチの雄ネジ。雌ねじはRc3/4と"c"を付けて表現する。(ピッチは呼び径に対して1種類しかない)
※ 国際規格だがインチサイズで規定されている。
※ 旧JIS表記でPT3/4などと"PT"で書かれることもある。
※ めねじは平行ねじで作ることもあり、この場合Rpまたは旧JISでPSと表記される。
※ シールテープ等を併用して気密確保する。
④ 管用平行ねじ:同じく配管継ぎ手用だがテーパーになっていない規格。
表記:G2-1/2 → 呼び径2と1/2インチ(=2.5インチ)
※ 雄ネジには等級を示すアルファベットを加えてG2-1/2Aなどと表記することもある
※ テーパーねじよりネジ自体の機密は弱い。
※ パッキンやガスケットでネジ部分とは別の面でシールする。
※ 1インチ=25.4mmは覚えておきましょう!
※ メートル法の国でも業界によっては慣例的にまたは規格としてインチネジが根強かったりする。(航空業界とか)
※ 車もシートベルトの固定だけはなぜだか世界共通で7/16-20UNFだったりする。
#4 ネジの仕組み!
意外と勘違いしている人が多いが超重要な大基本!!
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ネジでものが止まる仕組み
- ネジはそれ自体の強度でものを動かなくしているわけではない!
- ネジは対象物を押し付けて摩擦力を生み出し物を固定している!押し付ける力を軸力という!
- 軸力はネジを締める事により生まれる。この締め付ける力(モーメント)をトルクと言う!
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ネジの強度
- 強いネジ=強い軸力を出せるネジ=強いトルクで締められるネジ
- より太いネジや強い材料を使ったネジはより大きな軸力を出せる→締結力=摩擦力が強い
- 鉄製のボルト類には4,8、8.8、10.9、12.9といった強度の規格がある(数字の意味はまた今度)
※ ✕の図の仕組みで固定するものが"ピン"の類です。軸力は生みません。
#5 "強い材料"ってなんだ?
今日から少し材料力学と材料知識に入ります!
ややこしくなる前に材料の強さについて考えましょう!
◯ 材料の強さの種類
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いわゆる強度
- どれだけ力を加えたら壊れる(=破断する)かという指標!
- 同じ鉄の仲間、アルミの仲間の中でも合金の種類によって大きく異なる!
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いわゆる剛性
- 力を加えた時にどのくらい変形するかという指標!
- 実は同じ鉄の仲間、アルミの仲間の中ならどれもほとんど変わらない!
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いわゆる硬度
- 表面の傷の付きにくさ、削れにくさの指標!
- 同じ合金でも表面の焼入れなど熱処理でも大きく変わる!
- ダイヤモンドはコレが最強なので工具に使われる
※ ただ単に"強い材料"といってもいろいろな強さがあるのでしっかり分けて考えるのが重要!
※ 「強度は強いけど剛性は低い→ゴム、強度は弱いけど剛性は高い→パスタ」みたいなイメージ
#6 応力とは!?
◯ 応力とは
- 簡単に言うと材料に**「どのくらい負担がかかっているか」**を指し示す数字!
- どのくらい力をかけたら壊れるか?を考えたいけど、同じ材料でも太い材料と細い材料では当然強度が違う!
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違うサイズの材料でも等しく比較する
ためにはどうすれば?→応力という考え方!
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応力=力/断面積
- 断面積あたりどのくらいの力がかかっているか、と考える!
- 力を面積で割っているという意味では**「圧力」と同じ考え方**!
- 単位としてはN/mm2や、圧力とおなじMPaやGPaが使われたりする!(1N/mm2=1MPa)
- 例えば10mmx10mmの四角棒を1,000Nで引っ張ったら、1,000/(10x10)=10N/mm2!
◯ 例題
(問題)
「①:Φ10の丸棒を10,000Nで引っ張る」のと、「②:Φ20の丸棒を30,000Nで引っ張る」の、どっちが応力が高い(=材料に負担がかかっている)でしょう?
(答)
画像の通り、①=127N/mm2、②=95.5N/mm2なので、①の方が応力は高い!
※ ちなみにSS400は400N/mmまで耐えられますよ~って意味。
※ 上の例題で分かる通り、φ10のSS400でも10,000N(=1トン)を余裕で釣り上げられるんですね~。