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エンジニアが「学び続ける人」になるための習慣術

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エンジニアが「学び続ける人」になるための習慣術

はじめに:エンジニアにとって「学び」は仕事の一部

AI、クラウド、Web開発、SRE、インフラ、セキュリティ……どの分野であっても、ITエンジニアという職業は 「勉強をやめたら終わり」 な仕事だと私は思っています。技術の進化は本当に早い。1年前に出たフレームワークがもう時代遅れになっていたり、ChatGPTのような大規模言語モデルが突如台頭したり。だから私たちは、継続的な学びを前提にキャリアを組み立てなければいけません。
私自身も、エンジニアになってからというもの毎日2-3時間を勉強や自己研鑽に費やしておりますが、同僚や後輩のエンジニアからよくこんなことを言われます。

「よく勉強を継続できますね? 毎日仕事以外にも色んなことをやって、苦にならないんですか?」

正直に言えば、苦しい瞬間もあるし、疲れる日もある。でも、それでも学び続けられているのは、“仕組み”で学習を生活に組み込んでいるからです。
今回は、私がエンジニアとして学び続けるために実践している「習慣術」を、プログラミングの学習や技術キャッチアップに即して紹介していきます。

習慣術①:「Why Done It」──目的意識を徹底的に掘る

まず最初に確認しておきたいのは、「そもそもなぜ学ぶのか?」という 根本の動機(Why) です。

たとえば、

「資格を取って年収を上げたい」
「副業で稼げるようになりたい」
「転職してキャリアアップしたい」

もちろんどれも立派な目標です。ただ、それをさらに具体化できているか? が分かれ目です。

たとえば「年収を上げたい」という人は、そのお金で何をしたいかまで想像してみてください。

  • 年24万円アップするなら、MacBook Proを買い替える?
  • 毎月のコーヒーをブルーマウンテンに?
  • 年1回、海外の開発者カンファレンスに参加?

目的が具体的な生活のビジョンに紐づいていると、学習の継続力は段違いに上がります。

さらに言えば、学ぶ技術も「なんとなく流行ってるから」ではなく、

  • 「この言語は◯年後の自分の市場価値を高める」
  • 「このフレームワークを学べば、今のプロダクトで◯%工数を削減できる」

といった、自分にとっての意義に落とし込めるとベストです。

習慣術②:「まず5%だけやる」──初動を爆下げせよ

勉強が続かない最大の原因、それは最初の一歩が重すぎることです。
特に、「本当にこれをやる意味があるのか?」「途中でやめたら無駄じゃないか?」と動く前にあれこれ考えすぎてしまう人ほど、注意が必要です。
その時間、本当にムダ です。
完璧な理由や計画が揃ってから動こうとすると、たいてい一歩目が踏み出せません。
それよりも、とりあえず5%だけでもやってみる。やってみて合わなければ軌道修正すればいい。そういう「動きながら考える」スタンスのほうが、圧倒的に習慣化に強いのです。

  • 動画コースの最初の5分だけ流す
  • 本の1ページだけ読む
  • VSCodeだけ起動してみる

とにかく「何かを開始した状態」まで持っていけば、そこから自然にスイッチが入ることが本当に多い。これは心理学的にも 「作業興奮」 と呼ばれています。

実際、私は朝起きたら「コード書かなくてもいいから、VSCodeとNotionだけ開く」をルーティンにしています。すると、気づいたら何かしら手を動かしていたりするものです。

習慣術③:スマホを物理的に遠ざけろ

学習効率を最も下げるのがスマートフォンです。「Slackの通知を見たら、そのままX(旧Twitter)を開いてしまう」「Stack Overflowを調べようとしたら、気づいたらYouTubeのおすすめに吸い込まれていた」というのは、あるある中のあるある。

私はこれを防ぐために、以下を徹底しています:

  • 物理的に別の部屋にスマホを置く
  • PCでもSNSブロック拡張(例:LeechBlock、StayFocusd)を使う
  • 「学習用Chromeプロファイル」を作り、SNSブックマークや拡張を排除

人間の意志力には限界があります。「誘惑を断つ環境」を作るのが習慣化の基本です。

習慣術④:ジムに通え。筋トレは最強の集中ブースター

あえて断言します。筋トレは最強の学習サポートツールです。
エンジニアは頭を使う仕事ですが、体が資本。運動不足で集中力が落ちたり、疲れやすくなったり、睡眠の質が下がったりすると、学習の土台が崩れます。

私は平日は毎日ジムに通って筋トレをしています。

  • 月曜: 胸トレ(ベンチプレス、ダンベルプレス、デクラインプレス、ペックフライ)を計20セット
  • 火曜: 背中トレ(デッドリフト、ラットプルダウン、ケーブルローイング、リアデルトフライ)を計20セット
  • 水曜: 腕トレ(フレンチプレス、ダンベルカール、スカルクラッシャー、バーベルカール、トライセップスプレスダウン、ケーブルカール)を計30セット
  • 木曜: 腹筋トレ(アブドミナルマシン)を15セット
  • 金曜: 脚トレ(バーベルスクワット、レッグエクステンション、レッグカール、レッグプレス、カーフレイズ)を計15セット

時間にして60-90分くらい。

筋トレをしていると、脳内でエンドルフィンやドーパミンといった“やる気ホルモン”が分泌されます。 気持ちが前向きになり、集中力が爆上がりする感覚があります。
また、筋トレ後にプロテインを飲んでから、30分だけ技術書を読む──という 「トリガー習慣」 にするのもオススメ。プロテインを飲むだけで勉強したくなるゴールデン習慣が完成します。

それに、エンジニアは普段、机の前に座りっぱなしの職業でもあるので、運動習慣は必須ですし、海外のトップエンジニアは本当にマッチョな人が多いように感じます。
はち切れそうな大胸筋、天を見据える僧帽筋、彫刻のように美しく彫り込まれた大腿四頭筋…これらを兼ね備えてこそ、「頼りになるエンジニア」と言えるのではないでしょうか?

習慣術⑤:「自動化とテンプレ化」で脳のリソースを節約せよ

毎日何を学習するか迷っていては、それだけで疲れてしまいます。
あらかじめ、何をどれだけ学習するかを決めておき、テーマを固定しておきましょう。
例えば、8月の1ヶ月間はAzureの強化月間にする。9月はDjangoを極める、など月ごとのテーマを固定するとか、もしくは、月水金はクラウド、火木はフロントなど、曜日ごとに固定するのも良いでしょう。

また、勉強の流れもテンプレ化すると効率アップ:

  • ① VSCodeを開く
  • ② Notionの今日のページを開く
  • ③ 前日のメモをざっと見てから着手
  • ④ 25分集中 → 5分休憩(ポモドーロ)

このように思考を省略できる構造を作ることで、脳のリソースを「学習そのもの」に集中させられるようになります。

おわりに:学び続けるエンジニアであるために

継続して学ぶというのは、才能ではなく 「仕組み化」の問題です。

  • 明確な目的を持ち
  • 初動のハードルを下げ
  • 誘惑を遠ざけ
  • 健康と集中力をジムでブーストし
  • 学習を自動化&テンプレ化し

──この一連の仕組みができれば、学習は習慣になります。
エンジニアという仕事は、学び続ける限り成長できますし、キャリアも広がっていきます。裏を返せば、学びをやめた瞬間に取り残される職業でもあります。
だからこそ、「勉強は気合で乗り切るもの」ではなく、「習慣として組み込むもの」だと割り切って、一緒にアップデートしていきましょう。

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