AWS Global Accelerator とは?
アクセラレーター とは?
アクセラレーターとは、コンピュータの処理速度や特定のタスクの処理効率を向上させるための、ハードウェアやソフトウェア、またはそれらの組み合わせのこと。
AWS Global Accelerator とは?
AWS Global Acceleratorは、世界中のユーザーからのアクセスを高速・安定させるためのサービスです。
ユーザーの近くにあるAWSの「エッジネットワーク」からリクエストを受け取り、最適なAWSリージョンへトラフィックを流します。
また、複数のAWSリージョンをサポートしております。
さらに、静的IPアドレスを提供し、IPv4の場合であれば、2つの固定IP、デュアルスタック(IPv4+IPv6)の場合は、4つ(IPv4 ×2 + IPv6 ×2)、自分で持ち込んだIP(BYOIP)も使用可能です。
注意点としては、静的IPアドレスは、アクセラレーターを無効化しても保持されるます。ただし、アクセラレーターを削除するとIPアドレスは失われます。
また、IAMポリシーを使って、誤って削除されないように制御することも可能です。
さらに、特徴として、エンドポイントの状態(ヘルスチェック)、クライアントの場所、ポリシー設定などをもとに最適なルートに自動で切り替えます。
また、障害が起きそうなゾーンを避ける仕組み(ARCのゾーンシフト)を持っています。
2種類のアクセラレーター
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標準アクセラレーター
対象:一般的なWebアプリなど
特徴:複数リージョンの中から最適なリージョンのエンドポイントにトラフィックをルーティングしてくれる。可用性やパフォーマンスが高まる。対応エンドポイントは、ALB、NLB、EC2、Elastic IP など -
カスタムルーティングアクセラレーター
対象:ゲームサーバーやVoIPなど、特定の宛先に接続するアプリ
特徴:ユーザーを個別に、指定した送信先(IPアドレス)にルーティングできる。対応エンドポイントは、VPC内のプライベートIPアドレスのみ
Global Accelerator vs CloudFront の違い
Global Accelerator の特徴を聞いた時、CloudFront と少し似ているなと思いました。なので、違いを表に簡単にまとめてみました。
項目 | Global Accelerator | CloudFront |
---|---|---|
主な目的 | アプリケーション全体の通信を最適化(TCP/UDP) | 静的・動的なWebコンテンツの配信(HTTP/HTTPS) |
対象プロトコル | TCP / UDP(L4) | HTTP / HTTPS(L7) |
使用例 | API、ゲーム、VoIP、非HTTPアプリ | Webサイト、動画、画像、JS/CSS、APIレスポンスなど |
最適化内容 | 最短ルートでAWSリージョンに転送し、エンドポイント選定も最適化 | コンテンツをキャッシュして配信スピードを向上 |
キャッシュ機能 | ❌ キャッシュなし | ✅ 静的コンテンツをキャッシュ |
IPアドレス | ✅ 静的IP(固定)を提供 | ❌ 静的IPなし(ドメイン名のみ) |
使えるエンドポイント | ALB、NLB、EC2、Elastic IP、VPCのIP(カスタムルーティング) | S3、ALB、EC2、Lambda@Edge など |
ユーザーの最寄りAWSエッジ | ✅ 使用 | ✅ 使用 |
ざっくりまとめると、下記の通りです。
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CloudFront は「Webコンテンツ配信のスピードアップ(CDN)」で、HTML、画像、動画などをキャッシュして高速に配るサービス。
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Global Accelerator は「通信のルーティング最適化」で、API やゲームなどのリアルタイムな通信を高速&安定化するサービス
各サービスのユースケースは、下記の通りです。
- Webサイトや画像、動画の配信 → CloudFront
- ゲームのサーバー通信や、複数リージョン対応API → Global Accelerator
- 両方併用も可(CloudFront+ALB+Global Acceleratorなど)
参考
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