📈

Google Postmaster Toolsでは何が確認できるのか?

2023/12/31に公開

Postmaster Toolsの存在は知っていても実際に使ったことはない、という方は意外と多いのではないでしょうか。私もその一人でした。

先日、Email sender guidelinesが公開されて、迷惑メール報告を0.1%以下に抑えること、と具体的な数値が明示されました。これを確認するにはPostmaster Toolsが必要です。

Keep spam rates reported in Postmaster Tools below 0.10% and avoid ever reaching a spam rate of 0.30% or higher. Learn more about spam rates.

また、FAQによると2024年の早い段階でEmail sender guidelinesの対応状況をダッシュボードで確認できるようになる(と思われる)ので今後Postmaster Toolsの設定は益々重要度を増していきそうです。

In early 2024, Google plans to add a compliance status dashboard to Postmaster Tools. Until then, senders should monitor their compliance with our email sender guidelines using the information available today in Postmaster Tools, as well as other online tools available on the internet.

Postmaster Toolsのドキュメントをみても実際の画面は掲載されていなかったので、今回の記事では画面キャプチャを中心に紹介します。

Postmaster Toolsへのドメイン、ユーザの追加方法については、Googleのドキュメントをご参照ください。
https://support.google.com/a/answer/9981691?ln=jp

トップ画面

設定したドメインが表示されるので選択します。ちなみに管理者によって追加されたユーザ(Googleアカウント)以外でアクセスするとステータスが赤文字で「未確認」と表示されます。

メニューは7つです。
迷惑メール率
IPレピュテーション
ドメインレピュテーション
フィードバックループ
認証
暗号化
配信エラー

Googleの解説を引用しながら画面を掲載します。

迷惑メール率

迷惑メール率とは、アクティブ ユーザーの受信トレイに配信されたメールの件数のうち、ユーザーが迷惑メールに分類した件数の比率です。大量のメールが迷惑メールフォルダに直接配信されている場合は、ユーザーが受信トレイに配信されたメールを「迷惑メール」に分類していても、迷惑メール率が低くなることがあります。

Email sender guidelinesのFAQのSpam rateには次の質問があります。

What time range or duration is used when calculating spam rate?

回答は

Spam rate is calculated daily. To help ensure messages are delivered as expected, senders should keep their spam rate below 0.1% and should prevent spam rates from ever reaching 0.3% or higher, as described in our Email sender guidelines.

なので、基本的には常に0.1%未満であることが望ましいようです。

IPレピュテーション

IP のレピュテーションが高いと、この IP から送信されたメールが迷惑メールフォルダではなく、受信者の受信トレイに分類される可能性が高くなります。たとえば、大量のメールを送信し、受け取ったユーザーがそのようなメールを迷惑メールに分類すると、IP のレピュテーションの値が下がります。

ユーザーの否定的なフィードバックを減らすには、定期的に送信リストを確認する必要があります。メールを希望するユーザーにのみメールを送信してください。

レピュテーションの概要
以下の迷惑メールの定義には、Gmail の迷惑メールフィルタで迷惑メールとして検出されたメールや、ユーザーから迷惑メールとして報告されたメールが含まれています。

・悪い - 過去に大量の迷惑メールを送信したことがあります。この送信者からのメールのほとんどが、接続時に拒否されるか迷惑メールとして処理されます。
・低 - 定期的に相当量の迷惑メールを送信しています。この送信者からのメールは、高確率で迷惑メールとして処理されます。
・中 - 正常なメールも送信しますが、少量の迷惑メールを断続的に送信することがあります。この送信者からのメールのほとんどは中程度の割合で配信されます(迷惑メールのレベルが大きく引き上げられた場合は除く)。
・高 - 迷惑メール率が非常に低いという実績があり、Gmail の送信ガイドラインも遵守しています。この送信者からのメールが迷惑メールに分類されることはほとんどありません。
ヒント: 迷惑メールの分類は数千ものシグナルに基づきます。IP のレピュテーションはその 1 つにすぎないことに留意してください。

ドメインレピュテーション

ドメインのレピュテーションが高いと、送信元のドメイン(SPF と DKIM)からのメールが受信者の迷惑メールフォルダに分類される可能性が低くなります。

レピュテーションの概要
以下の迷惑メールの定義には、Gmail の迷惑メールフィルタで迷惑メールとして検出されたメールや、ユーザーから迷惑メールとして報告されたメールが含まれています。

・悪い - 過去に大量の迷惑メールを送信したことがあります。この送信者からのメールのほとんどは SMTP で拒否されるか、迷惑メールとして処理されます。
・低 - 定期的に相当量の迷惑メールを送信しています。この送信者からのメールは、高確率で迷惑メールとして処理されます。
・中 - 正常なメールも送信しますが、少量の迷惑メールを断続的に送信することがあります。この送信者からのメールのほとんどは中程度の割合で配信されます(迷惑メールのレベルが大きく引き上げられた場合は除く)。
・高 - 迷惑メール率が非常に低いという実績があり、Gmail の送信ガイドラインも遵守しています。この送信者からのメールが迷惑メールに分類されることはほとんどありません。
ヒント: 迷惑メールの分類は数千ものシグナルに基づきます。ドメインのレピュテーションはその 1 つにすぎないことに留意してください。

フィードバックループ

Gmail 迷惑メール フィードバック ループ(FBL)を設定すると、このダッシュボードを利用できるようになります。FBL から問題が報告された識別子とその迷惑メール率を示す表を確認するには、グラフ上のデータポイントをクリックします。

FBL グラフについて
・FBL 迷惑メール率の平均グラフ: 特定の日付(該当する場合)に FBL から問題が報告されたすべての識別子について、迷惑メール率の平均を時系列で表示します。
・識別子数グラフ: 特定の日付(該当する場合)に FBL から問題が報告された一意の識別子の数を時系列で表示します。

認証

このダッシュボードには、認証を求めるすべての受信トラフィックのうち、SPF、DKIM、DMARC での認証に成功したメールの割合が表示されます。

SPF、DKIM、DMARC グラフについて
・SPF グラフ: 該当するドメインから送信された SPF 認証を求めるすべてのメールのうち、正常に認証されたメールの割合を表示します。なりすましメールはすべて除外されます。
・DKIM グラフ: 該当するドメインから送信された DKIM 認証を求めるすべてのメールのうち、正常に認証されたメールの割合を表示します。
・DMARC グラフ: そのドメインから送信され、SPF または DKIM で正常に認証されたすべてのメールのうち、DMARC アライメントで正常に認証されたメールの割合を表示します。

このグラフのドメインでは11月24日DMARCレコードを追加したため、このような見え方となっています。

暗号化

このダッシュボードには、暗号化された受信トラフィックと送信トラフィックの割合が表示されます。

TLS 受信グラフと送信グラフについて
・TLS 受信: そのドメインから受信したすべてのメールのうち、TLS で正常に認証されて(Gmail >で)受信したメールの割合を表示します。
・TLS 送信: そのドメインに送信したすべてのメールのうち、TLS で正常に認証されて(Gmail >で)送信されたメールの割合を表示します。

配信エラー

このグラフでは、認証されたすべてのトラフィックのうち、拒否されたメールまたは一時的にエラーになったメールの合計の割合を確認できます。グラフの下にエラーの理由がリストで表示されます。

配信エラーについて
・ペースの制限を超えている: ドメインまたは IP が不審なほどのハイペースでトラフィックを>送信しているため、一時的にペースが制限されています。
・迷惑メールの疑い: トラフィックは迷惑メールの可能性があるとシステムで判断されています。
・メールに迷惑なコンテンツが含まれている可能性: トラフィックのコンテンツに基づき、迷惑>メールの可能性があると判断されています。
・添付ファイルが不正またはサポートされていない: Gmail でサポートされていない添付ファイルがトラフィックに含まれています。
・送信者ドメインの DMARC ポリシー: 送信者のドメインで DMARC 拒否ポリシーが設定されています。
・レピュテーションの低い IP からの送信: レピュテーションが非常に低い IP から送信されています。
・レピュテーションの低いドメインからの送信: レピュテーションが非常に低いドメインから送信されています。
・IP アドレスが公開 RBL に掲載されている: IP が 1 つまたは複数の公開 Real-time Blackhole List(RBL)に掲載されています。RBL に連絡して、あなたの IP をリストから外してもらいましょう。
・ドメインが公開 RBL に掲載されている: ドメインが 1 つまたは複数の公開 Real-time Blackhole List に掲載されています。RBL に連絡して、あなたのドメインをリストから外してもらいましょう。
・PTR レコードが正しくないか見つからない: 送信元の IP の PTR レコードを確認できません。

グラフで配信エラーになっている部分をクリックすると、その理由もわかります。

以上、Google Postmaster Toolsで確認できる画面の紹介でした。Email sender guidelinesに関らずチェックすることが大切だと思いますが、とりあえずまだ使ったことがないという方はガイドラインへの備えを起点に活用していきましょう。

Discussion