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Intel NUCに無償版ESXi8.0をインストールしてホームラボ環境を構築

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はじめに

ホームラボが欲しい!ホームラボでたくさん勉強して一人前のエンジニアになりたい!
今回は、自宅で自由に使えるホームラボ環境の構築に挑戦します。
仮想化用ソフトウェアとハードウェアの選定を行い、インストール完了までが今回のミッションです。
よし、頑張るぞ。

仮想化用ソフトウェアの選定

まずは、今回のホームラボで使用する仮想化用ソフトウェアの選定です。
通常のOSをインストールしてVirtualBoxを使う方法もありますが、やはりここはハイパーバイザー型の仮想化ソフトウェアを使いたいと思います。
今回選んだハイパーバイザーは、ESXiにしました。理由としては、仕事でVMware vSphereを使用しており、操作に慣れているためです。
他にも、Hyper-Vや最近人気の高いProxmoxも候補でしたが、ちょうどESXiの無償版が復活したタイミングだったこともあり、今回は見送ることにしました。

HWの選定

続いて、ESXiをインストールするためのハードウェアの選定です。
ホームラボ環境で使用するハードウェアは、以下の条件を基準に選定することにしました。

  • 予算は10万円以内(中古品も可)
  • ESXiが認識するNIC(ネットワークインターフェースカード)を搭載していること
  • CPUのコア数・スレッド数が多いこと
  • メモリ容量が多いこと

この条件で色々と調べてみると、どうやらIntel NUC 10が良さそうという結論に至りました。
理由としては、ESXiのインストール実績が多いこと、価格としては10万以下で買えて中古であれば4-5万程度で購入できること、内蔵CPUのコア数/スレッド数がそれなりに多いこと、メモリの最大容量が64GBなど、、、。
中でも一番の決め手となったのは、標準搭載のNICがESXiに認識されることです。NICが認識されない場合、ESXiのインストールができず、USB NICを使う必要があったりなど手間がかかります。
さらに幸運なことに、ESXi 7.0u1以降ではIntel NUC 10に標準搭載されているNIC用のドライバがあらかじめ含まれており、ESXi 8.0(無償版)でもカスタムISOを作成せずにインストールが可能でした。ラッキー!
USB NICを用意したり、ドライバを組み込んだカスタムISOを作成する手間が省けたので助かりました。

なお、NUCに搭載するメモリやSSDは以下のCrucialのページを確認して選びました。

最終的に選定したHWは以下になります。

■構成

HW 容量 補足
CPU 6コア12スレッド i7-10710U
メモリ 64GB(32GB x2) DDR4
内蔵SSD(NVMe M.2) 500GB PCle4.0
内蔵SSD(2.5インチ) 1TB

■ミニPC(Intel Corei7 10世代):

Intel NUC 10に決定しました。
CPUが搭載されているベアボーンキットです。メモリやストレージは別途購入が必要です。
Core i7-10710U(6コア12スレッド)を搭載しています。

  • NUC10i7FNH(インテルCore i7-10710U)
    中古43,530円で購入
    ※ 中古なのでURLなし

■メモリ

NUC10i7FNHには最大で64GB搭載可能とのことなので、最大の64GBを搭載することにしました。
メモリはいくらあってもいいので…。64GBだと少ないと思う人もいそう…

  • Crucial ノートPC用増設メモリ 64GB (32GBx2枚) DDR4 3200MT/s(PC4-25600) CL22 SODIMM 260pin CT2K32G4SFD832A
    17,180円

https://amzn.asia/d/fZy1jAR

■内蔵SSD

ESXiのインストール先として500GBのM.2 SSDを購入しました。

  • Crucial(クルーシャル) P310 500GB 3D NAND NVMe PCle4.0 M.2 SSD CT500P310SSD8-JP
    6,263円

https://amzn.asia/d/exgFxqE

仮想マシン等を格納するディスクとして1TBの2.5インチSSDを購入しました。

  • Crucial クルーシャル SSD 1TB(1000GB) BX500 SATA3 内蔵2.5インチ 7mm CT1000BX500SSD1 
    9,040円

https://amzn.asia/d/2xbZrbR

■電源ケーブル

Intel NUCのキット内に電源ケーブルが無かったので別途購入しました。

  • アイネックス(AINEX) ACアダプタ用電源ケーブル 0.18m ACP-C5018A ブラック
    491円

https://amzn.asia/d/c7DVjNa

合計:76,504円... かなり安く済みました!!
Switch2よりは高いですが…自己投資なのでOKということにします。

Intel NUCの組み立て

NUCに別途購入したメモリ、M.2 SSD, 2.5インチSSDを搭載します。
底面の4つのねじを外すことで簡単に開けることができました。
※ M.2 SSDを固定するねじが入っていなかったです…。中古なので仕方ないか…。
  2.5インチSSDと搭載するところからねじ取ってきて対処しました。

ESXiのインストール

■無償版ESXi8.0の入手

インストール用のESXiはBroadcomのサポートポータルサイトからダウンロードします。
事前にサポートポータルのアカウント登録が必要です。
ダウンロード手順については以下を参照ください。
https://blogs.vmware.com/vmware-japan/2025/01/broadcom-support-site-user-guide.html
今回はESXi8.0U3eを入手しました。

■インストールメディアの作成

インストールメディアの作成には、Rufusというツールを使用します。
これを使って、ESXiのISOイメージをUSBデバイスに書き込み、起動可能なインストールメディアを作成します。

  1. PCにUSBデバイスを挿入します。
  2. Rufusを起動し、[デバイス]でUSBデバイスを選択し、[ブートの種類]でダウンロードした無償ESXiのISOファイルを選択して[スタート]をクリックします。
    ※ 今回はUbuntu用に使用していたUSBのためデバイスの部分が分かりにくくなっています。
  3. [はい], [OK]をクリックすると作成が開始されます。
    ※ Ubuntu用に使用していたUSBを使用しているので余分な情報が残っていました。
  4. 少し待つと完了します。
    少々分かりづらいですが、「準備完了」のバーが緑色になっていたら作成完了です。

■BIOS/UEFIでの設定確認

NUCに搭載されている各ハードウェアが正しく認識されているかを確認し、
仮想化支援機能を有効にしたうえで、USBデバイスからの起動を優先するようにブート順を設定します。

  1. BIOS/UEFIに入るためにNUCを起動して[F2]キーを押下(連打)します。
  2. BIOS/UEFIに入れましたら、「main」タブからCPUやメモリが認識されていることを確認します。
    メモリがしっかりと32GBx2で認識されていますね!
  3. 「Advanced」タブから搭載したSSDが認識されていることを確認します。
    1TB SSDと500GB M.2 SSDが認識されていたのでOK。
  4. CPUの仮想化支援機構であるIntel VTを確認します。
    「Security」タブから[Security Features]をクリックします。
  5. 「Intel Virtualization Technology」が「Enabled」になっていることを確認します。
    有効になっていました。
  6. 続いて、USBデバイスのブート順序を優先するように設定します。
    「Boot USB Devices First」の右側のチェック欄にチェックを付けました。
    おそらくここにチェック付けるとブート時にUSBデバイスが優先されるかと思います。
  7. [F10]キーを押下すると「Save & Exit Setup」画面が表示されます。[OK]をクリックして設定を保存します。

■ESXiのインストール

  1. 作成したUSBのインストールメディアをNUCに挿入して起動します。
    インストール開始画面が表示されたら[Enter]キーを押下してContinueします。
  2. EULA画面が表示されます。[F11]キーを押下して承認してContinueします。
  3. ESXiのインストール先ディスクの選択画面が表示されます。今回はM.2にインストールするため、t10.NVMe...のディスクを選択して[Enter]キーを押下してContinueします。
  4. キーボードの言語選択画面が表示されます。矢印キーで[Japanese]を選択し、[Enter]キーを押下してContinueします。
  5. ログイン時に必要なルートパスワードを設定し、[Enter]キーを押下してContinueします。
  6. インストールの確認画面が表示されますので[F11]キーを押下してInstallを実行します。
  7. しばらくするとインストール完了画面が表示されます。ここでNUCからUSBを取り出し、[Enter]キーを押下して再起動を実行します。
  8. 再起動後、無事にインストールが完了しました!
    この後、自宅のLANに対応するIPアドレス等を設定すればブラウザからHostclientにアクセスできます。ネットワークの設定手順については省略します。

ブラウザからHostclientに接続。
CPU、NIC、メモリ、SSD全て認識されているようで安心!
TPMのアラートが出ていますが、これは無視して問題なさそうです。

SSHでshellに接続して、NICを確認してみました。
NICはintel I219-V Gigabit LANが搭載されており、ne1000ドライバですね。
今後、違うHWを使う際はI219-Vが搭載されているものを探すのもありかも。

[root@localhost:~] esxcli network nic list
Name    PCI Device    Driver  Admin Status  Link Status  Speed  Duplex  MAC Address         MTU  Description
------  ------------  ------  ------------  -----------  -----  ------  -----------------  ----  -----------
vmnic0  0000:00:1f.6  ne1000  Up            Up            1000  Full    xx:xx:xx:xx:xx:xx  1500  Intel Corporation Ethernet Connection (10) I219-V
[root@localhost:~]

ESXiが無事にインストールできたので今回のミッションは完了です。
お疲れ様でした。

参考

最後に

無事、Intel NUC 10にESXi8.0u3eをインストールでき、ホームラボの構築が完了しました。
ついに念願のホームラボを手に入れました。たくさん勉強できそうです。
今後は、さまざまなOSに触れたり、ネットワークの勉強をしたり、コンテナを扱ったりと、いろいろな技術を試していく予定です。
もし、これからホームラボの構築に挑戦してみたいという方がいらっしゃいましたら、本記事が少しでも参考になれば幸いです。今回はESXiのインストール実績があるIntel NUC 10を使用しましたが、最新のNUCで試してみるのもいいかと思います。

それでは、またお会いしましょう。

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